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"Wisdom as a Framework"-叡智を民主化するOpen Wisdomプロジェクトをスタートします。


背景にある課題認識

AIの急進、国際政治問題、金融危機、自然災害・・・「陰極る」という感覚は僕だけではないと思います。今こそ、人類の可能性をひらくWisdom(本当の知恵)が求められていると感じる昨今。改めて、Wisdomとはなんでしょうか?そしてどのように知ることができるのでしょうか?

Wisdomとは何か?

一般的によく知られている定義は、「ナレッジマネジメントのDIKWモデル」 データ(Data)→情報(Informaiton)→知識(Knowlage)-知恵(Wisdom)です。AIなどのテクノロジーがますます台頭してくる中で、人間の扱う知恵の再定義が求められていると言えます。

Wisdomは一般的に「知恵」と訳されますが、ここでは「人智を超えるものも含む知恵」と言う意味を込めて「叡智」と表現したいと思います。それが、例えば宇宙の法則や真理なるものだとした時に、改めて現代科学では捉えきれないものを含むことを大前提にする必要があります。

近代以降、唯物論や実在論を前提として発展した科学ではこれまでに明らかになっていないことが多くある、という時間軸の話だけでなく、そもそも科学が対象としていないスコープ外の知恵も含まれます。命の本質とは何か?人の生きる目的とは?美とは?これらはそもそも科学が扱う対象ではありません。一方、これからの時代において極めて重要な問いであり、今求められる大切なリテラシーとしての叡智であると言えます。

これまでの社会一般において、目に見えないもの、未知なるもの、答えのないもの、科学で証明できないものは、スピリチュアルなもの、宗教、UFO、陰謀論、反社会的、などとラベルされ、社会、ビジネス、家庭一般の話題にはのぼってもこないように蓋をされ、排除されてきました。僕は、「本当は在るのにないこと」にしてきた「シャドーの周縁化」の集積こそが、今世界に見ているモンスター(闇)と化したあらゆる社会的病床の根源となっているのだと言う仮説を持っています。

「どうしたら非科学的なものを社会のテーブルにあげて議論することができるのか?」をこれまでずっと問うてきましたが、この問題こそ、長年培ってきたビジネスコンサルタントという怪しげな(笑)職業スキルが活かせる領域ではないかと思うに至りました。

"Wisdom as a Framework"というコンセプト

コンサルタントの技術の基本は、自分なりの仮説を持った上でファクト(ありのままにみる)とロジック(古今東西老若男女を問わず、誰もが納得することができる言語)を使ってフレームワーク化(構造化・見える化)する技術です。これこそが、Wisdomを扱うことができる効果的な技術であり、これまでビジネス界に見えていなかったものを見えるようにし、Wisdomをありのままにとらえることができる方法ではないかと。

コンサルタントがなぜ怪しいかというと、仮説思考が前提だからです。仮説=まだ事実だという認識が確定していないことを元にしているーここはあまり知られてないところですが実は、かなり個人的、体験的、直感的なものなのです。(この仮説の精度がコンサルタントの力量になるため、本当に優秀なコンサルタントは、単なるロジカルバカではないのです)そして、この仮説を既に一般的に顕在化しているファクトとロジックを組み合わせてフレームワークとして見える化することで、誰の目にも明らかに”そうであるように見せる”技術だからです。

でも、これこそが、科学ではまだ証明されていないもの、目に見えないものなどに対して誰もが納得する形で見えるようにするという意味で、Wisdomを民主化するための技術に値するものであると確信しています。

実際に、古代から伝わる偉大なる知恵の全てはフレームワークで示されてきたと言えるのではないかと思います。 四諦八正道、陰陽五行、八支則(ヤマ・ニヤマ)、インテグラル理論・・・・古来から受け継がれてきた様々な叡智は、実はフレームワークなのです。

なぜ、Wisdomの探究にフレームワークが有効か?

ところで、フレームワークとはwikiぺディアによると

「枠組み」「骨組み」「骨格」「構造」「構想」などと和訳できる英単語[1]。 システムなどの開発・運用や、問題解決・意思決定を行う際に、その基礎となる特定の規則・構造・アイディア・信念・思想などの集合のこと[2]。日本語では「枠組み」などと訳されることが多い。規則 (rules) にはフレームワーク内で有効な手順や手法(メソッド)、信念 (beliefs) にはフレームワーク内で正しいとして信じられている事物が挙げられる。 ビジネスフレームワーク - 経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組み。MBAなどで教わることが多く、ビジネスに必要とされるロジカルシンキングや発想法などを体系的にまとめたもの。SWOT分析、ファイブフォース分析、I–Rフレームワークなどが挙げられる。

wikiぺディア

以下に、フレームワークがなぜWisdomの探究や実践に有効かを書き出してみました。

1. 「世界共通言語」として

これは外資のコンサルティングファームに勤めて痛感したことととして、ロジックと図解で示されるフレームワークとは、あらゆる言語の壁を超え、文化の違いを超え、世代の違いを超えてた「世界共通言語」になりえると言う実感がありました。外資コンサルでは、世界中の従業員に共通のフレームワークが共有されていることで、一度も会った事もない、話した事もない海外のメンバーとさえ、いきなりダイレクトにスムースに意思疎通が取れ、仕事ができる環境がありました。フレームワークこそがコンサル集団の組織的知性のパワーの源泉になっていました。一方、Wisdomに関するこれまでの課題とは、世界にある様々な宗教観、文化間、世代間などの違いとそのコンフリクトにあり、その問題解決手法として、色のない無色透明なツールであるフレームワークとしてWisdomを再定義することがブレークスルーにつながると考えています。

2.「可視化する」道具として

フレームワークは、目に見えないもの、非科学的なものでさえも扱えるという意味において、非常にパワフルなツールです。仏教を学んでいると、科学的に証明されていなかった古代から、極めてロジカルで明快なフレームワークによってWisdomが体系的に整理されてきたということがよくわかります。大乗仏教のパワフルさはそのフレームワークの強さにあると言っても過言ではないかもしれません。そして、フレームワークには無色透明な性格があるからこそ、宗教すらこえて、世界中に広まったのだと言えるかもしれません。(ビジネス界にも広まりつつあるマインドフルネス もその一部)

3.「地図」として

フレームワークは、コンサルの世界で「マッピング」と言われる技術としても使えます。それは、自分が言っていること、相手が言ってること、あの人がいっている事が一見噛み合っていないように感じる時に使えるパワフルなスキルです。フレーミングするすることは、マッピングすることでもあります。それぞれの位置関係、相関関係を俯瞰して地図としてみれるようにすると、今までは受け入れがたい対立的な概念が、多様性として俯瞰できる視点に切り替えることができるため、特に、意見の不一致、二元的な視点、利害関係の調整の解消においてもとても役に立ちます。

4.「ガイド」として

フレームワークとしてよくあるのが「視点」、「論点」、「ステップ」、「要素」などをもれなく、ダブりなく(コンサルの世界では一時期猫も杓子も、それはMECE(もれなく、ダブりなく)か?という呪文がありましたがw)示されたもの。これは、物事を整理して、判断し、意思決定する、合意する、実践するなどの時に、とてもパワフルな「ガイド」になります。また、Wisdomは実践しなければWisdomになり得ないため、フレームワークだけでは意味はあっても無意味でもあります。Wisdomのフレームワークは実践するためのガイドとなって初めて有益なものとなります。

5.「チェンジエージェント」として

人、組織、社会の成長と変容をもたらすWisdomは、概念ではなく実践することが全てです。その意味においても、どのように、どんなステップで実践していけばいいかを示すためのチェンジマネジメントにおいても、フレームワークは極めて有効に使えます。人がその気になり、巻き込まれ、利害関係を調整し、変革を進めていく時に、フレームワークは絶大な威力を発揮します。

6.「社会実装の手段」として

Wisdomの民主化と社会実装において、科学的な根拠・エビデンスは欠かせません。一方で科学的な研究には膨大な積み重ねと多岐にわたる分野の深掘りと統合が不可欠なことを踏まえると、社会実装に対して非常に時間がかかってしまうというジレンマがあります。実践を急ぐ上でもこの”怪しげな”コンサル的スキルはパワーを発揮します。フレームワークは、あらゆる科学的な根拠、あらゆる専門性を越境し、非専門家であるコンサルタントが”空気を読まずに”ファクトとロジックという技術でまとめあげてしまいます。各分野の専門家からすると、非常に乱暴であると批判される事も免れませんが、変革のスピードや実践が目的にあるため、それらの批判を厭わずに断行するという性格があります。まさに諸刃の剣ですがそう言った意味でも、Wisdomの不必要な慣例化、形骸化、蛸壷化が起きているとしたら、Wisdomの伝統を革新に変えていくイノベーションを起こしていくという観点においても、このコンサル的なマインドとフレームワークの力は欠かせないものになると考えます。

"Wisdom as a Framework"-プロジェクトの目的は何か?

目的はずばり「Open Wisdom(叡智の民主化)」をしたいと言う願いです。これは、ヒューマンポテンシャルラボ創業時から社会的使命として掲げているものです。

宗教団体や派閥に所属するかどうかにかかわらず、お金があるかどうかによらず、知識のあるなしにかかわらず、子供から大人まで、誰もが叡智の入り口に立つことができる社会にしたいという強い願いがあります。

また、Wisdomとは、冒頭に申し上げた通り、目に見えない、未知なもの、科学的に証明されていない叡智を含みます。僕が個人的にすごくストレスを感じていたんだなあと最近気づいたことは、「未知なものへの学習意欲」や「純粋な好奇心」や「成長したいという純粋な欲求」が許容される社会であってほしいと思うのですが、社会一般的にはそれはスピリチュアルだとか、怪しいものだとか、信仰宗教ですか?などと、不信感や抵抗にあってしまうということでした。叡智を誰もが一目で理解し、納得できる言語ーフレームワークとして整理することで、叡智への扉をひらきたいんです。

一方、Wisdomは継続的に体験から体得しなければ得られないものであり、フレームワークという「概念」だけでは無意味です。しかし、概念がなければ体験に誘うことも難しい、という鶏卵問題がありました。「学」と「行」の両輪が必要であり、フレームワークはその片輪にすぎませんが、されど不可欠な片輪です。

ヒューマンポテンシャルラボでは、創業以来徹底して体験ベースの「行」に特化してきたことと、そして、「行」を実践する仲間(コミュニティ)を育んできました。

本プロジェクトは、叡智を伝道する講師の方々を通じて様々な角度から学び、体験し、実践を通じて見えてきたことを帰納的にも演繹的にもフレームワークとして体系化してまとめていこうと言う試みでもあります。

また、今、世界ではフレームワークを超えたフレームワークが求められていると感じています。Wisdomは歴史的に、宗教、政治、経済に取り込まれ、それぞれの権威に「利用」されてきました。そして、誰もがアクセスできないようにする”蛸壷化”が起きてきました。宗教毎各派閥毎にあるもの、科学的な分類に基づくもの、企業・団体毎に特許や資格などで価値づけられた方法論やメソッド毎の方法論が世の中に散在している中、これらを統合的な、少なくとも、宗教・政治・経済という枠組みに囚われないメタなフレームワークの構築ーみんなのみんなによるOpen Wisdomを実現したいと考えています。
そして、今世界に求められている日本の立ち位置、日本の強みは、精神性の高さ、そこには古来より、古今東西あらゆるものを受容し、表現に変えていく強さにあり、本プロジェクトはその一端になり得ると感じています。

最後に

僕はとても弱い人間でして、一番やりたいことだからこそ、一番躊躇して後回しにしてしまう癖、本当に好きな人への連絡や表現をすることを後回しにしてしまうという性格です(笑)

このプロジェクトは、本当は、わかっていた自分の根元と一致した一番やりたかったことでした。一方、フレームワークのプロフェッショナルである、ビジネス界のコンサルマフィアの方々からのツッコミは怖いし、もう一方のWisdomやスピリチュアリティーの本質を伝道するレジェンドたちからのツッコミも怖い(笑)この”Wisdom as a Framework”というコンセプトは、両方の巨人たちの間に立ち、両世界をブリッジする役割を担うということでもあり、その重責に押しつぶされそうになります。めちゃめちゃ怖いことです。

でも、それこそがコンサルタントを辞め、ヒッピーになり、起業して、両世界を統合したいと願う、僕が一番やりたかった本当のチャレンジでした。

おかげさまで2023年6月、HPLは創業して5周年を迎えることができました。そして、ここから、本丸のプロジェクトを始動していきます。

“Open Wisdom(叡智の民主化)”を掲げ、世界中のWisdomをフレームワークとして体系化し、国境・文化・世代・人間/非人間を超えて含む叡智をみんなでラボし、実践し、アップデートしていける「メタフレームワーク」と実践するための「仕組み」と「場」を構築し、提供すること。

ありがたいことに今、僕は「ビジネス界の巨人」たちと「ウィズダム界の巨人」たちとの素晴らしいご縁の上に生きています。巨人たちの肩に乗ってこの最も混沌とした時代のうねりの中でビックウェーブに挑めるサーファーとして感じる喜びをひしひしと噛み締めています。

これからアウトプットしていくフレームワークに対して、あらゆる専門家から、あらゆる角度からの奇譚なきフィードバックや意見をいただきながら進めさせてください。古代からの叡智、理論、フレームワーク、最先端の科学的な根拠、スピリチュアルリーダーたちの体験的な叡智などを引用し、紹介しつつ、それらをを統合したり、メタにフレーム化したり、アップデートしていければと思います。

本プロジェクトの言い出しっぺということになりますが、僕はこの時代に生まれた氷山の端くれです。仮説として提示するフレームワークをもとに、議論をオープンにし、フレームワーク自体はみんなのコモンズとして後世に残る自律分散型プロジェクトとして進めていけたらと思っています。

新人の駆け出しのコンサルタントが、その道何十年の実務者に食ってかかり、改革困難な企業の変革を成功に導いてきた過去の経験とその感覚を今でもありありと覚えています。今ここで、”あっち”と”こっち”をもう一度統合しなおす。

人は何者でもない。だからこそできることがある。あらゆるご縁をつなぎ統合し、自分たちができる事を精一杯チャレンジして後世につなげていけたらと思う所存です。

どうぞ、暖かく見守り、このプロジェクトに賛同する方はお声がけください。みんなで共創し、実践していけたら幸いです。

ヒューマンポテンシャルラボ Founedr 山下 悠一
#変容の技術専門家 #人生が変わる体験オタク #ヒトの未知なる可能性を開発する

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