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モモと禅タロット

 これまでに縁ある方々から薦められた著書の一冊にミヒャエル・エンデ作「モモ」があります。私の生き方に影響を与えてくれた方々の中で数人のおすすめで、いつかは読もうと思いつつも、お恥ずかしい話ですが本を購入してから長い間熟成させていました。

 それでもなんとなく気になっていたので、最近ようやく読んでみたところ、「生きること」をこれほどまでに的確に伝えてくれて、深い部分で納得できる作品がほかにあるだろうか?と強い印象を受けました。
時間の流れを音楽に例える表現なども素敵で、目から鱗とはまさにこのこと。過去を悩み、未来を不安に思うのではなく究極的にはまさに瞬間を楽しむことこそ生きることと教えてくれている気がします。それも物語という方法で。
 それなりに生きることを考えたり、アンテナ広げて学んできましたが、「モモ」以上には出会うことはありませんでした。もちろん既存の自分の中の何かと化学変化が起きたとも言えます。

 ミヒャエル・エンデさん素敵な贈り物をありがとう。

 現代を描いた作品かなと思うほどで、素敵な作品は時を超えて愛され続けられるものですね。これからも読み続けられていくのでしょうね。
後悔したことが一つだけあって、もっと早く読んで世界観に触れるべきだった!と思うほどです。勧めてくれる人にも多く出会ったのがわかる気がします。そのうちの一人で専門学校の先生をされていた方がおられました。学生の集中が途切れるといきなりトランペットを吹きだして、隣のクラスから「うるさい!」とクレームを受けるような先生でしたが、私は尊敬していました。こんな風に生きてみたいと思ったものです。

 どうしたって灰色の男たちがウロウロしている現代において、かなりの時間を時間貯蓄銀行に預けてしまいました。そのことは変えようがありません。社会の大きなうねりの中でコスパやタイパを完全に無視することは不可能でしょう。「時間を大切に。」と言う人でも、タイパのことは意図している人が少なくないと思います。そういったことが過剰になってしまい、組織全体で本末転倒な事が起きたり、人が病んでいってしまうことが多くあるように思います。
 
 本来、仕事であろうとなんであろうと、「モモ」のようにできたはずで、そんな時代や地域もあったのかもしれません。また、「モモ」のような生き方を選んでいる人もお見かけします。現代であっても残りの人生は「本当」の時間の中で「本当」に生きる。そう思える作品でした。この日のこの時間だけは「モモ」のように生きるといったことは可能だと思います。

と、ここで終わりにしても良いのですが、作品「モモ」を禅タロットカードで表すと何かな?と思い選んでみました。一枚に絞り切れなかったので2枚紹介いたします。よろしければお付き合いください。


言わずもがな。

虹のナイト SLOWING DOWN

 ナイトなので本来は人物が描かれているのですが、このカードは虹色の光を放つカメさんが描かれてます。なのでこのカードはカメさんの特徴が大切であることをメッセージとして描かれています。
「モモ」を読んだことがある方はお分かりですよね。そうカシオペイア!
モモさんの道先案内人でゆっくり進むことの大切さも教えてくれますよね。
このカードが意味するところもまったく同じと解釈しています。
私が禅タロットを教わった時に「モモ」のエピソードも教わりました。
ちなみにミヒャエル・エンデさんの墓石は青銅製のカシオペイアだそうです。


そしてもう一枚。

虹のスート8 ORDINARINESS

 2枚とも虹のカードですね。
カードは「普通であること」
日々のかけがえのない大切さや目の前の日常を大切にすることを伝えてくれています。里山は日々の手入れのがあってこそ花を咲かせたりして、人々に安らぎを与えてくれます。

 冒頭でもお伝えしたように、「モモ」では生きることは時間そのものと教えてくれます。別の例えでは音楽であるとも教えてくれます。
過ぎた過去を悩むでもなく、起きていない未来を不安に思うのでもなく、まさに瞬間を丁寧に楽しむ。それが生きることであると。
あぁそいうことかぁ、それでいいんだ。と思えた瞬間でした。

おわりに。
「モモ」や禅タロットに惹かれる魅力は何かな?と考えたときに「物語」という共通項があるような気がします。
いろいろな物語に触れながら、自分の物語を楽しみたいものです。


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