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本屋に勤めています。日々のお問い合わせに対応するにいろんな本を知っておかねばと感じ、ブックレビューを数多くこなしてみようと思いました。読んだ本、読んでない本、たぶん読まない本まで含めて、紹介してみます。まずは我が家のそこらへんに転がっている本から手当たり次第に。

最近の記事

ブックレビュー『縄文人がなかなか稲作を始めない件』(笛木あみ、かもがわ出版)

縄文好きさんにはめちゃめちゃオススメだし、そうでないかたにもぜひ手に取っていただきたい縄文本です。 楽しく面白い語り口なので読みやすいですし、軽やかなのに、わりと専門的な最新研究をふまえた内容になっているので、勉強になります。 少し中をご覧いただくと、こんなカンジ。 こんなテイストで語り掛けられてくるので、スイスイ読めてしまいました。 もともと私は、わりと縄文時代が好きです。 なんでしょうね……ルーツを感じるというか、自然の中で生きられたら心がもっと自由だろうなと憧れるとい

    • ブックレビュー『お姉ちゃんの翠くん』(目黒あむ、マーガレットコミックス)

      ツインテールに八重歯のツンデレちゃんが、良い子すぎて目が離せません!! 「お姉ちゃんの彼氏に子供扱いされてムカついてたけど、あれ?この気持ちはもしかして……⁉︎」という展開の、かつての少女マンガじゃよく見かけたような、しかし昨今はあんまり見かけなかったような、そんなタイプの物語です。 ただ、主人公のスイちゃんに自分を重ねて読んでしまうと、この初恋は切なすぎるかもしれません。だって、お姉ちゃんの彼氏ですよ。とうてい無理そうじゃないですか。 なので、少し俯瞰して、「お姉ちゃん

      • ブックレビュー『ゆびさきと恋々(れんれん)森下suu、講談社デザートコミックス』

        まず、絵がかわいいです。 シンプルな画面なのに、さりげなくかわいい雰囲気に整っていて、目が心地良いです。「かわいいでしょーーーー!?」みたいなカンジではない可愛いさです。砂糖菓子タイプ、とでもいいましょうか。優しいかわいさです。 それと、モノローグの言葉が、すごく素敵。 素直な感情がとても端的に表現されていて、惹き込まれるし、共感させてくれるもんだから、自分が恋してる気持ちになって「キュン」となります。 聴覚障害の女の子が主人公なので「障がい者モノ」とカテゴライズされるで

        • ブックレビュー『天幕のジャードゥーガル』トマトスープ(秋田書店ボニータコミックス)

          「このマンガがすごい!2023」のオンナ編、第1位! 発売当初から売れ行き好調で、さらに今回の受賞です。これは売り伸ばしていかねばと、コミック担当として気合いが入ります。 チンギス・カン、クビライ・カンが活躍するモンゴル帝国の物語を、イラン(ペルシア)から連れてこられた奴隷少女の目線から描いています。 この少女、なんかすごい人物として成り上がっていくようです。歴史上の実在のモデルがいるとのこと。 まだ一巻目なので、まだまだ「触り」程度ですが、歴史モノなのに、歴史モノ臭さは

        ブックレビュー『縄文人がなかなか稲作を始めない件』(笛木あみ、かもがわ出版)

        • ブックレビュー『お姉ちゃんの翠くん』(目黒あむ、マーガレットコミックス)

        • ブックレビュー『ゆびさきと恋々(れんれん)森下suu、講談社デザートコミックス』

        • ブックレビュー『天幕のジャードゥーガル』トマトスープ(秋田書店ボニータコミックス)

          ブックレビュー『三千円の使いかた』原田ひ香(中公文庫)

          三千円の使い方で、人生が決まる。 ……そんな内容の書き出しで始まる、連作小説。 節約術も紹介されてるというし、売れているし、お金は気になるテーマだし、なので、読んでみました 親子三世代が、それぞれが見つめることになる「お金」のこと。 お金が必要だから、節約する。金利だって計算しちゃう。 お金は、ねぇ。 あればあるだけ出ていくし、無ければ無いで我慢するしかないからなんとかなるし。 ……などという、流されるカンジじゃお金って貯まらないんだろうなぁと、この本の登場人物たちの言動を

          ブックレビュー『三千円の使いかた』原田ひ香(中公文庫)

          ブックレビュー『姑の遺品整理は、迷惑です』垣谷美雨(双葉文庫)

          別にそれを「迷惑」とは思っていなくても、遺品整理をしている人には「そうそう!それそれ!」的な面白さはあるはずです。 めちゃめちゃ共感できました。 我が家の場合は、この物語のように家賃が発生しているわけではないですし、処分に手間がかかるややこしいシロモノもそんなに無さそうなので迷惑では全然無いですけど、「まあ、大変ですよね」などと、ちょっと他人事なくらいの距離感で眺めないと片付けの気力が折れてしまいそうには感じています。 いやもうホント、生前整理って、大事。 自分はまだ40代

          ブックレビュー『姑の遺品整理は、迷惑です』垣谷美雨(双葉文庫)

          ブックレビュー『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』(SBクリエイティブ)

          私のように「日本史は得意なのに世界史はナゼか苦手」というかたへ、全力でオススメです。日本史も世界史も苦手というかたへも、これまた全力でオススメです。 発売されたのは2018年。もう4年前です。 4年間、勤務先の売り場で全力でオススメし続けて現在に至ります。いまだに売れ続けていて、すっかり「定番書」の座に着いた印象です。 私、自分で言うのもなんですが、受験生当時、日本史は大変に得意でした。偏差値もかなりの数値でしたし、学校の日本史の授業が毎回楽しみでした。もともと好きな教科で

          ブックレビュー『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』(SBクリエイティブ)

          ブックレビュー『漫画 バビロン大富豪の教え』(文響社)

          超定番ベストセラー商品の、漫画版。 我が家にあるのはこの漫画版のほうだからか、元の本よりもこの深緑の表紙のほうの印象が強いです。勤務先の書店で日頃から両方とも目にしてるはずなのですが。 お金についての自己啓発本です。 お金って、付き合い方が難しいですよね。 少なくとも私は常日頃「もっとお金があればな」と思っていますが、でも一方で「宝くじが当たった人は性格が変わってしまう」的な話を聞くと、そうだろうなと思いますし、でも無いと困りますし、あればあるだけ出ていくし、無ければ無い

          ブックレビュー『漫画 バビロン大富豪の教え』(文響社)

          ブックレビュー『秘蔵古写真 江戸』(山川出版社)

          いわゆる古写真本ですが、「史料」として使うことを意識して編集されている気がします。 有名写真家の作品に加えて、とある2冊の当時の「アルバム」に掲載されていた写真を集めているのですが、冒頭にそのアルバム原本の写真が載っています。古い本の外観とその中身であるページの様子を見てから本編の写真を見ると、そこに掲載されている写真が「時代を越えてきた尊いものなのだ」という感慨が、より感じられるというか、深みが増すというか。 本編の写真それぞれも、そのアルバム2冊『大日本東京寫眞名所一覧

          ブックレビュー『秘蔵古写真 江戸』(山川出版社)

          ブックレビュー『消えた琉球競馬』(ボーダーインク)

          馬が好きです。 競馬にもわりとよく親しんでいますし、乗馬も続けてます(初心者のままですが)。馬に関する本はコレクションしていて、この本も、衝動買いしました。 ある日、グリーンチャンネル(CS放送の競馬チャンネル)で観た「悠久の馬」という番組の再放送で琉球競馬が取り上げられていたんです。とても興味深い内容でした。一緒に番組を観ていた家族が「このリポーターは、確か本を出していたと思う」と言うので検索してみたところ、本書に出会いました。 元スポーツ新聞の記者で中央競馬を担当して

          ブックレビュー『消えた琉球競馬』(ボーダーインク)

          本の話、始めます

          我が家に雑多に置かれている本を、かたっぱしから紹介してみようと思います。読んでない本も含めて、端から順に。 とりあえずまずは、ココ ↓ のゾーンから。 …………。 コキタナイ写真で恐縮ですが、我が家の構成員は本読みばかりなのに、家にまともな本棚が無いというか小さな本棚からあっという間にはみ出しまくって部屋の隅に積み重なっているというか散々な具合なので、そんな全体から見れば、ココは比較的ちゃんと「本が立って並んでいる」場所なので、一例として晒してみました。 (ちなみに、チラ

          本の話、始めます