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「日本を旅する文具店」が3ヶ月で日本を縦断して、「熱狂」と距離を置いた話

移動販売車で文具を売りながら日本を縦断する。

そんな荒唐無稽な夢のような話を思いつき、実践に移してから3ヶ月が経った。
北海道、東京、九州、和歌山、徳島。
そして今回の岐阜に至るまで、 8/2の夜に北海道行きのフェリーに乗ってから、11/3に岐阜でのイベントを終えたのでほぼほぼちょうど3ヶ月で走りきったことになる。

今回は岐阜での移動販売の様子を振り返りながら、岐阜のカクカクブックスさんで開催させていただいたトークイベントの内容を踏まえつつ、小売のこれからについて思ったことも書いておきたい。

本屋さんと文具の相性は最高 岐阜 カクカクブックスさん

2023年最後の移動販売出店場所となったのは、岐阜県各務原市にあるカクカクブックスさん。

X(旧ツイッター)上で交流があったこともあり、会場として駐車場をご提供いただくことになった。

当日は、移動型 TEA STANDである「無題」さんも出店されており、おいしいお茶を楽しみながら本と文具を楽しんでいただく時間をご提供できた。

また、岐阜県に行くとなったら訪れたかったのが、様々な鉄家具を扱う杉山製作所さん。

工場の風景も眺めることが出来るショールームをご案内いただき、充実した岐阜時間を過ごさせていただくことができた。

事業に「熱狂」は必要か?

振り返れば移動販売を始めてから3ヶ月で10箇所、7都道府県での移動販売を行う旅となった。

この過密スケジュールは意図した部分もあったものの、1年目にまずは色々試したくて出店をお願いした皆様が、想像以上に移動販売スタイルでの出店を快く受け入れてくださったからでもある。
改めてここに感謝したいと思います。
ありがとうございました。

カクカクブックスさんでは夕方から、ドケットストアの生き方そのものをテストケースとして個人事業主の行き方を探るお話を結構ぶっちゃけた形でさせていただいた。

その一部は上のリンク先でもレポートとしてオゼキカナコさんがまとめてくださっているので、興味のある方はご覧いただければと思う。

そんなトークの中で個人的に頭に残っているのは「小売ってなかなか無理ゲー」ということと、「熱狂の必要性」についてだ。

小売業をとりまく環境はアマゾンが当たり前になってから更に大きく変わっている。
それは上のnoteでも「小売の未来」という本を読めば嫌というほど書いてある。
アマゾンにとってもはや小売は「おまけ」のようなもので、ものを仕入れて売るという昔ながらの「お店」スタイルはなかなか成立させるだけでも大変だったりする。

そんな中で、クラウドファンディングやインフルエンサーが盛り上げながら風穴を開けていくようなイメージがここ数年あり、コロナをピークにして少し落ち着いたようにも感じている。

「熱狂」はたしかに人々の心を熱くし、これまでにない壁を突破させる力をもつ。
でも「熱狂」は勢いであり、「狂(くるい)」でもあるのだと思う。

熱が冷めた瞬間、終わってしまうのであれば、事業としては続いていかないし、それを繰り返して作っては潰すというのも事業によっては良し悪しがあるように感じる。

そういった中ではうちのお店は淡々とニッチなアイテムを見つけては共有し、販売させていただくビジネスライクな関係性でもあるように思える。
それは、「熱狂」の時代においてはコンプレックスにも近い「弱点」だったのだけど、長い目で見ると無理なく続けられるスタイルだったのではないかといまさら思うようになった。

実はうちの移動販売というスタイルにも、実は結構無理がない。

既製品の車を買って、車体そのものには大きな加工をせずに、一般的な補助金で負担を減らしながら移動販売車に変える。
現地まで車で移動して、そのままドアを開ければお店になる。

ネットストアやSNSでこれまで交流していた人と、実際に顔を合わせて交流もできる。

「お店」という場所をこだわりをもって続けてきているのは、やはり誰が訪れてもいいという「オープン」な気質を魅力に感じているからなようにも自分は思っている。

そこを訪れるのに特別な資格やチケットはいらない。
ふらっと気軽に訪れることが出来る場所が常にあるというのがお店の魅力なのだと思う。
そういう意味ではうちの移動販売車も、「移動型のオープンなお店」にしておきたいと思うし、まだまだ進化させる余地があるように感じている。

移動販売車は冬はお休みするけれど、2024年も色々楽しく仕掛けていきたいと思う。
ぜひ今後も温かい目でこのチャレンジを見守っていただければ嬉しく思います。

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