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第4回 Art Pepper/Meets the Rhythm Section

ジャズのCDを集め始めようとした頃、ネットのレビューやレコード会社のタダでCD屋とかに置いてある小冊子の名盤紹介を頼りに、とにかく中古CD屋やブックオフに通いまくった。
マイルスやコルトレーンに比べて知名度の低いアーティストだが、どのメディアでもジャズ初心者にこの作品を勧めていた。またジャケットに写る彼の真面目で知的な表情(実は麻薬問題で入退院を繰り返していた)にも、ジャズの扉を開ける後押しをした。

57年録音の名盤だがステレオ録音で音もクリア。モノラル特有のこもった音は苦手で、名盤名作でもmonoだと今だに躊躇してしまう。50年代の録音はモノラル録音ばかりだから、そういう意味でも希少。僕の中でのジャズスタンダードを挙げるとこれになる、、、かな。

曲もオシャレで聴きやすい。彼女を部屋に呼ぶとこのアルバムでムード作り。ずいぶんと利用させてもらった。
「ジャズとか聴くんだ〜。すご〜い。」みたいなやり取りになる(笑)

編成:
アート・ペッパー(AS)
レッド・ガーランド(P)
ポール・チェンバース(B)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(Dr)

1. You'd Be So Nice to Come Home To
マイルスデイヴィスのリズムセクショとの共演らしい、マイルスは出てきません。あの強烈な個性を支えるメンバーたちですから、裏方に徹する姿勢が見事。ピアノも打楽器のようにアルトサックスの裏で淡々と叩いている。軽快かつメロディアス。やっぱり完璧なモダンジャズ。

2. Red Pepper Blues
ちょっとミディアムテンポに落として、ただ楽器の濃淡は一緒。アルトサックスは前に後ろでリズム隊ががっちりと支える。遊びはない。しっかりと役割分担された音楽に中盤からは各楽器のソロも入っている。

3. Imagination
ピアノのレッドガーランドがアートペッパーに気持ちよくメロディを吹かせてる。ジャズでは表に出やすいピアノの音ですがそんな場面も見せてくれる1曲。

4. Waltz Me Blues
音は軽い。空間を楽しむ音楽は好きですが、やっぱもっとドラムやベースは重たくないとな…。

5. Straight Life
1曲目のような軽快さが戻る。それ以外の印象…
曲の個性というか、もうアルバム通して曲ごとの特徴がつかみにくい。悪く言うと全部同じ曲にも聞こえてしまう。それが悪いと言っているわけでは決してない。

6. Jazz Me Blues
心地よい。もうホントに心地良い。ノれるいうより癒しや落ち着きを求めたい人のJazzだね。

7. Tin Tin Deo
この吹き方、メロディラインがTHEアートペッパーって感じ。表題曲にしても良いくらい。

8. Star Eyes
リズム隊の音を引き立ててるようなアルトサックスに聴こえる。

9. Birks Works
はじめにも言ったが典型的なモダンジャズを演っている。彼は当時、そんな想いはなく自分の感情を曲にただ吹き込んでいたと思う。そういう影響力、プレイヤーの関係性が時代の音を作るんだと感じた。

総評:
DJでは使いづらそう。やっぱりBGMにもってこいのアルバム。そしてJazzの神髄、基本的なとこを抑えているアルバムだから入門編に選ばれやすいのだと腑に落ちた。曲に個性を感じられないのもまだまだJazz初心者の証でもあることを明白にした自分(笑)


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