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出雲の神々は三瓶山大噴火の夢を見たか?

割と近所にある三瓶山があまりにも魅力的だったので、写真を撮って一冊の本としてKindle出版しました。ほとんどの人には三瓶山ってどこにあるの?という感じかと思います。それもそのはず、ほとんどの人がどこにあるか分からない(?)島根の山です。一応、日本二百名山に数えられています。この山が古代出雲の文化、すなわち神話の時代の日本に大きな影響を与えたとしたら、少し興味が湧いてきませんでしょうか?

書名はタイトルと同じく『出雲の神々は三瓶山大噴火の夢を見たか?』。これで自身通算3作目の出版となりました。試し読みとして少しばかりこの場を借りて紹介します。

あらすじ

古代出雲の発展は三瓶山の存在なしには考えられなかったのでは、という独自の視点から90枚以上の写真と共に神話の世界への旅に誘う一冊。過去の歴史と現在の写真を通じで未来をも覗き見るTIME TRAVELなPHOTOBOOK。

(志学展望台からの三瓶山。桜の花が半分散り、新緑が芽吹き始めた頃の季節外れの雪化粧がパッチワークをなしていた。)

目次

1.三瓶山とは
2.国引き神話
3.気候変動と縄文時代
4.三瓶山大噴火
5.スサノオとヤマタノオロチ
6.たたら製鉄
7.失われた原生林
8.新大陸と新文明
9.農業革命
10.種の女神サヒメ
11.佐比売山から三瓶山へ
12.物部氏と古神道
13.大和とオオクニヌシ
14.オオクニヌシの出雲建国
15.国譲りと出雲王国の終焉
16.大和を支える出雲信仰
17.民族大移動と国譲り
18.あとがきと三瓶の未来

1.三瓶山とは

(北の原からの三瓶山。早起きして早朝の写真をとるのはなんとも気持ちがいい。)

三瓶山は島根県のほぼ中央、東の出雲国と西の石見国を隔つ境界に位置する独立峰の火山だ。直径約5kmに及ぶカルデラの中に標高1126mの最高峰男三瓶山のほか、女三瓶山、子三瓶山 、孫三瓶山 、太平山 、日影山の六つの峰が、室の内池と呼ばれる火山湖を取り囲んでいて、大山隠岐国立公園の一部をなしている。

いくつもの山が連なることで角度によって優しくも勇ましくも見える独特な山容と、独立峰ゆえのランドマークとしての存在感は比類しがたいものがあり、深田久弥氏の日本二百名山にも選ばれている。旧暦10月の神在月(出雲では神無月ではなくこう呼ぶ)に出雲大社に集まる八百万の神々を迎える場所として知られる稲佐の浜からもはっきりとそのシルエットを見て取れるほど。

古代出雲に暮らす人々にとっても三瓶山は特別な山であったに違いない。元明天皇によって編纂を命じられ、733年に完成した『出雲国風土記』にある「国引き神話」にも当時の名称である佐比売山(サヒメヤマ)として登場し、出雲建国の重要な役割を担っているのだ。

あとがきより

尚、本書をTIME TRAVEL PHOTOBOOKと名付けたのは、過去を知ることなしに今を理解することはできないし、それらを把握すれば未来が一層解像度の高いものとして見えてくるとも考え、そのような視点で三瓶山を表現したいと思ったからだ。

使用した撮影機材もソニーのミラーレス一眼レフカメラに旧ソ連製のオールドレンズを付けたり、マニュアルで撮影しながら、自動現像も駆使するといったような、 過去と未来の入り混じった手法を取っている。使用したレンズは大半が50mmと時々35mmの単焦点。ズームがないから足で画角を調整し、構図が気に入らなければ諦める。結果、撮影スポットを探して移動することで色々な発見があった。早朝の写真が多いのは、その光が好きなだけでなく、現行のデジタル時代では夜型になっている人が一層多いだろうからこそ、見慣れない色をお届けしたかったから。

本書を読んでデジタルとアナログ、テクノロジーとマニュアル、過去未来の交錯したタイムトラベルな時間を楽しんでいただけたとしたら嬉しい限りである。

(水田に映る三瓶山)

(出雲大社神楽殿の大注連縄)

(春日造りでは日本一の規模を誇る物部神社)

(斐伊川が宍道湖注ぐところ)

(スサノオが立ち寄ったとされる韓島)

Kindle Unlimitedでも読めます。


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