ツヨシ村上

昭和42年創業の焼肉東洋軒、風人月下、オンラインショップ「ツヨシ村上商店」もやってます…

ツヨシ村上

昭和42年創業の焼肉東洋軒、風人月下、オンラインショップ「ツヨシ村上商店」もやってます。 https://ktunity.thebase.in/

最近の記事

和牛の脂肪質について

肉の脂肪酸の研究は古くから行われていて、世界では非常に多くの研究報告があり、脂肪の質が大事だと言う事は世界中で認められていて、飼料や品種によって脂肪の質は大きく変わるので欧米では特に健康との関係で近年特に重要視されています。 本日は当店が良いと考える脂質の要素を3点挙げてみました。 ①系統の良い長期肥育未経産牛肉であること 他品種と比べて緩徐収縮筋豊富な系統の良い未経産黒毛和牛は、SCDという遺伝子を多く持つ、https://www.naro.affrc.go.jp/o

    • 和牛赤身肉について

      旨い肉は小豆色と言われるように、美味しい赤身肉には赤身肉に含まれるミオグロビンの含有量が多い事が科学的に証明されています。当店ではお客様により美味しい赤身肉をご提供する為に以下の3項目を守っています。 ①但馬系統かどうかを必ず確認 牛の筋肉(赤身肉)には大きく分けて2種類あります。1つは成長の速い筋肉の速収縮筋。この筋肉は例えば短距離走など、急激かつ強い動きの際に活躍する。分厚くて硬く細胞にミオグロビン(肉の赤さの素となる物質)の含有量が少ないため、この筋肉(赤身肉)は味

      • 循環産業

        肉牛の繁殖農家さんや一貫生産農家さんは日本の「循環産業」を担っています。 循環産業とは、本来なら捨てられるものを資源として再生し、持続可能な社会実現に寄与する産業のことです。 肉牛の飼育を通じた資源の循環とは ①牛舎から出した排泄物が堆肥舎で完熟堆肥になる     ↓ ②畑へ還元した堆肥が牧草を育てる     ↓ ③牧草が牛の餌になる     ↓ ④牧草を食べた牛が排泄物を出す     ↓ ⑤牛舎から出した排泄物が堆肥舎で完熟堆肥になる     ↓ (以降、②③④と循環

        • 「モネンシンフリー」

          私はコスパと言う言葉があまり好きではない。 これまで焼肉店経営を通じ、狂牛病問題など様々な牛肉問題を経験して思うことは、産業革命以降の大量生産大量消費、少しでも価格が安いことのみを追求するコスパ至上主義文化が生み出した”生きとし生けるモノたちへの軽視”を止めていかなければ同様の問題はまた起こりうると言うこと。 狂牛病問題なども死んだ牛を骨ごと粉にした「肉骨粉」を牛の飼料に混ぜたことで牛の脳がスポンジ状になるという異常な病気を生み、その牛を食べた人間は同様に脳に異常をきたす

        和牛の脂肪質について

          Local to global

          東洋開発㈱の倒産からはや一年が経とうとしている。全ては自らの不徳とする所だが、昨年1月メインバンクからの融資が急遽ストップし、一連のコロナ融資もほぼ受けれなかった為、前会社の経営続行はその時点で不可能となった。それでも何とか雇用を守り、連鎖倒産を防ぐための苦肉の策として、家内の経営する(合)KT UNITY.に担保物件では無かった2店舗の営業権を買い取ってもらい、これまで2店舗とネット販売事業は継続できている。 新会社(合)KT UNITY.として店舗再開をした当日は、想定

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          安心と美味しさ”和牛様の献立を考える”

          2003年アメリカ産牛肉BSE事件が起こった。 BSEは肉骨粉を牛に与えたことにより脳がスポンジ状になる病気のこと。 現在肉骨粉を食べた牛が市場に出回ることは100%無い。しかしこの事件をきっかけに自店が取り扱わせていただく牛肉が一体何を食べて育てられたのかを知りたいと強く思うようになった。現在も「知らない事は罪なのだ」と自分に言い聞かせ、いつでもわが子に安心して食べさせられる美味しい黒毛和牛様を求めつづけている。 当店が一頭買いさせていただいている黒毛和牛様の献立はこのよ

          安心と美味しさ”和牛様の献立を考える”

          四国随一の名人②

          先日購入させていたいた、四国随一の名人倉山様の枝肉の枯らし重量が本日完了した。 今回の枝は30ヶ月のメスで一頭の枝肉重量が380kg程度BMSも2桁。系統は小ザシの入る美津照重。このような牛さんは生きながらにして肉中の水分がほとんど抜けており枯らし熟成をやりすぎると逆に脂の風味を損なう。なので今回は10日間の枯らし熟成となった。 ちなみに、牛さんは例えば500kgのものも380kgのものも体の細胞の数は同じ。つまり純但馬系統の胴が短く足が短く細い小さい牛さんはキメが細かく

          四国随一の名人②

          四国随一の名人

          山種易産業株式会社 倉山様 昨日枝肉を購入させていただきました、香川銘牛会の倉山様の牛舎にお邪魔いたしました。倉山様は四国一大規模な繁殖農家さんであり尚且つ一貫生産農家さん。牛舎での肥育頭数は約1000頭、現場スタッフは常時7~8名。現在深刻化しつつある飼料不足(高騰)下でも社員の方にキチンとボーナスを支給する敏腕経営者でもあります。近隣に新しい牛舎も建設中。しかしそのお人柄はとても穏やかで謙虚。初対面の私にも非常に丁寧に接して下いました。人物としても筋金入りの本物感を感じ

          四国随一の名人

          「足の先まで旨い牛さんの解」

          ”良い牛は足の先まで旨い”と昔から言われます。 良い牛とは系統、月齢、肥育環境、生産者の4条件がそろっていることはもちろんですが、足の先まで旨い牛を育てるのには、牛さんに与える濃厚飼料の中の「ぬか」選びがかなりのポイントとなります。当店が取り扱わせていただく一貫生産黒毛和牛の濃厚飼料には「脱脂米ぬか」を好んで配合しています。「脱脂米ぬか」とは、玄米から白米を精製する時に出る胚芽と種皮とが混ざった粉から脂分だけを抜いたもの。 「脱脂米ぬか」には牛さんの疲労回復に効果のあるビタ

          「足の先まで旨い牛さんの解」

          「焼肉屋のもつ鍋」

          久々の投稿は新しく味変したもつ鍋の話です。 新鮮な牛モツを仕入れるための独自ルートを持っているのが老舗焼肉店の特徴の一つなのですが、当店では昔から和牛のホルモンではなく交雑種のホルモンを好んで使用しております。 その理由は価格が比較的安価なことと、交雑種を取扱う屠畜場からの距離が比較的近く、鮮度の良いものが安定して手に入るからです。 当店の交雑種ホルモンの魅力はその独特のぷりぷりした歯ごたえと出汁に溶けだす旨味です。鮮度の良い交雑種ホルモンは、柔らかく歯切れのよい和牛ホ

          「焼肉屋のもつ鍋」

          「鬼滅の儀式」

          地元の由緒ある神社様にて、毎年恒例の「立春招福巻 限定1500本」の神事が2021年1月24日(大安)に無事完了いたしました。 鬼の金棒を見立て丸かぶりする巻寿司の海苔に「家内安全」「新願成就」のご祈祷をしていただいてます。毎年緊張感のある境内で一枚だけ許可を経て撮影させていただくのですが(ブレブレで恐縮です。)宮司さまの目の前にある段ボールが1500本分の海苔となっております。 寿司酢から全て手仕込み。 https://www.instagram.com/p/CFGjm

          「鬼滅の儀式」

          「ビーフシチューについて」

          ビーフシチューに使用する肉は、ホホやタン、スネなど長時間煮ても煮崩れしにくいゼラチン質の多い部位が適している。中でもホホ肉は肉の原型を留めながらスプーンで軽く切れる位の、フワフワ柔らか仕上がりになるのが魅力だ。 このホホ肉やシチューのスープベースとなる牛テールは、精肉ではなく内臓肉として流通している。創業53年目となる弊社の焼肉店でも長年来新鮮な内臓類をお客様にご提供できるようにお取引先様と共に努力して来た。その甲斐あって、とても新鮮なホホ肉やテールを安定して仕入れることが

          「ビーフシチューについて」

          「すき焼きについて」

          和牛香を楽しむ料理として「すき焼き」がある。    「香りを楽しむ」という食文化は洗練されているだけでなく、過食を避けるという意味でも好ましいと思う。                    和牛香の成分は「ラクトン」という。ラクトンは若い女性特有の香り成分でもあり、食品では杏子、桃などの果物やジャスミンなどの香り成分としても自然に存在する。 ラクトンは80℃で2分程度の過熱が最適調理条件とされていることから焼肉やステーキよりも、すき焼やしゃぶしゃぶが香りを楽しむ調理方法

          「すき焼きについて」

          和牛仕入れの考え方

          私は創業53年目になる焼肉店の2代目です。コロナ過で既存店の売上が低迷する現状に対応すべくツヨシ村上商店というオンラインショップを立ち上げました。 https://ktunity.thebase.in/ オンラインショップでは、一貫生産未経産黒毛和牛を枯らし熟成させた牛肉を主に取り扱わせていただいております。今回文末にありますお客様からのご質問の一助となりますよう当店の和牛仕入れの考え方をまとめてみました。 「一貫生産」 一貫生産とは、牛の出生から出荷まで同じ生産者が愛

          和牛仕入れの考え方