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給与明細書は保存しておくべき?

毎月受け取る給与明細書。保存しておいているという方は、どれほどいらっしゃるのでしょうか?
ある程度の期間が経てば、捨てているでしょうか?
近年は電子化が進んでいます。紙で受け取らない方も増えているのかもしれません。 

⏳行き場を失った明細たち

私は就職してからこの方、給与明細を捨てずにきました。
いつからか、元々お菓子の入っていたスチール缶に入れて、大事に大事にしまってあります。
缶はA5サイズの手ごろな大きさですが、底が深いわけではありません。
相手は、明細書とはいえ、20年分以上もあります。会社勤めを辞める数年前から収まりきらなくなり、蓋は蓋としての用をなさず、ただの押さえです。
「大事に」しているつもりが、案外、ぞんざいに扱っているものです。
 
何となく、捨ててはいけない……。強迫観念にとらわれてきました。
ところが、昨年末、大掃除をしているときのこと。缶からあふれている明細たちを目にして、「もういいかな」。未練も、愛着も、捨てることへの罪悪感も失っている自分がいました。
断捨離熱に燃えていたおかげかもしれません。
 
理屈的に考えても妥当です。給与明細を見返すことなんて、1度だけしかなかったのですから。後述する、年金絡みのチェックのときのみでした。
給与額のことでトラブルになったこともありません。

そもそも、給与明細を保存しておくにしても、どれぐらいの期間、取っておけば十分なのか? 考えてみました。 

⏳いつ捨てる?

給与明細を保存しておくべきなのか? いつまで取っておくべきなのか?
従業員に対する縛りは全くありません。

ただ、目安としては当面「3年」と考えます(個人的な考えです)。
なぜなら、賃金請求権の時効が3年だからです。残業代がきちんと払われていない場合など、後から気づいて会社に請求できるとしても、期間の制限があります。
また、会社側が賃金台帳を保存しておく期間も3年です。
  
注釈として、1つは、「3年」というのが、「当分の間」の経過措置であるということです。2020年の民法改正に伴い、本来は「5年間」とされています。
賃金請求権も、賃金台帳の保存期間も、共に将来的には5年間に延びるでしょうが、いつからかは、まだ明らかにされていません。

もう1つ、給与から所得税が控除されていますが、こちらに関しての書類の保存期間は7年間です。会社側で、賃金台帳が源泉徴収簿を兼ねている場合は、3年ではなく、7年保存となりえます。

いずれにしても、特に問題なければ、従業員側が給与明細を取っておくにしても、当面3年で十分と考えます。
  

⏳捨てる前に、これだけはチェック

以前にも書きましたが、「ねんきん定期便」が届いたら、給与明細とチェックしてみましょう。何をチェックするのかというと、厚生年金保険料です。

「ねんきん定期便」は、毎年、誕生月に届きます。
基本的にハガキタイプで、直近1年間(厳密には13ヵ月間)の記録が記載されています。その中に、納めた厚生年金保険料の金額も載っています。
当然、厚生年金の保険料は、自分で納めるわけではありません。ここに載ってくるのは、給与天引きされた額のはずです。
35、45、59歳の年には、封書で届きます。1年間だけでなく、それまでの全期間の分が記載されています。

給与明細で控除されている厚生年金保険料と、「ねんきん定期便」に記載されている厚生年金保険料、両方の金額が合っているかどうか? 
自分の将来の年金額にも関わってくるので、間違いがないかどうかは見てみましょう。ただし、端数処理の都合上、1円程度の誤差はあります。

「ねんきん定期便」については、過去にも書きましたので、一番下にリンクしておきます↓↓
 

⏳データ保存で悩む

紙での明細を思いきって廃棄するにしても、「抵抗ある」という場合……。PDFや写真にしてデータ化しておくのもよいでしょう。
 
私も全て、データ保存化することを思い立ちました。
ただし、保存方法で迷っています。転職も経験しているため、明細の様式がまちまちだからです。A4用紙、小さなメモ、横に細長いものなど……。
PDFで取るか、写真を撮るか、どちらが効率的なのか悩むところです(ちなみに、当事務所では、A5サイズで発行しています。名前が見えるように折り、窓付封筒に入れてお渡ししています)。

どちらでデータ化するか問題は、今年の年末までの宿題となりそうです。
 
こんなことで悩んだり迷ったりしている日々が、いかに平穏なものなのか。当たり前と思わず、毎日を大事にしていかねばと、改めて思い知らされる今日このごろです👩‍💼


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