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アメリカの警察に帰り道を護衛してもらった話

私の画力は置いておいて。

カリフォルニア州サンディエゴの大学で、毎日朝から晩まで歌ったり踊ったりしていた頃の出来事です。

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もう、へろへろだったんですよ。

当時のスケジュールは、例えば、朝7時前に家を出て、高速をかっ飛ばしてキャンパスに行き、駐車場でメイクをしたり、勉強をしたり。

と言うのも、あと少しでも時間が遅いと、通勤通学ラッシュでとんでもない渋滞に巻き込まれるので、それを避けて先にキャンパスに行き、授業開始まで駐車場でリラックスする、という魂胆。(こんたん、ってこんないかつい漢字なんだ。)

そして朝8時からのバレエのクラスを受けて、その後はアメリカ史。

終わり次第また高速をかっ飛ばして別のキャンパスに向かい、キャンパスに常設された劇場の隣にある大好きなカフェ “Honey Bee Hive” で軽くランチしつつ、日本の家族や友達に手紙を書いたり、勉強したり、小一時間休憩。

懐かしくなって、google ストリートビューでちょっと行ってきました!

あった!Honey Bee Hive!

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https://earth.app.goo.gl/GZAUhz
#googleearth

…と思いきや、ん?なんか様子が違う…寿司??でも形がそのまま残ってくれてるだけで嬉しい!笑

ちなみにこれが愛するホーム、校内の劇場“Saville Theatre”!

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https://earth.app.goo.gl/C4qjtr
#googleearth

学内の芝居やミュージカル、ダンスコンサートだけでなく、商業の公演も含め、毎週のように何かしらの演目が上演されていました。

サンディエゴの方々は、新聞の告知欄などでサンディエゴにある各劇場のスケジュールを見て、「今週は何かやってるかな?あ、これ行ってみよ!」ってな具合に、演劇に関係のない方でも気軽に劇場に足を運んでいるイメージ。しかも家族で!

どうしたら地元の方々にそれだけ舞台のエンターテイメントが定着するのだろう??羨ましい!!


脱線しまくりました。

ランチの後、午後からはジャズ、振付、モダンなどダンスのクラスが続き、夕方以降は時期によって、ダンスコンサートかミュージカルのリハーサル。

リハーサルが無い日でも、最終の時間帯のクラスまでびっしりスケジュールを組んでいました。

なぜなら、月から木の4日間に全てを詰め込むことで、週休3日にしたかったから!笑

と言っても、本番が近くなると金曜日も夕方からのリハーサルだけはありましたが。

そしてそのリハーサルなり最終のクラスが終わるのが21時半とか22時頃。

書きながら、どうやってそのスケジュールを毎日こなしていたのかと、我ながら疑問に思います。

若さと情熱、ですかね。


そんな若くて情熱溢れる私でも、やっぱり帰り道はへろへろ、しかもその日はなんだか特別へろへろでした。

夜中の高速道路はがらがらで、のんびり適当に運転しながら帰っていました。

片道4車線あるのをいいことに、右に左にふらふらしながら。

その時です。

後ろからピカピカするものが迫ってきました。パトカーです。

やば、ちゃんと運転しよ。

と思ったと同時に、マイクで何かを言ってきます。

「○△※※◎△□※○◎※!」

え?全然わからん。英語とかじゃなくて、マイクの声がこもって全然何言ってるか聞き取れない!

「○△※※◎△□※○◎※!」

え!もう何!?どうしたらいい!?私捕まるん!?

「○△※※◎△□※○◎※!」

だめだ、降参だ、一旦止まろ。

そう思って、端のレーンに車を寄せて止まろうとしたら…

「NOOOOOOO! 」
「○△※※◎△□※○◎※!」

NOだけは分かる!え!? NOなん!?止まれってことじゃなかったの!?

そう思って、再度元のレーンに戻って運転を続けようとしたら…

「NOOOOOOO! 」
「○△※※◎△□※○◎※!」

そしてついにサイレンを鳴らし出しました!
うううぅぅぅうううううぅぅぅぅう!

怖い怖い怖い!何もうやだ助けてーーー!

そうして今度はなかば強引に端のレーンに止まらされました。

窓を開き、恐る恐る顔を出すと、1人の警察官がいぶかしげに運転席を覗き込んできました。

そして、私を見るなり、子供みたいな日本人の女の子だったのでびっくりしたのでしょう、勢いよく発しようとした何かしらの言葉を一旦飲み込んで、

警察「ど、どうしたんだい!?君は右に左にふらふらと運転をしていてとても危なかったよ!?」

私「あぁ、ごめんなさい、学校のリハーサルの後でとても疲れていて…」

警察「学校はどこ?どんなリハーサルなんだい?家はこの近く?」

そうして色々と質問された後、

警察「よし、じゃあ君の家まで護衛するよ!後ろから着いていくから案内して!僕らは君のガードさ!はっはっはー!」

と、なんと、暇でもないであろう警察の方々に(暇だったのかなぁ?)、家まで送ってもらうことになりました。無敵!!笑

そうしてそこから10分ほどの家まで、本当に私の車の後ろを着いて来てくれて、

警察「リハーサル頑張って!運転はしっかりね!じゃ、おやすみ!」

と、颯爽と帰っていかれました。

なんだろう、森の中をふらふらと彷徨っていたら、白馬の王子様に助けられて家まで送ってもらい、その王子様は名前も告げずに去っていった…そんな気分。

普通はそんな状況だったら、まずアルコールチェックや所持品チェック、身元の確認などされるはずなんです。

それだけ、悪いことなんて絶対しなさそうな、本当にリハーサルで疲れ切った日本人留学生の女の子、だったんでしょうね。笑

あんなに最強な気分で安心して家に帰れたことは、後にも先にもその時だけです。

ありがとう!サンディエゴ警察のおじさん!
いや!白馬の王子様!!!

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