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資格を活かすこと

資格を取ることと、資格を活かすこと。皆さんにとって、どちらが大変だと思われるでしょうか?
もちろん、資格の内容にもよります。一般的に難しいと呼ばれる資格を取ることは大変です。
私個人としては、資格を活かすことも難しいというのが率直な思いです。

忘れもしない、2003年11月14日(金)。社労士試験の合格発表の日でした。
仕事から帰宅後、真っ先にパソコンに向かい、自分の受験番号を見つけた瞬間。
「1年間の苦労が実った!」
跳び上がりたいほど喜びました。

今日で、ちょうど20年経ってしまいました。

もちろん、資格を取ることがすべてではありません。
「まだまだ、これから」
合格した直後、兜の緒を締めましたが、その後の道のりは、想像以上に険しいものでした。
社労士の「資格を取りたい」と勉強した1年間に対し、「資格を活かしたい」と、もがき続けた期間は、約20年……。バランスが取れないほど、長い長い日々でした。

まずは社労士事務所で修行しよう……。希望しても、当時、ペーパードライバーで、転職もままならず。
それでも探し続けていたら、思わぬ病気になり、資格を活かすどころか、働くこと自体に悩み、葛藤させられた時期。
「資格より実務経験」……。イヤというほど聞かされ、社労士はあきらめようと、会計事務所勤務に舞い戻り、簿記に走った日々。
会社内で、何かと訊かれることはあっても、自身の実務経験には結び付かず、与えられた業務に没頭していた毎日。
……社労士の資格を活かすまで、立ち止まったり、寄り道したり。そんな歳月を長く過ごしてきました。

合格した瞬間の喜んでいた自分を、冷めた目で恨めしく思ったこともありました。
「資格なんか取らないほうが、却ってよかったのかも」と、すべてを否定したくなる時もありました。

一方で、社労士受験時代、毎週日曜日、片道2時間かけて講座に通ったことや、仕事から帰宅後、机に向かったことを思い出すと、あきらめきれない自分もいました。
「何もかも無駄にしていいのか?」と。
「このまま、人生を終えるときが来ても後悔しないのか?」と。
「もったいない」と心配してくれたり、開業を勧めてくれたりする言葉に救われたこともありました。ありがたかったです。

会社勤めへの思いを失くし、ようやく開業を決心。社労士として仕事をしている現在が不思議です。
資格がすべてとは、いまでも思えません。けれど、そのような制度である以上、資格を取らないと何も始まらないことも事実。
こうして仕事をしていられるのは、あのとき必死に勉強した自分のおかげ。
20年前、合格を喜んだことも当然だと、素直に認められるようになっています。
開業は大きな決心でしたが、一歩踏み出すことが、自身を肯定することにつながりました。

そして、「資格を活かしたい」と、もがき続けていた日々すら、大事な時期であったのだと思えます。
立ち止まったことも、寄り道したことも、「治療と仕事の両立支援」に関心を持ったり、簿記を活かして別の仕事をしたりと、現在に活きています。
それなりに頑張っていれば、無駄な生き方などなくなるのかもしれません。

現時点では、1日1日を乗り切ることしか考えられない毎日。ある意味、目標意識が薄くなったということでしょうか。
しかし、資格を活かせるようになったことに満足しているわけではないのです。どのように仕事と向き合っていくか、考えることに精一杯ということなのかもしれません。
資格を活かしていくというのは、責任も伴うもの。実感しています。
それでも誇りを持てるよう、日々、努めていきます👩‍💼

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