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【詩の森】492 嘘と生きる

嘘と生きる
 
世の中が
まさかと思うような大いなる嘘で
動いていると知った後でも
世の中が変わることはありません
いつも通り何事もなかったかのように
動いていきます
何故そうなるかといえば
世の中の嘘を知っているのは
僅かな人たちだからです
その僅かな人たちの内の大半は
嘘を吐いている側の人たちです
騙されたと知っているのは
ごくごくわずか
多勢に無勢とはよくいったものです
 
世の中の嘘が
こんなにも巨大化してしまったのは
マスコミが巨大化したからです
世界はマスコミの配信網によって
分断されています
マスコミは嘘拡散装置でもあるのです
人々を嘘まみれにし
幻想のなかに閉じ込めてしまいます
みんながその嘘を信じているなら
その嘘はもはや嘘ではなくなります
それどころか
あろうことがその嘘は
厳粛な事実のようにさえ振る舞うのです
知らぬが仏とはよくいったものです
 
知っても知らなくても
世の中が変わらないなら
敢て知る必要もないのかもしれません
嘘の本流に乗って
流されてしまうほうが
どんなにか楽なことでしょう
しかし恐ろしいのは
何かの拍子にその嘘に気づいたときです
あなたを駆り立てていたものが
全て噓だったと知ったら
いったいどうなるでしょうか
あなたは恐らく信じたくはないでしょう
そうしたらこれまでの自分はどうなるのでしょう
方便の嘘ではなかったのですから―――
 
嘘を見抜くには
複数のソースに当たり
自分で判断するしかないと思います
小さな疑問を辿っていけば
嘘の綻びが見つかるかもしれません
そうしてやっぱり嘘だったと確信できたら
やがてあなたは静かにそれを
受け入れることでしょう
わたしたちの人生はわたしたちのもの
だれでもだれかに踊らされるより
自分で踊ったほうがいいに
決まっていますから―――
ちょっとした疑問
なおざりにしていませんか

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