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ゴルフのハンディキャップって?

ハンディキャップとは

ゴルフのハンディキャップ(Handicap/HC)はその人の技量をはかる指標になります。ハンディキャップには、
・オフィシャル・ハンディキャップ
・プライベート・ハンディキャップ
があります。

プライベート・ハンディキャップとはコンペなどでよく使われるその日限定のハンディキャップで、ペリア方式、新ペリア方式など聞いたことがありますよね?

ここではオフィシャル・ハンディキャップについて解説しましょう。

オフィシャル・ハンディキャップ

オフィシャル・ハンディキャップ(以下、HC)は、ワールド・ハンディキャップ・システム(WHS)で決められたHC算定方法で、USGA(US Golf Association)やJGA(日本ゴルフ協会)など世界共通で使用されているハンディキャップのことです。競技会などに参加する場合は、このHCが必要となります。ハンディキャップ・インデックス(H.I.)と呼ぶ場合もあります。

HCが0(ゼロ)の人はスクラッチプレイヤー、1〜9の人はシングルプレイヤーと呼ばれます。18以上の人はボギー・プレイヤーと呼ばれたりします。

この世界共通のHCを取得することで、その人の実力が一目瞭然です。また、レベルの違うプレイヤーがHCを使って公平にゲームを楽しむことが出来ます。

スロープ・レイティング

HC算出方法を理解する前に、まずスロープ・レイティング(単にスロープと呼ぶことも)を理解しましょう。簡単に言うと、スロープとはそのゴルフ場の難易度を示す数字で、各ゴルフ場、さらにはプレイするTeeによって決まっています。

以下のスコアカードを見ると、右上にRATING/SLOPEという欄があり「Gold 73.1/132」と書いてあります。

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Rating 73.1という数字はコース・レイティングと呼ばれ、スクラッチ・プレイヤーが通常のコンディションでプレイしたときのスコアの目安となります。ただスクラッチ・プレイヤー(つまり上級者)がプレイした場合を基準としているので、平均的なプレイヤーには適さないことが多く、あまり使用することはないでしょう。HCの算出にはスロープ・レイティングが使用 されます。

SLOPE 137という数字はスロープ・レイティングと呼ばれ、一般的なゴルファーにとって相対的なコースの難易度を示す数値になります。スロープは、55から155で設定されており、標準難易度は113です。この数字が大きいほど難しいコース、小さいと簡単なコースということになります。

コース・ハンディキャップとは

次に、コース・ハンディキャップとは、その日にプレイするコースとプレイヤーのハンディキャップから算出されるハンディキャップです。そのコースがハンディキャップ換算表を持っている場合もありますが、基本的に以下の式で求められます。

プレイヤーのハンディキャップ × スロープ・レイティング / 113 (小数点第一位を四捨五入)

例えば、HC 5のプレイヤーが、先程例にあげたコースのGold Tee (スロープ 137)でプレイする場合のコース・ハンディキャップは、
5 × 137 / 113 = 6.06 となり、四捨五入して 6 となります。
つまり、このコースの難易度が標準より高いので、通常のHCより+1 余分にHCを与えられるというイメージでしょうか。

ホール・スコアの調整とは

どんなプレイヤーでもたまに大叩きするホールがありますよね?そのような例外的なスコアがHC算出に過度に影響するのを防ぐために、ホール・スコアの調整というものがあります。HC申請するときに上記で算出したコース・ハンディキャップに応じてスコア調整するのです。

上記で説明したHC 5のプレイヤーの例でいうと、そのコース・ハンディキャップは6。

ここでもう一度スコアカードを見てみましょう。各ホールの下の部分にHandicapという行があります (M/LのMはMale/男性、LはLady/女性という意味で、このコースではホールによって男女で難易度が異なることを意味します)。これは各ホールの難易度を1〜18で表した数字です (1: 難、18: 易)。例えば、5番ホールは 1 なので18ホールの中で一番難しいという意味です。逆に16番が一番易しいホールです。

HC申請のためのスコア入力は、これに基づいて調整する必要があります。基本的には各ホール、ダブルボギー(PAR+2)+ハンディキャップストローク(コースHCで調整した打数)の打数がスコア入力できる最大値になります。これをネットダブルボギーと呼びます。

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例えば、その日のコース・ハンディキャップが 6 のプレイヤーは、スコアカードに黒丸(・)で表現したように、ホールのHandicapが 1〜6 のホール(難しいホールから6ホール)だけはダブルボギー(+2)に加えて、更に1打まで(つまりトリプルボギー)までの入力ができます。例えば、Handicapが 7 の3番ホールで仮にトリプルボギー(+3)を叩いたとしても、そのホールはダブルボギー(+2)と入力します。

仮に、その日のコース・ハンディキャップが 18 のプレイヤーの場合、全ホールでトリプルボギーまでは入力できますが、それ以上の大叩きは入力しません。またコースHCが0(ゼロ)の場合は、全ホール ダブルボギーまでが入力の上限となります。

例えば、実際のスコアが90だとしても、あるホールで大叩きをしてしまった場合は、調整後のスコアが88になったりすることもあります。

HCの算出

ホールスコア調整して申請したスコアに基づいてHCが算出されます。最初のHCを取得するためにUSGAでは最低5回のスコア提出が必要で、その場合、1番いいスコアが算出基準になります。更にスコアを提出し続けることで、過去20回のうちスコアの良い8回分が算出基準となります。つまり、数回大叩きをしたからといって急にHCが上がるということはないですが、調子を維持し続けないと徐々にHCが下がってしまうということもあり得ます。

HCの概要と申請のためのスコア調整の方法はお分かりいただけたでしょうか?

HCの仕組みの理解には、JGAのサイトが役に立ちますよ。

WHS世界統一ハンディキャップシステム (日本語)

最後になりましたが、これらはHCの仕組みとして理解しておけばよく、実際はHC申請のためのシステムで自動的にコースHCを算出してくれたり、自動的にホール・スコアの調整をしてくれたりします。

次回はUSGAのHC取得方法について具体的に説明します。


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