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小説|パラレルハウス|④モヤモヤする気持ち

永美「なんか、落ちたよ。」
明「あ、あぁ」
明は紙を拾って、すぐに立ち去ろうとした。

永美「ねぇ、ちょっと待って、、、アキラ、また、連絡していい?」

永美からの意外な言葉に、明はすぐに答えられなかった。

明「え?まぁ、、、べつに、、」

永美「これ、私の新しい連絡先。LINEのID書いてあるから友達登録しといて。また連絡する。」
とメモ書きを渡された。

明はそのメモ書きを無造作にポケットに入れて、星型のお知らせを持ってその場を去った。

今は永美どころじゃない。
お知らせがあったことを、いち早く眞子に伝えたかった。スマホを出し、まだスタバの前だったが、すぐに眞子にメールした。

「お知らせきた!!」

メールがなかなか既読にならないため、とりあえず家ではなく、パラレルハウスに向かうため、駅へと自転車に乗った。
駅に着くかつかいなか、、、その時返信の音がした。

明はとりあえず自転車を駅の駐輪場に停め、メールをみた。

眞子「今、話せる?!」

明は眞子に電話した。
着信音が鳴らずに、眞子が出た。

眞子「もしもし、明?」
明「あ、眞子」
眞子「お知らせってどういうこと?!パラレルハウスのことだよね?!」
明「うん、そうなんだよ・・・」

明はその日、浩司に聞いたお知らせのことを話し、スタバを出る時の様子も話した。(眞子に余計な心配はさせないように、永美の話はしなかった。。。)

眞子「そうなんだぁ。なら今から行く感じ?だよね。。」
明「いやぁ〜、でも今日バイト入れちゃってるしなぁ。どうしようかと思って、、、」
眞子「私、稽古終わったあと行けるよ!」
明「何時頃に行ける?!俺がバイト終わるの22時だからなぁ。。今日は何時までやってるか分からないけど、眞子だけでも行ってきたらいいよ」
眞子「私はあと1時間くらいで、終わる予定だから、その後行ってくる」
明「わかった。それがいいな!そうしよう!俺もバイト終わったら、パラレルハウスにとりあえず向かうわ」
眞子「またちょくちょくLINEするね」
明「OK」

明はパラレルハウスに向かおうとしたところだったが、行き先をバイトに変えた。少しでも早くバイトに行って、早めに帰らせてもらえないか交渉しようと思った。


明はバイト中も眞子からのメールを気にしながら仕事していた。

なんとなく、休憩中にパラレルハウスについて少し検索してみた。

(パ_ラ_レ_ル_ハ_ウ_ス_)入力→検索

驚くほどのヒット数があり、どれを見ても不確かなものばかりが目に入る。

(うゎ、なんだこれ!)

一つ一つを見るのもしんどくなりそうだったので、適当に見やすそうな物を探してクリックしてみた。

と、その時、眞子からのメールがきた。

眞子「今日やってないよー( ̄−ω− ̄)」

(マジで?!そうなのか?
あれは、間違いなくお知らせだと思っていたが、違ったのか?!)

明は焦った!!

明「え!ごめん!やってなかった?!」
眞子「うん。」
明「悪ぃー!俺の間違いだったな!」
眞子「せっかく来たのにーーー。」
「今度、気になるスイーツ屋あるから、連れてって」
明「ホントごめん!スイーツでも何でも連れてくからさ」
眞子「イイよ。バイト終わったら、またメールして。」
明「OK」


明はなんだか不完全燃焼したような、なんとも言えない気分だった。

バイトが終わり、帰ろうとロッカーから荷物を出した時だった。
またヒラヒラと例の紙が舞落ちた。

(え?!またかよ。いや、でも今日はやってなかったって眞子は言ってたし、そんな訳ないよな。。。)
と思ったものの、明は気になるので、とりあえず眞子に「バイト終わったー」とメールだけして、パラレルハウスの様子だけ見に立ち寄ってから帰ることにした。

眞子からは「おつかれ♡♡今日は疲れたから、寝るね。オヤスミ♥️」とメールがきていた。明は「おやすみ」とスタンプだけ返信した。


パラレルハウスの最寄り駅につき、歩いていくと、なにやらまた行列らしきものが見えてきた。





あれ?!パラレルハウス、、、やってる。。。


つづく……

***

今までの話①~④


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