問題を描く前にAIに頼らない

採用面接の課題で「5年後のデザインツールを考えてみて」という質問を試してみた時期があった。近い将来にどんなデザインの課題があって、それにはどんな方法で対応するのが良いか。今現在、たとえば音声UIをうまくデザインするツールやプロセスはないし、どんどん増えていく情報端末を家族とうまく共有する方法とか、手探りなUXデザイン手法しか存在しないエリアはあちこちにある。Figmaは在宅コラボレーション時代の神ツールだけど、画面デザインで完結できる分野はどんどん狭くなっていくかコモディティ化して価値が下がっていくだろう。みたいな課題意識とか解決策とか、そういう話を聞きたくて思いついたのだが、ここに書いたような現実的な話からもっと思ってもみなかったアイデアまでいろいろ出てきて楽しい。

結構多くていまいちだな、と思うのは「人間がある程度考えてAIに指示を出すと細部を自動でやってくれる」系の答え。普通にありえる話だとは思うのだけどこれを出す人はたいてい、どんな入力を与えるとどんな出力が出てくるのかみたいな突っ込んだ質問に答えられない。未来=AI、みたいな感じでワードが先に出る人の典型的なパターン。デザインの具体的な課題から出発する人はAIなしでも成立するプロセスやアルゴリズムを考えた上で「ここの部分がこう自動化できる」みたいな具体的な案が出せることが多い。

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