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映画「世界のはしっこ、ちいさな教室」「イノセンツ」のこと、「ものごとのかたち」展(2回目)のこと、

7月×日
新宿武蔵野館で「世界のはしっこ、ちいさな教室」(エミリー・テロン監督)

ブルキナファソ、バングラデシュ、シベリア(ロシア)。
この3つの場所の小さな学校で教える女性教師3人を捉えたドキュメンタリー。
世界の様々な場所で、それぞれに難しい問題があり、困難に立ち向かう教師がいる。
そして子供たちはどんな状況でも未来を感じさせる。

良い映画だと思う。
ただ、なんというか、上手く出来すぎ、という感も。

非常に過不足なく撮られている。
すごく重要なシーンもちゃんと撮られている。

別にヤラセだとかいうことを言っているのではない。
ただ、大変な状況で困難に立ち向かう教師にカメラを向けて撮った作品が、こんなにスッキリとわかりやすいものになっている、というところがなんとなくスッキリしない。

7月×日
東京オペラシティにあるNTTインターコミュニケーションセンターで「ものごとのかたち」展(2回目)
前回、かなり面白かったので再訪。

一番印象的だった無響室で体験する音響作品。

この作品はネットで日時を指定して予約するようになっていて、予約が入っていない時間があれば、当日に整理券を出してくれるらしい。
なので今回は一応ネット予約して行ったのだが、前回も今回もすごく空いていたので予約してなくても入れないってことはなさそう。
前回選んだのはどうやら「摩擦の物理現象にフォーカスしたマクロ録音により構成」という作品だったらしく、今回は「京丹後の自然にフォーカスしたフィールド録音により構成」された作品を選んだ。
今回の方が川のせせらぎとか鳥の声とか、音楽として認識できる音とかが有ったのでわりと親しみやすく、それほど気味悪さは感じなかった。
2回目、というのも大きい。

作品がどう、とかいうよりも、単に暗闇が怖い、というのはあるな。
本当に何も見えない完全な暗闇、というのはあまり経験したことがないかもしれない。
そんな中にぽつんと一人で座らされている、というのが、そして急にいろんな方向から音が聞こえて来る、というのがなかなかコワイ。

それ以外の作品も面白かったのだが、なかなか説明がむつかしいので写真のみ。

「Five Years Old Memories」
「The Spumoni」
「ハンドメイドムーブメントseason1大体の事柄は布に覆われてしまっている」
「つながるかたち展2.5」

8月×日
新宿ピカデリーで「イノセンツ」(エスキル・フォクト監督)

これは良かった。
ノルウェー映画。
夏のヴァカンスシーズンに、とある集合住宅地に引っ越して来た家族。
両親と娘二人。
長女は中学生くらいか。自閉症で言葉を発さない。
次女は小学生中学年くらい。
姉妹は新しい集合住宅で友達ができる。
妹と同年齢位の男の子と女の子・・・そしてその子たちは超能力を持っていた。
という感じで始まる話。

能力を身に着けた理由が一切語られないところ、最終的に能力者同士の対決になるところなど、大友克洋の「童夢」みたいだな、と思ったのだが、あとで公式ホームページを見たら監督が「童夢」にインスパイアされて撮ったとのこと。
しかし雰囲気はかなり違う。

子供たちの無邪気さと優しさと残酷さについての話。
子供の俳優が4人とも素晴らしい。
上映時間117分は、もうちょっと短くてもいいような気もするが、しかし最後まで緊張は途切れなかった。

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