見出し画像

こんなSF映画が見たかったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ありがとう「DUNE/デューン 砂の惑星」見た

Dune / 2020年
鑑賞:2021.10.18、記事公開:2021.10.19、記事改訂:2024.5.15
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本:エリック・ロス、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ジョン・スペイツ

 クラシックなエンタメSFをハイクオリティ・アートアレンジしてかつ作品の肝はハズさない(「ブレードランナー2049」も“ブレードランナーの続編”としてはハズしてないと思う)監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ。新作は映画界にとって面白エピソード満載(ドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』周りなどなど)のフランク・ハーバート原作SF大河「DUNE」シリーズ1作目「デューン/砂の惑星」前編!特に近作はSFものでヴィルヌーヴのイマジネーションが大爆発中。期待するなと言う方が無理な相談。コロナ延期も乗り越え原作も事前に読んで準備万端公開を待ちわびてた。
 ちなみにデビット・リンチの「デューン/砂の惑星」は子供の頃好きでよく見てた。最近見返して見てもやっぱり面白かった。リンチファンなので。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ネタバレアリ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ナイス映画化!

 (前情報で1作では完結しないことに触れないのはいかがかと思うけど、)映画は大変良かった。
 今回の映画化の方向性としては、主人公ポール・アトレイデスに絞ったお話運びとこれでもかと言うぐらい作り込んだ異世界ビジュアル。
お話はテンポよく切るところはさっぱりと切り、極力ビジュアルで魅せ語る判断は、今作を『試行錯誤が繰り返された「DUNE/デューン 砂の惑星」の映画化』という観点で見ると正解の一つだと思わされる。
 登場人物の政治的な駆け引きのアレコレも「DUNE/デューン 砂の惑星」の魅力だけど「宮廷隠謀劇は他にもあるから、この作品ではやらなくても良い」という判断だと思う。

期待を超えた異世界ビジュアル!

 見所はやはり架空の文化を丸々作り込んだ所。(あのイケメンも今作のオシポイントだろうけどこっちはおっさんなんで特に興味はなし。どっちかと言うとジェイソン・モモアのヒゲがなくて凄いびっくりしたよ。誰だあいつ!素顔初めて見た。なかなか慣れなくてニセ・アクアマンみたいで面白かった。)
 この規模での異世界SF。ビジュアルのセンスも相変わらず素晴らしい。洋服やメカ他隅々まで丁寧で興ざめするところがない。巨大な黒くて四角い無骨な宇宙船とかそれだけで作品世界と文化を表現してて、どのシーンもそんなので画面が埋め尽くされてる。

音楽とビジュアルの完璧なハーモニー

 音楽もまるでもう一人の役者みたいに前に出てくるような使い方に感じた。砂漠の民フレメンがアラブあたりの世界観を模した民族であることを表現していたり、重苦しい使い方で重厚な作品世界を表現してたり。説明を極力省いた分を音楽だけで感じさせる判断もナイス。ハンス・ジマーも相変わらず半端ない。もう別次元で音楽なのかもよくわからない。どういう指示の仕方をすると、ああいうものを作ってくれるんだろう。
 ストーリーが早足で詰まってる分密度が濃く息つく暇もないし、音楽も圧が強くずっと緊張感を強いられつづける。こんなことが相まって、見たいものを見せてくれるビジュアルは心地よくサウンドエフェクトも素晴らしい、そこに聞いたこともないような音楽が被さりなんともいえない幸福感に包まれる。久しぶりに「マルホランドドライブ」を見た時に近い体験だった。「ブレードランナー」のIMAX上映にも似た感じがあった。映画の域をちょっとだけはみ出したような作品だと思う。なので、ストーリーがとか登場人物がとかはまあそんなに重要には感じなかった。画面がいちいちシズルがあって良かった。

豪華キャストもイイ!

 キャストはまた贅沢だけど異世界ビジュアルばかりに気を捉えていたので、ティモシー・シャラメとレベッカ・ファーガソン以外あんまり印象がない。ティモシャラにそんなにピンときてないので、さらに印象は薄い。レベッカ・ファーガソンは今までのような超美人というよりは、生っぽいというか人っぽい弱い側面が多く見れて新鮮だった。影で歴史を支配するベネ・ゲセリットのボス役シャーロット・ランプリングさんはせっかくなのでもうちょっとお顔を拝見したかった。砂漠の民フレメンのハビエル・バルデムとゼンデイヤの出番はこれから。ハビエル・バルデムは荒々しくて良かった。ハルコンネン男爵は背景がないけど巨体がゆっくりと浮遊してたりと凝った演出が面白くてよかった。デイヴ・バウティスタは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」出演以降顔を見るだけで嬉しなる役者の1人だけど、今作でも存在感を存分に生かした役でバッチリハマってた。

 映画としての感想はあんまりない。凄い映像と音楽に翻弄される至福の体験ができて良かったという感じ。久しぶりにパンフレットも買ってしまった。IMAX上映中にもう一回行きたいくらい。

続編への期待

 wikiを見てみるとまだ続編の制作が決まってないらしい。マジか。同時撮影してるもんだと思ってた。結果出てから作るんじゃ公開いつになるかわかんないよ。制作会社警戒しすぎじゃない?それ全部ホドロフスキーの場合ですよ。
 もたもたしてると、スターウォーズとかアベンジャーズとかからヴィルヌーヴに凄い金額でオファーきたりしちゃうよ。ヴィルヌーヴにはグレッグ・イーガンとかウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」とかやって欲しいものは山ほどあるんだよ。どんどん金だして作らせてあげておくれよー。もしくは、バチカンにヴィルヌーヴのクローンだけは何人分か作る許可を出して欲しい。ひょっとしたらあの国ならヴィルヌーヴの髪の毛とかを手に入れ大量生産して、3人のヴィルヌーヴで「三体」三部作を作ってるかもしれない。

とにかく。
今作だけでも制作発表からこれだけ待ったんだから、続きがお預けなんて我慢のしようがない。

続編見ました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?