試合巧者へ

なぜ追いつかない、という試合になってしまった先日のスイス戦やガーナ戦は無得点に終わったし、ウクライナとマリ戦からも、良いゲームとは言い難かった。
悪かった後のリアクションは、良いものになりそうだけど、漸く反省が活きた。
結果や得点数、ゴールへのアプローチ、敵を好きにさせない、必要なところでのハイプレス、逆転勝ちへのメンタル、
と良い時は良い時で枚挙にいとまは無いけど、一先ずココで、初戦VSコロンビアを一週間後に控えて、良い感触を得られた。

また文句を幾らか述べたい。パラグアイ戦は良かった。しかし、パラグアイはW杯本戦に出場しない。だから、力が劣るということにはならない。南米の強豪チームではあるし、南アフリカ大会では16ラウンドでPK戦で惜しくも破れた、悔しい相手だ。それに、今回のパラグアイ戦も、前の試合に引き続いて、先制点も許している。
0-1,1-1,2-1,3-1,3-2,4-2と終わってみれば、快勝と思いたいが、攻撃を繰り出し続けたことで、相手DF陣が我慢できないところまで、隙を空けさせた。つまり、簡単に対応されるプレーで終わらず、且つ、ディフェンスを休ませなかったことが、後半開始して早い内に得点できた。
結果や良い内容のみに、近視眼的にナイス一色で占めないで、失点は2で変わらないし、先制も許すし、自陣ゴールにとって危険なシーンは数あるので、慢心は許されない。

小気味良いテンポ良いパス交換や球離れ、近くのトライアングルやコンビネーションだけでなく、サイドチェンジやスルーパスもあり、今までとは異なってバリエーションは数多く見られた。
4点目の香川選手のゴールは、前線でのインターセプトが実った形だ。これを出せれば、手数も時間も人数も、そこまでかけずに一番楽な形だ。
このシーンに限らず、センターラインから敵陣内で、ボール奪取もあった。陣形のコンパクトさと意識が、敵を捕まえていた。
攻撃時のボールロストでも、敵センターバックや中盤以下でのビルドアップにもプレスをかけて、ボールホルダーと次のレシーバーにも確り掛かっていた。良い準備や予測が、各ポジションの選手に共有されて、正にハマっていた。

失点も先制点を献上することも、良いことではないが、やはり、現状、悪い癖になってしまっているところもあり、最悪のスタートを想定もしておくことは、これから始まる一戦一戦で、悪いことではないだろう。

非常に良いプレーも多く出て、得点と勝利を収めたので、西野監督にとって、どのプレイヤーを優先するか、スタメンやリザーブの起用法には、嬉しい悩みになったに違いないが、果たして、どうなるか。
一失点目は、スローインからのこぼれ球をボックス付近でのハーフボレー。二失点目は、セットプレーのクリアから押し上げなしとプレスも掛かってない状態で、殆どフリーからミドルシュートを許した。GKを誰にするか、スタートから最後まで、なるべく一人でいきたいから、これも中々正解を出しにくいかもしれない。
スイス戦とパラグアイ戦を踏まえた布陣は4-2-3-1で、GK中村、DF長友、昌子、植田、酒井高、MF柴崎、山口、FW乾、香川、武藤、CF大迫。
グループリーグの対戦相手を考えた時、連動や組織性で全て対処できることが望ましいが、1対1なら自陣ゴールを見殺しという訳ではないから、やはり長友。
パラグアイ戦では、酒井高徳が左サイドバックでプレーしたが、インテルでは左右バックもハーフも任されていた長友選手が右サイドバックに就くのも一つのアイデアとしてアリだろう。
乾、香川の両選手は、怪我からの復帰状況や試合勘、感触は不安視されていたが、スタメンから様子を見るに、GOサインを出すべきだろう。
柴崎は、ミドルシュートやフィード、スルーパスといった、流れの中の止めて蹴るやプレースキックの精度は欠くことはできない飛び道具としても、攻守のバランスを上手くコントロールするダブルボランチの一角としても必要だろう。
ダブルボランチが、恐らく要であり、3試合全てにおいて、縦横無尽に動かし、又は敵に振り回されて動かされることを考えた時には、柴崎と山口で攻守において安定感をもたらすだろう。
前線の活躍ぶりは言わずもがなだ。仕掛けないプレーは、攻撃しないこととイコールなのだから、左突破やクロスが上手く行かなかろうが、果敢に攻めては、ミドルも打ち得点もする、そのスタイルを惜しみなく出すことは、言わずもがなだ。
リザーブ優先は、大島、原口、岡崎だろうか。大島はスタメンで使いたいが、左腰を痛めたということは、影響するだろう。
他にも、得点を期待できる選手は、本田に宇佐美と控えているし、守備的な戦術変更も叶う。

欧州など海外でコンスタントに出る選手も15人、国内では勿論一線級のJリーガーが8人。小粒でも、充実はしていて、対等に戦えないヤワな個人の集まりではない、もうない。
パラグアイもコロンビアに勝ったということも試合中に実況解説からも言われていたし、エキジビションで韓国もコロンビアを破っている。
もう勝てないとか、そういうことを言っても、許される程の格の違いや戦力差もないのだから、是非とも、良い意味で予想を上回って裏切るような、好結果をもたらして欲しい。勝つところが見たい。

W杯はもう明日には開幕して、きっとコロンビア戦も直ぐにやってくるだろう。確実なことは、スイス戦終了後よりも確実に今、熱い応援をしたい気持ちがフツフツと湧いてきている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?