e-SportsとSportsと大会

 いわゆる今のスポーツが好きではない。行われている競技自体は好きなものもあるが。
 私は幼い頃から運動が苦手で、集団種目では足を引っ張り、個人種目では恥をかいてきた。
今となってはくだらない話ではあるが、小中学生にとって運動ができるかどうかは人生を左右するレベルで重要なことだった。
 中高は一応運動部に所属していたが、練習しても大して上達せず、ギリギリのレギュラーで周りに迷惑をかける立ち位置だった。人生の全てを捧げるほどの練習はしていなかったが、レギュラーメンバーと同じかそれ以上の努力をしていたつもりだった。
 高1の時に学年別で県3位になったが、その後それ以上の成績は得られなかった。大会で負ける度に顧問には怒られ、仲間に謝り、自分の惨めさに嫌になった。個人戦でも試合に出られる権利を持っているだけで責任を伴っていた。
 部に入ったこと自体に後悔はない。自分の人間的成長はほとんどがこれを通じて得られたものだから。仲間との出会い、縦の繋がり、言い出せばきりがない。

 ゲームが好きだ。時間をかければほとんどの目標が達成可能で、失敗しても誰に迷惑をかけることもない。チームに所属せずとも仲間とSNSなどを通じて出逢ったり、大会に出ることもできる。プロチームにでも所属していない限り、迷惑をかけることもほとんどないだろう。1回戦で上手い人にボコボコにされても惨めさは残らない。運で負けて腹が立つことがあっても、トラウマに残るようなことはない。なぜか、たかがゲームだからだ。私にとってゲームというものは、人生の全てをかけているわけではなく、余暇を過ごす一部として時間を使っているのに過ぎない。

 中高のスポーツに対する向き合い方はネット上でもよく話題に上がる。結果だけを重視し、一部の人間のみが表彰されると。実際には現在もスポーツを通じてたくさんの得られるものがあるが。
 スポーツとは本来ゲームと同じ位置にあったものだと思う。楽しいからやる。それだけ。大人になっても楽しむためにスポーツをしている人達がいる。最高だと思う。ただハードルが高いのは事実だ。対戦相手、環境、仲間など。

 先程も少し述べたが、ゲームは行うためのハードルが低い。もちろんPCやゲームソフトなどを買うのには金がかかるが、任天堂switchの売れ行きを見るに、多くの人がゲームをプレイできる環境にあると思う。対戦相手は勝手に探してくれるし、SNSを使えば仲間もみつかる。最高だ。

 また、多くの人のゲームに対する熱意は私と大差ないのではないか。人生の全てをかけているわけではなく、余暇を過ごす一部として時間を使っているのに過ぎない。だからといって本気でゲームに打ち込んでいる人をカッコ悪いとは思わないだろう。普段ゲームをしない人にとってはそうでないかもしれないが、少なくともゲーマーにとって上手いプレイヤーは憧れだ。

 結論を言おう。多くの人にゲームの大会にでてほしい。上手くても下手でも誰でもいい。みんなで楽しくゲームができたら最高じゃないか?規模が大きくても小さくても。賞金が出ても出なくても。なんの責任も伴わず、純粋にコミュニティが盛り上がればそれだけで素晴らしいと思う。

 ただこれは綺麗事に過ぎないのかもしれない。実際負けるとわかっている大会にでるのはつまらないと感じる人も多いかもしれないからだ。では綺麗事ではないように言おう。少しでも参加者が増えたほうが見栄えが良いから出てほしい。私がコミュニティ大会好きだからいろんな大会に1回は出てみてほしい。面白くなかったら次から出なくてもいいから。私の言うことを聞いて時間を無駄にしたというなら謝るから。

 そこそこ勝てるやつに言われてもウザいかもしれないが、私は参加する大会の殆どが1回戦負けだ。勝てそうと思った大会は何度も出たりするが、完全に素人のバトグラの大会やシャドバの大会にも一回は出てみたりする。負けても後悔はしない。ランクマでレートが下がったり変化しなかった時と比べれば、大会に参加しただけでゲームをした感覚が強く満足感も高い。上手いプレイヤーに負けたときには経験値も高い。勝てば嬉しい。いいことづくめだ。

一回参加してみない?気軽に参加できるのがゲームの良さなんだから。

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