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文字を巡る日帰り旅〜東京・大阪〜

Typingart & Co. の中井といいます。普段は鉄道運転士、たまにフォントを作って頒布したり、作字をしたりしています。

1日予定が空いたので、平日だし前から行きたかった展示会やお店に行ってみようと、東京〜大阪を日帰り旅行してきました。文字旅行記です。


21_21 DESIGN SIGHT「もじ イメージ Graphic展」

東京・六本木のデザインサイトでやっている「もじ イメージ Graphic展」に行ってきました。文字を使った国内外のアーティストやグラフィックデザイナーの作品が集まる展示会。密度もボリュームもたっぷり。

田中一光さんや亀倉雄策さんの大判ポスター展示から始まり、今昔の著名デザイナーやアーティストの作品が一堂に介する展示会ってなかなかないんじゃないでしょうか。

仲條正義さん
立花ハジメさん
大原大次郎さん
M/M(Paris)
The Designers Republic

イギリスのデザインスタジオ The Designers Republic (デザイナーズリパグリック)の作品があったので興奮しました。90年代後半に勃興した近未来的なグラフィックをまた見られるとは…素敵!

展示風景
展示風景

文字をイラスト化した「作字」というワードもキャプションの中にしっかりと明記されてて、作字が文字のグラフィックとして認識されてるんだなと嬉しくなりました。


東京駅

新幹線で大阪へ向かいます。

中央乗換口の記念碑

東京駅から東海道新幹線に乗るときはいつもこの記念碑を眺めてから。これ、鉄道従事者特有の儀式です。中央乗換口から改札を入って突き当りにあります。

JR東海の駅名標

スミ丸ゴシック体が使われているJR東海の駅名標です。ひらがな可愛い。新幹線は在来線と違ってひらがなを小さく、漢字の表記が大きいです。「東」のふところがちょっと狭めなのもいい感じ。

チキン弁当

お昼は新幹線開業当初からある「チキン弁当」。東京駅から乗るときはこれを車中で食べます。中はチキンライスと鶏唐揚げで、唐揚げはちょっと硬めで食べごたえあり。新横浜駅が「シウマイ弁当」なら、東京駅はこれかな。


大阪に着いた

新大阪駅からは大阪メトロを利用しました。

大阪メトロの駅名標

駅名標の欧文がParisine(パリジーン)です。各社局で一般的に使われているHelvetica(ヘルベチカ)やFrutiger(フルティガー)ではなく、ちょっと珍しいかも。この書体を導入した背景が気になりますが、とりあえず見れたので満足。

南海電鉄の駅名標

なんば駅で南海電鉄に乗り換え。南海電鉄で使われているのはゴシック4550です。自分の生活圏ではもう見れなくなった書体なので、テンションがあがります。が、この駅はひらがながに少し長体がかかっているような。諸説ありますが、走行中の車内からも判読できるよう、また安定感があるように設計されたゴシック4550は縦横比で横が若干長めにできています。判型のせいで長体をかけざるを得なかったのかな…


モリサワ本社ギャラリー

大阪・なんばのモリサワ本社内にある、予約制のギャラリーへ伺いました。

モリサワ本社前 ※背景に集合住宅のベランダがあるため一部加工してます

国内を代表するフォントメーカー。こちらのギャラリーに歴史的な文献や資料を多数所蔵されていると聞いていたので、なにも下地がなく、趣味でフォントを作っている身としては知見が必要と考え見学してきました。

活字から写真植字、DTPへの変遷はもちろん、紀元前の楔形文字(実物)や奈良時代の世界最古の木版(銅版説もあり)印刷物(これも実物!)、グーテンベルクが最初に印刷した聖書で現存する48部のうち1ページ(実物)もあり、文字の源流を辿るには濃厚すぎる所蔵品の数々。予定があったため1時間ほどの見学でしたが全く足りません。一点一点ご担当の方が丁寧に説明してくださいまして、本当にありがとうございました。もう一回来たい!

余談ですが、フォントトップメーカーの方に趣味でフォント作ってますと言えませんでした…

お土産いただきました


もじと遊ぶ雑貨店 凸凹ことのは舎

大阪・松屋町駅近くの「凸凹ことのは舎」。ウェブサイトに「おそらく日本で唯一の文字雑貨専門店」とあるとおり、店内には文字グッズが隙間なく並んでいます。文字好きには垂涎の聖地。毎日がデザインフェスタの文字グッズブースです。

可愛い何かが乗っている看板
古民家に佇む文字、文字、文字
アクキー買いました


帰る

移動時間にほとんどを費やし3箇所しか行けませんでしたが、すごく満ち足りた文字旅でした。いいよね、文字。


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