よしこ・座・ドッグ

地方在住の会社員(20代後半)。趣味でコラムを書いている。テーマは映画とかドラマとか政…

よしこ・座・ドッグ

地方在住の会社員(20代後半)。趣味でコラムを書いている。テーマは映画とかドラマとか政治とか。休憩が大好き。休憩以外のものは大体嫌い 仕事依頼はコチラ(✉️t-yoshino1010@outlook.com)

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◆遠吠えコラム・新海誠最新作「すずめの戸締まり」・「終わりゆくこの国の『戸締まり』、それでも『希望』はあるのか」(※ネタばれあり。画像は映画公式サイトより)

 新海誠監督「すずめの戸締まり」を鑑賞してきた。当コラムで今年中にぜひ扱っておきたいと思っていた作品の一つです。かなり雑然としていてまだ整理できていない部分も多いですが、鑑賞直後の新鮮な感想をひとまずここに書き記します。本編の内容に大きく振れる部分(いわばネタバレ)があるので、まだ鑑賞していないという方は、鑑賞後に読んでいただければと思います。とは言いながらも、鑑賞の手引きとなるよう意識して書いたので、読んだ後で本編を視聴しても十分楽しんでいただけるかと思います。久々の遠吠え

    • ◆遠吠えコラム・漫画『ONE-PIECE』1088話「最後の授業」~「トロッコ問題」まだ続けるの?(仮)

       週刊少年ジャンプの人気連載漫画「ONE-PIECE」が最終章を迎えている。長年の謎が次々と解き明かされていく怒涛の展開に、往年の愛読者である私は毎度衝撃を受けている。 https://www.shonenjump.com/j/weeklyshonenjump/  だが、最新号(2023年第34号、2023年7月24日発売)の第1088話「最後の授業」は、別の意味で「衝撃」が走った。  「老い先短いジジイは見捨ててよし!」  これは、「伝説の英雄」の異名をもつ海軍中将

      • ◆遠吠えコラム・「『尊い犠牲』の季節~権力者たちの追悼の言葉への違和感」

         6月23日、沖縄県糸満市で太平洋戦争の沖縄戦の戦没者追悼式が行われました。その様子を見ていて違和感を覚えたことについて、遠吠えしてみたいと思います。  「私たちが享受している平和と繁栄は、命を落とされた方々の尊い犠牲と、沖縄の歩んだ苦難の歴史の上にあります」  太平洋戦争の沖縄戦で組織的な戦闘が終了した日とされる6月23日、沖縄県糸満市摩文仁の平和記念公園で沖縄戦没者追悼式が開かれた。上述した言葉は、追悼式で岸田文雄内閣総理大臣が読み上げた挨拶文の一節だ。岸田首相がどこ

        • ◆遠吠えコラム・「置かれた場所で咲かせる呪縛~『ユートピア症候群』の罠」

           人間は、自然界においては非常に弱い生き物だ。人間よりもずっと体が小さい猫なんて、人間よりもよっぽど早く走れるし、同じく人間より小さいチンパンジーなんて人間よりもよっぽど強力な握力を有している。そうした動物たちに囲まれた中で、食物を獲得したり、外敵から身を守ったりするのは非常に大変なことだ。  そこで人間たちは、熾烈な自然界の競争によって自らの生存を脅かされないよう、力を合わせて自然界の弱肉強食の論理とは異なるコミュニティーを築いた。それが文明であり、社会なのだろう。だが、

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        ◆遠吠えコラム・新海誠最新作「すずめの戸締まり」・「終わりゆくこの国の『戸締まり』、それでも『希望』はあるのか」(※ネタばれあり。画像は映画公式サイトより)

          ◆遠吠えコラム・「利用された『ヒロシマ』~核廃絶から後退した広島サミット」

           すっかり久々のコラムになってしまいました。誠に申し訳ございません。書きたいことはたくさんあるのですが、中々更新頻度が上がりません。まだまだ修行が足らないということですね。  さて、現在開催中の通常国会では衆議院の解散がささやかれていましたが、一昨日の6月15日の報道陣のぶら下がりで岸田文雄首相は否定しました。この人、ほんの少し前までは「現時点で解散する考えはない」と言っていたのですが、6月13日の首相記者会見では「国会の会期末になっていろいろな動きがあることが見込まれる。

          ◆遠吠えコラム・「利用された『ヒロシマ』~核廃絶から後退した広島サミット」

          ◆遠吠えコラム・「シン・仮面ライダー」(監督・庵野秀明、2023年)・「誰がために仮面ライダーになる」(ネタバレあり)

           どうもお久しぶりです。しばらく投稿が途絶えていて誠にすみません。今回のコラムは、今いろんな意味で話題の「シン・仮面ライダー」について書きました。言いたいことが多すぎますが、今回は、仮面ライダーを含む戦後の特撮に横たわるテーマを軸に、「シン」について論じました。かなり辛口の遠吠えです。変身! 【あらすじ】  本郷猛はある日、謎の組織「ショッカー」によって改造手術を施され、驚異的な身体能力を得る。手術によって人格まで失いかけたていたところを、ショッカーの恐るべき計画に気づい

          ◆遠吠えコラム・「シン・仮面ライダー」(監督・庵野秀明、2023年)・「誰がために仮面ライダーになる」(ネタバレあり)

          ◆遠吠えコラム・「どうする家康・第6話『続・瀬名奪還作戦』」・「女子高生にきゃあきゃあ言われる淳平くんはもういない」(写真は今川氏真像)

           今週は先週に引き続き、瀬名(演・有村架純)奪還作戦。松平元康(演・松本潤)は、駿府にいる妻子を密かに三河へ連れ出す任務を、忍者集団・服部一族に託す。しかし、今川家に作戦を察知され、奪還は失敗。腕利きの忍びたちも今川方の待ち伏せに遭って皆殺しにされる。唯一生き残った頭目の服部半蔵(演・山田孝之)は、奪還作戦を立案した本多正信(演・松山ケンイチ)と共に作戦失敗の責任を追及されることに。窮地に立たされた2人は、苦し紛れに、今川家に近しい武将・鵜殿長照がいる上ノ郷城を攻め、長照と長

          ◆遠吠えコラム・「どうする家康・第6話『続・瀬名奪還作戦』」・「女子高生にきゃあきゃあ言われる淳平くんはもういない」(写真は今川氏真像)

          ◆遠吠えコラム「それでも地球は回っている。回っているんだ~岸田首相の『学び直し』発言を巡って」(※写真はいつぞやの空)

           岸田文雄首相が、出産・子育て中の女性の「学び直し」を後押しする―と国会で答弁し、波紋を呼んでいた件について、先日コラムを書いたが、もう一つだけ気に食わないことがある。それは、あの発言を巡るやり取りから自民党が学びを経済的価値に基づいて語ろうとする姿勢が透けて見えたことだ。今回はそのことについて少しだけ書く。今日もやや不機嫌な遠吠え。  自民党政権は、学術研究予算を「選択と集中」というスローガンのもと、特定の研究分野への集中的配分を進めている。この特定分野とは、短期的に成果

          ◆遠吠えコラム「それでも地球は回っている。回っているんだ~岸田首相の『学び直し』発言を巡って」(※写真はいつぞやの空)

          ★再掲載◆遠吠えコラム・「出産子育てで苦労する女性のために自民党政治は何をしてきたのか~岸田首相の『リスキリング』発言を巡って」(※画像は近所の蕎麦屋の鍋焼きうどん)

           先日挙げた岸田文雄首相の「リスキリング」発言に関するコラムについて、書き直しました。後半の「学びとは何のためにあるのか」というテーマについては別稿で取り扱うこととしました。あくまで、「リスキリング」という発言に透けて見える政治の怠慢をテーマに書き直しましたのでよろしくお願いいたします。  岸田文雄首相が産休・育休中の女性たちのリスキリング、いわゆる「学び直し」を後押しする発言が波紋を呼んでいる。この発言にも腹が立ったんだけど、この発言を巡る大学時代の先輩のツイートにさらに

          ★再掲載◆遠吠えコラム・「出産子育てで苦労する女性のために自民党政治は何をしてきたのか~岸田首相の『リスキリング』発言を巡って」(※画像は近所の蕎麦屋の鍋焼きうどん)

          ◆遠吠えコラム・大河ドラマ「どうする家康・第5話『瀬名奪還作戦』」・「諜報、潜入、人質奪還失敗、泥臭い忍者像」

           毎度、更新が遅くなりましてすみません。仕事めっちゃ忙しい。今回も例のごとく大河ドラマ「どうする家康」について書いていきます。ただ、筆者自身が戦国時代のことにあまり詳しくないからか、ドラマのつくりがあまりにもわかりやすく、余白がないせいか、あんまり語りごたえがないと感じつつあります。特に第5話は正直全然面白くなかったです。家康の人生はすごくおもしろいはずなのに何故でしょうね。なので今日は箸休め会です。主に服部半蔵のことについて書きました。やや投げやりな遠吠えです。  織田信

          ◆遠吠えコラム・大河ドラマ「どうする家康・第5話『瀬名奪還作戦』」・「諜報、潜入、人質奪還失敗、泥臭い忍者像」

          ◆遠吠えコラム・映画「RRR」・「悲しみの歴史を殴り飛ばせ!踊り倒せ!」(※画像は映画公式ホームページより)

           映画「RRR」を長野県上田市の上田映劇で鑑賞した。『バーフバリ 王の凱旋』のS・S・ラージャマウリ監督の最新作で、昨年から話題だったものの上映館が限られていてお目にかかれなかったが、とうとう、鑑賞できた。  物語は1920年代、大英帝国植民地時代のインド。主人公は、英国軍に奪われた最愛の娘を取り戻すために立ち上がったラージュと、一族の「宿願」のためイギリス軍に所属しながら虎視眈々と機会をうかがうビーム。一人の少年の命を助けたことをきっかけに2人は出会い、友情が芽生える。互

          ◆遠吠えコラム・映画「RRR」・「悲しみの歴史を殴り飛ばせ!踊り倒せ!」(※画像は映画公式ホームページより)

          ◆遠吠えコラム・「どうする家康・第4話『清州でどうする』」・「ツンデレ姉弟、素直になれなくて、戦国」(※画像は高野山持明院蔵「浅井長政婦人像」

           更新が遅れてすみません。今回の「どうする家康」第4話「清州でどうする」のキーパーソンはお市の方ですよね。戦国無双っていう、戦国時代の武将とか姫が出てきて敵兵をバッサバッサ切り倒していくアクションゲームがあるんですけど、そこで登場する女性キャラの中でお市の方が一番好きでしたね。さて、今日はそんなお市の方とその兄貴、織田信長にまつわる話です。遠吠え行ってみよう!    泣く泣く今川家から独立した松平元康(演・松本潤)は、宿敵・織田信長と同盟を結び、対今川戦、三河平定戦へと突入し

          ◆遠吠えコラム・「どうする家康・第4話『清州でどうする』」・「ツンデレ姉弟、素直になれなくて、戦国」(※画像は高野山持明院蔵「浅井長政婦人像」

          ◆遠吠えコラム・「どうする家康・第3話『三河平定戦』」・「今川氏からの苦渋の独立」(写真は上杉神社所蔵の「上杉謙信公御肖像」)

           仕事が多忙で更新が遅れました。楽しみにしていた方々(なんて果たしているのか?)、申し訳ありません。ですが、何だかんだで昨年よりは更新・執筆ペースは格段に上がっております。写真は上杉神社所蔵の「上杉謙信公御肖像」だ。「どうする家康」にはまだ登場していない(恐らくこの先も登場しないだろう)ですが、謙信公は第3話のキーパーソンです。どういう意味でしょうか?というわけで、今週も「どうする家康」について、遠吠え行ってみよう! 【叔父・甥の仁義なき戦い、尾張・三河国境付近で「代理戦争

          ◆遠吠えコラム・「どうする家康・第3話『三河平定戦』」・「今川氏からの苦渋の独立」(写真は上杉神社所蔵の「上杉謙信公御肖像」)

          ◆遠吠えコラム・大河ドラマ「どうする家康・第2話『兎と狼』」・「強大な敵に立ち向かう家康の原点」(※画像は岡崎市ホームページより)

          【無様な姿をさらしながらも逃げずに戦う家康の「原点」】  元康(のちの徳川家康)の幼少期、松平家当主だった父広忠は、家内の権力争いを有利に進めるため、今川義元の後ろ盾を得ようと画策する。今川は支援の見返りとして人質を要求する。そうして駿府へ送り出されたのが、竹千代、すなわち松平元康だった。  しかし、駿府へ向かう途中、まさかのハプニングが起こる。護送を担当した家臣が織田方と通じており、竹千代は、織田家に連れ去られてしまう。嫡男を人質に取られた父広忠だったが織田家に屈するこ

          ◆遠吠えコラム・大河ドラマ「どうする家康・第2話『兎と狼』」・「強大な敵に立ち向かう家康の原点」(※画像は岡崎市ホームページより)

          ◆遠吠えコラム・「裸のムラ」(監督・五百旗頭幸男)・「イスラム教徒の家族に見出した持続可能性」(映画パンフレットの表紙)

           映画「はりぼて」の五百旗頭幸男監督の第2作となる「裸のムラ」(2022年、石川テレビ)を新潟県上越市の高田世界館で鑑賞した。地元の長野県では2月上旬に公開するが、待ちきれず足を延ばして観に行ったが、すごくおもしろかった。  本作は、富山チューリップテレビから石川テレビに「移籍」した五百旗頭監督が、新型コロナ禍真っ只中の2020年から2022年初頭の石川県内を取材したドキュメンタリー。感染拡大防止のため県内外の往来を規制した緊急事態宣言、7期28年にわたる谷本正憲県政の終焉

          ◆遠吠えコラム・「裸のムラ」(監督・五百旗頭幸男)・「イスラム教徒の家族に見出した持続可能性」(映画パンフレットの表紙)

          ◆遠吠えコラム・大河ドラマ「どうする家康・第1話『どうする桶狭間』」、初っ端から大ピンチ、名将続々登場の豪華絢爛第1話(※画像はドラマ公式ホームページより)

           大河ドラマ「どうする家康」がとうとう始まった。第1話のタイトルは「どうする桶狭間」。「桶狭間」は、1560年、尾張の織田信長が駿河の今川義元を討ち取った、世に名高い桶狭間の戦いのことだ。実は家康も桶狭間の戦いに今川軍として参戦していて、敵陣の最前線で義元討ち死にという青天の霹靂の報を受けている。勝ち戦でイケイケだったところから、敵陣深くの最前線で孤立してしまうという大ピンチに直面している。  第1話は、結論から言うと、「桶狭間」の看板に偽りなしの豪華絢爛な回だった。名将た

          ◆遠吠えコラム・大河ドラマ「どうする家康・第1話『どうする桶狭間』」、初っ端から大ピンチ、名将続々登場の豪華絢爛第1話(※画像はドラマ公式ホームページより)