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09_トークスキルだけでいいの?という「セールス」のお話

▼このテーマを読んでほしい人
・商談のクロージングで「検討します」と言われてしまいやすい方
・製品、サービスを拡販していきたい経営者、起業家の方
・新規の商談やオンライン商談などに苦手意識をお持ちの方
・商談相手との信頼関係を、早期に築きたい方



セールスにおいて「初回商談」は超重要プロセスです。
短い時間の中で
初めての相手と信頼関係を築き、価値を理解してもらう
必要があるからです。
セールスは苦手という人の中で、
商談に対して苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。

本テーマでは「信頼関係を築くための商談のヒント」として、
効果があったポイントを4つご紹介したいと思います。

その前に、現在のセールスのバックグラウンドを考えると、
より活用がしやすくなると思いますので、以下にまとめてみます。

■現在のセールスはどこで差がつくのか


昨今、営業管理ツールの発達やオンライン面談の一般化などにより、
商談のハードルは高いものではなくなりました。

またメール、SNS、検索エンジンを開けば
自分の嗜好に合った広告が表示されますし、
そこからサービスへの問合せや資料請求をすれば、
即座に連絡が来るケースも珍しくありません。

つまり顧客の視点で見たときには
選択肢は常にたくさん供給される状態」という変化です。

つまり売る側の視点でみたときには
自社の製品・サービスを選んでもらう難易度も上がっていく
ということです。

競合との違いを明確にすることは、もはや前提であり
「どこまで顧客の課題へ深く入り込めるのか?」
が、
初回商談の時点で求められるようになっていくということです。

画一的に「問合せ→アポ→商談→受注」といった営業の指標をチェックし、足りない分は行動量と気合でカバーというセールスの進め方では、
顧客のボトルネックを深く理解することは難しくなってきました。

もちろんセールススキルのトレーニング(ロープレなど)は、
多くの組織で実践しているかと思います。

今後は、個々人に対するスタンス教育というものが、今まで以上に大切になっていくと考えています。

よくトップセールスのノウハウは真似ができないといわれます。
言語化できるもの、そうでないものがあると思いますが、
決定的な差は、以下の2つにあると考えています。

・セールスの本質を「課題を解決し続ける」ことだと理解していること
・サービスや製品に本気で惚れ込み、誰よりもサービスを理解している。

セールスに求められるのは結果=数字です。
毎月、毎月数字を創り続けなければいけませんし、
事業規模が大きくなっていけば、ステークホルダーも増えていきます。

経営側の対外的なコミットも強くなっていき、
セールス部門には「前年比◎%成長が必達」という
号令が下りていきます。

そのような状況下で「課題の解決」と声高に唱えられても、「それより今日や明日の数字のほうが大切」となりやすいのが現状です。

デイリーの目標を定めて達成をしていくのはとても大事なことです。
しかし売り手本位の視点が強くなってしまうと、
本来は課題解決の手段として製品・サービスがあるという本質が、
販売・契約してもらうことが目的に変わっていきます。

そしてマネジメント側は営業効率ばかりを考えるようになります。
部分最適であれば、それでいいかもしれません。
しかしサービスや製品は、企画・マーケティング・開発・CS・管理部門など様々な部門の力が結集して提供される、いわば総力戦とも言えます。

昨今のセールス技法の進化は目覚ましいですが。
効率を追う営業スタイルだけが強調されていくと、
予算が潤沢で、ニーズが顕在化している人だけを
他社と取り合う「手前の戦い」になります。

最も大事であるはずの顧客との信頼関係や満足が二の次になるという恐れがあるのです。

さて、このようなバックグラウンドを踏まえ、
「はじめての顧客とも信頼見解を築く商談」に
フォーカスをあててみましょう

初めての商談で、信頼を得るためのヒント4つ

1.はじめに「場」を創る
2.成果は初めの段階で必ず定量的に設定する
3.プロジェクトのメンバーになったつもりで会話をする
4.わからなければ、言語化して確認する

1.はじめに「場」を創る

商談中、製品やサービスの説明する時に、
相手の反応が薄く、焦ってまくし立てるように説明を重ねてしまう。
このようなご経験はないでしょうか。

これは「場」を創られていないことに要因があることが多いのです。
例えば、社内会議であれば、アジェンダを設定し、会議冒頭でもスライドを映し、まず「全員が参加できる状態」=「場」をつくると思います。
これは商談も同じです。

どんなに優れた提案を持っていても、
話を聞いてもらえなければ意味がありません。
商談ではまず「同じスタートラインに立ってもらう」ことが重要です。

そして商談の終わりでは「誰がいつまでに何をするか」
明確に決まっている必要があります。

なので商談のはじめの1分で
この時間の主旨を端的に伝えることが大事です。

本日は、◎◎様の大切なお時間を頂くので、〇〇と××のお話をさせていただき、そのあとで、■■を決めるお時間にしたいと思います

それに相手も同意し、参加をしてもらう姿勢を整える必要があります。

特にオンライン等の場合、相手の感情や会話の間は読み取りづらいです。この「場を創る」ということはより重要です。

また商談の場では、多かれ少なかれ、相手も緊張状態にあります。

よくアイスブレイクやヒアリングが大事といわれます。
しかし、いきなり唐突にそれを実行しても
相手も、会話の意図や、なぜそれを聞くのか?を考えてしまい
集中できないまま商談に参加することになってしまいます。

場を創る努力は、「時間を頂く相手への敬意を払う」ことでもあります。

ここで躓くと、話が噛み合わず、微妙な空気になります。
なので、是非実践をしてみてください。

2.「成果」は必ず定量的に確認する

繰り返しになりますが、相手(顧客)の目的は、
製品やサービスを導入することではありません。
それを使って課題を解決することです

定量的には
「契約率が◎%→◎%にあがる」
「管理にかかる工数を月◎時間→◎時間に短縮する」

というような求める成果を数字で明確に確認することです。
これは相手と横並びの関係で会話をするためです。

特に新規商談の場合、
開始の時点で、必ず「売り手」と「買い手」という構造で始まります。
売り手側は、「相手を説得しよう」というスタンスでいるのに対して、
買い手側は、「微妙だったらお断りしよう」という状態です。
これは自分が買い手(逆の立場)でも同じだと思います。

成果の面を意識せずに話を進めていくと、
表面的な会話に終始しがちです。
つまり、製品の説明や他社との違い程度しか話せませんし、
後からヒアリングをしようとしても、詳しい話をしてもらえません。

後フォローで何とかするという方法もありますが、
先述の通り、相手には選択肢は山ほどあるのです。

もっと良いサービスが見つかれば、
その時点で検討対象外になってしまいます。

なので「たくさんのセールスの1人」から、
話を先に進めるためには
なんのためにサービスを導入するのか、具体的の指標をどれくらい改善したいのか?
という目的を言語化し、素早く握ることです。

そこを主軸に話ができれば、同じベクトル。
つまり顧客と横並びで追うべき目標を定めることがしやすくなります。

3.プロジェクトメンバーになったつもりで会話をする

目標が定まったら、課題解決プロジェクトの一員として
会話をしていきます。
セールストークからディスカッションに変えていくということです。

どんなスケジュール・人員・役割が必要なのか。
どの場面でサービスや製品が機能するのか。
それがどれだけの恩恵を生むのか。
など
製品・サービスが日々の業務で現場で使われるシーンを
相手と自分の頭の中に作り上げていくこと
です。

また、これは次項にも通じますが、
「言語化して相手に確認をする」こともとても重要大事になります。

なぜなら一番の課題を肌に感じているのは相手のはずです。
外から見た世界と、中から見た世界は天と地ほど違います。

なので、なんとなくわかったという状態で進めると、
高い確率で齟齬が生まれます。

相手先の組織の一員になり切り、
具体的な問題発生の場面や、会話まで頭の中に浮かんでくるか。
もし浮かばなければ、一度、現場とお話しできないか
など。

ここまできたらかなり突っ込んで話をしていくのが良いかと思います。

4.言語化して、意図を確認する

わからないことをそのままにしない。
あっているかわからないことは、素直に相手に確認するということです。

コミュニケーションという文脈において、
いつの間にか相手と認識がずれてしまっていたと
いうことはどの場面でも起こります。

認識のズレは、いきなり起こるものではありません。
会話ごとに少しずつ発生しているということです。

たとえ同じ言葉や単語を使って会話をいても、
「背景」・「時間軸」・「対象」が違うことは大いにあります。
単語ベースの乖離が、徐々に大きくなり認識のズレとして表出します。

それを防ぐためにも、重要な会話やクロージングの終わりには、
まとめると・・・(要約)ということで合っていますか?
というサマリーを挟むことをお勧めします。(しつこくならない程度に)

また、これは少し派生しますが、コミュニケーションにおいて、会話の意図をつかみ、クエスチョンに対して、適切なアンサーを返せるか」が特に大事です。質問に対して的確な返答がないと相手は不安に思います。

目安としてですが、同じ時間の中で2回以上Q&Aがズレた体験を相手に与えてしまうと、コミュニケーションに対する不安を持たれやすくなります。

なので、今求められているクエスチョンにはどのようなアンサーを返せばいいか、それが少し疑問があれば、聞き返す、自分の言葉で質問を言語化して確認してみることも大事です。

意図や解答がずれてしまうというのは誰にでも起こりえます。
ここをトレーニングすることで、
コミュニケーションに不安を抱かせてしまう、
信頼の土壌を創れないということを避けることにつながります。

まとめ

今回は、「商談」についてのポイントをまとめてみました。

本当に重要なのは、顧客満足であり、
サービスを選びつづけてもらえるかどうかです。

契約の段階=期待であり、満足ではありません。

商談がどんなに上手くいっても、契約後すぐ解約となってしまっては、
顧客も、自社も、誰も幸せになっていないことになります。

セールスは、手離れの良さ、仕組み化というテーマに
目が向いてしまいがちですが、
各部門がタッグを組み、顧客の期待をキャッチアップし、
製品・サービスへ反映していくサイクルを回すことが
サービスひいてはセールスの質を
根本的に上げていくことにつながります。

今回は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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