twenty nine

文章を書く練習を兼ねて、主に英語で書かれたデザイン・アート関連の記事を紹介します。 …

twenty nine

文章を書く練習を兼ねて、主に英語で書かれたデザイン・アート関連の記事を紹介します。 https://twitter.com/twenin29

マガジン

  • 書きかけ

    完成する予定のない書きかけ。雑な文章をアップするための言い訳。

  • デザインの英語

    海外でデザインの仕事をする時や、英語でデザイン関連の記事を読む時に役に立つかもしれない記事。普通の英語教材だとなかなか出てこないような表現や文化を取り上げられたら成功。

  • 文字

    文字について

  • 読書文

    読んだ本や、まだ読んでない本について。

最近の記事

歴史について

自分の知る限り、大半の人間の価値判断はちょっと前の世代に対する尊敬か反動に基づいている。これらは相反する感情だが「あの人(たち)がこう言っているので私はこうする」という意味で同じ穴のムジナである。「あの人たち」の典型的な例は親の世代とかちょっと上の先輩とかだが、これは昔の年代のリバイバル的な動きを作る人とそこに乗り、乗せられる人たちにも適応できる。なぜかというと最初のテーゼが多分雑すぎ、大きすぎだからだ。

    • 作りたいものを作るにはツールから作る

      自分の気になること、作りたいことを突き詰めていくとツールから作る羽目になることが多い。ちょっとしたプラグインから簡単なドローイングツール、 UIフレームワークもどきまで。 既存のツールは素晴らしくて一般的にクオリティが高いとされる表現に効率的にたどり着けるようによく考えられているが、時としてツールによって自分の作業や考え方が形作られてしまっているような気分になる。 Figmaは素晴らしいUIデザインツールだが、iOSやAndroid、webなど既存のプラットフォームに最適

      • 問題を描く前にAIに頼らない

        採用面接の課題で「5年後のデザインツールを考えてみて」という質問を試してみた時期があった。近い将来にどんなデザインの課題があって、それにはどんな方法で対応するのが良いか。今現在、たとえば音声UIをうまくデザインするツールやプロセスはないし、どんどん増えていく情報端末を家族とうまく共有する方法とか、手探りなUXデザイン手法しか存在しないエリアはあちこちにある。Figmaは在宅コラボレーション時代の神ツールだけど、画面デザインで完結できる分野はどんどん狭くなっていくかコモディティ

        • 将棋になれるとルールに無い手は見えなくなる

          最近音楽理論を勉強していて思ったこと。 将棋やチェスなどのボードゲームを覚える時、まず最初は何をして良いかわからない状態から始まる。フラットな盤面に置かれたそれぞれの駒を眺めてはどう動くのかをひとつひとつ思い出す。ああそうか、銀は横に進めないんだっけ。 少しゲームに慣れてくるとルール上挿せない手が全く発想に上がってこなくなる、見えなくなる。あり得ない手が見えない分効率的な思考ができるようなり、飛車の上下左右に線が感じられたり、盤面に意味と構造が見えてくる。 さらに慣れて

        歴史について

        マガジン

        • 書きかけ
          59本
        • デザインの英語
          24本
        • 文字
          11本
        • 読書文
          9本

        記事

          コンピュータの質感

          道具は能力の延長であり制限であり、その両方の側面が結果を形作る。 印象派のような絵画が油絵具というメディアなしに誕生しただろうかと思う。写実的な細部を離れて全体的な光の効果を考えた(かどうかは知らないけど)結果モネの絵画に絵画に代表されるような質感や表現に落ち着いたのは、物理的な絵具の特性、筆の太さ、キャンバスの質感、屋外での制作による移り変わる光と限られた時間など物理的な制限によって形作られた部分がとても大きいだろう。もし油絵が存在しなかったらあんな絵は書かれなかった。A

          コンピュータの質感

          音楽理論が楽しい話

          音楽理論はとても人工的なものだ。どんな理論でも人間が作ったものなので当たり前の話なのだけど、音楽理論はその扱う対象も人間が恣意的に作ったものだという点で物理学の理論などとは大きく異なる。 物理の場合はまず現実の世界が存在して、そこで起きていることを上手く説明できるものが良い理論とされる。理論は更新されていくが現実は変えられない。音楽理論の場合、まず説明されている音楽そのものが人間の作り出したもの、しかもほとんど偶然の結果のようなものだ。実際にある音楽やあり得る音楽の総体から

          音楽理論が楽しい話

          Zoomはセロテープになるか

          他には何が良い例だろう。ブランド名が一般名したやつ。100均で買ったテープでも3Mとか他のブランドでも、セロテープと呼ぶ(のかな今でも)。アメリカだと逆にみんなScotch Tapeだ。老人向けにはWalkmanとか。Googleは動詞にはなったけどbingでググるとは言わないな。 なんなく思うのはビデオチャット機能はもうすぐコモディティー化する気がするということだ。Zoomが大躍進して、MicrosoftやGoogleがなんとかうまくやろうとして、でもそのうちビデオチャッ

          Zoomはセロテープになるか

          簡単にしない、というデザイン

          The push to redefine “good design” amid the Black Lives Matter movement という記事から。 In 2015, Nextdoor, the location-based social networking app, gained a reputation as a locus of racial profiling. Users were sending alerts for merely spotting

          簡単にしない、というデザイン

          (漫画)信念を変えることの難しさとその事実を知ること

          アメリカの奴隷解放記念日に関連して、人が信念を変えることの難しさと、だからこそその事実を知り、少しでも変化を起こすことについての漫画を紹介する。ひとつ前の続き。 元の漫画にはタイトルもなく「You're not going to believe what I'm about tell you」(これから言うことをあなたは信じないでしょう)から始まる。なんの先入観もなく読んでほしいと言う意図も感じるので、できればまず読んでみてほしい。 もし原文で読めたら。ここから下はただの

          (漫画)信念を変えることの難しさとその事実を知ること

          Us vs Them

          6月19日はアメリカの奴隷解放記念日だ。ジョージ・フロイドの事件もあり様々な議論やデモなどが展開された。自分が薄い知識と語彙しか持っていないことを再認識する機会でもあった。友人がシェアしてくれたものなど色々読んでみている。 日本でどんな報道や認知がされているのかはよく知らないが、目に止まったのはNHK『これでわかった!世界のいま』に対する抗議とアメリカ研究者13名が、6月12日にNHKに送付した要望書 「今回の問題を「不快な思い」 といった視聴者の受け止め方の問題に矮小化

          お金は運びにくい

          デザインあ、の「ない世界」で「お金、運びやすーーい(声:パンツェッタ・ジローラモ)」と言っていた。いやいや運ぶの邪魔でしょ、と思った。 思えばクレジットカードかスマホしか使わないので現金は普段持っていない。たまにカードお断りのバーとかあるけど誰かが犠牲になってATMで下ろして払い、Venmoで精算する。コインを使うのは旅先のコインランドリーだけで存在としてはゲーセンのコインに近い。タクシー(Uber)とかバスのチケットもスマホだ。 一度停電で何も買い物ができないことがあっ

          お金は運びにくい

          Local Minimaとイノベーション

          マシンラーニングの理論で使うLocal Minimaという言葉がある。狭い範囲では良いように見えるけど、全体を見渡すとそうでもない状態のことだ。最近は日常(?)会話でも聞くようになった。 マシンラーニングの多くは何かを予想したり判別したりするために使われる。そのために大量のデータを使って学習を行う。マシンラーニングにとっての学習とはたくさんあるパラメータをちょっとずつ動かしては試して間違える確率を減らしていくことだ。 タイトル画像のグラフはこれを簡略化して書いたもの。縦軸

          Local Minimaとイノベーション

          Yの枝分かれ

          DM Sansという書体があって、Google fontsの中ではかなり良いと思っている。Geometric(幾何学的)なデザインだけどゆったりと柔らかい感じがして読みやすい。作ったのはColophon Foundry。もの凄い細かいことだが小文字のyの枝分かれ部分にちょっとした切り欠きがある。2つのストロークを完全に繋げる前にペンを止めた感じ。手書きのディティールを感じさせる。下の画像はWikipediaのCarolingian minusculeのページから。なぜyだけこ

          Yの枝分かれ

          Letter Form Archive = 天国

          サンフランシスコにLetter From Archiveというタイポグラフィやグラフィックデザインが好きな人のための楽園があって、そのことについて描こうと思ったけど、思うことがありすぎて面倒になったのでwebサイトのスクリーンショットを貼って終わりにする。 ここの凄いところは資料を全部実際に手に取ってみれるところだ。事前にこういうのが見たい、と要望を伝えるとテーブルに並べて待っていてくれるしその場でも話が弾めばどんどん出してくれる。他の場所だったら暗いギャラリーでガラスケー

          Letter Form Archive = 天国

          ラベルが嫌いな話

          書きかけ。 ほとんど言葉の揚げ足取りなんだけど、自分はラベルが嫌いなんだなと気がついた。アート思考とか、デザインシンキング とか。そういうやつ。ああまた新しい言葉考えちゃったんだ、と思う。内容の話ではない。自分なりの考えを持とう、とか顧客の立場に立とう、とか、そのための手法とか、そういうのは基本素晴らしいと思う。 自分の役名に書いてあるUXデザインという言葉も正直好きじゃない。 ユーザの体験をデザインする。「あなたの体験をデザインしますね」って言われるとちょっと嫌な感じが

          ラベルが嫌いな話

          Falsifiability 反証可能性は科学の条件

          カール・ポパーは、反証可能性(Falsifiability)、つまり「否定あるいは反駁される可能性をもつこと」を科学の基本的な条件とした。 ポパーの本は一冊も読めていないので伝聞だし勘違いしてるかもしれないけど、この条件が好きだ。科学は真理ではない。真理に近そうだと思える考えに漸近するための手法だ。 何かを主張する際には反証を試みることができなければいけない。何かを言っては、反証できるかを厳しく試す(みんなに試してもらう)。反証の試みに耐えることがその主張の強さになる。 科

          Falsifiability 反証可能性は科学の条件