見出し画像

映画「リトル・マーメイド」「M3GAN/ミーガン」のこと、アーティゾン美術館「抽象絵画の覚醒と展開」展のこと、など、

6月×日
新宿ピカデリーで「リトル・マーメイド」(ロブ・マーシャル監督)
有名なディズニーアニメは未見。
なので、アンデルセンの人魚姫の話をモチーフにしたミュージカル、という感覚で鑑賞。

感想としては、どうにも大味な映画だな、と。
おとぎ話風のミュージカル映画に対して、そんなに緻密な構成とかを求めているわけではないのだが、メインのはずのヒロインと王子様のロマンス部分がなんかぴりっとしない。
まあ、ディズニーの実写映画ってこういう大味な映画が多いよな。
そつなく出来上がっていて、なにか大きなキズがあるわけではないのだが、どうも味が薄いというか癖が無さすぎるというか・・・。

それでも脇役のトリとカニ、それと海の魔女が良かったので楽しく見ることはできた。
音楽の方も、ヒロインや王子の歌う曲はあんまり好きになれず・・・これはまあ、朗々と歌い上げるタイプの曲が嫌い、という個人的な趣味の問題が大きいかも。
トリやカニが絡むアップテンポの曲は楽しくて良かった。
あと海の魔女が歌うキャバレーソング(?)っぽい曲も良かった。

でも監督のロブ・マーシャルは「シカゴ」とか「ナイン」みたいな都会的な題材の方が向いてるんじゃないかねー。

6月×日
新宿ピカデリーで「M3GAN/ミーガン」(ジェラード・ジョンストーン監督)。
事故で両親を亡くした少女ケイディを守り育てる、という使命を与えられたAI搭載の人形が、それを実行するために次第に暴走していく、って感じの話。

とりあえず予告編やCMで見て期待した最低限のものは見せてくれる映画。
楽しんで見れました。

不満が二つ。
(その1) 終盤の少女(ケイディ)の心境の変化はもうちょっと丁寧に描いてくれないと。 
(その2) 色々ひどいことになったけど、もともとは「少女を守りたいだけ」だったのに、という悲しさみたいなものを最後に出してくるかな、と思ったのだがそれは全くなかった。
それがなければダメ、という訳ではないけれど、ホラーでしか出せない悲哀みたいなものってあると思うので、それを出さないのはちょっともったいない気が。

6月×日
アーティゾン美術館で「抽象絵画の覚醒と展開」展。
この美術館は4F~6Fの三つのフロアから成るが、この三つのフロアを全部一つの展覧会に使うのは珍しいんじゃないだろうか。
かなり大規模な展覧会、という印象。
絵には詳しくないのであまりちゃんとしたことは書けないが、なんか「おなか一杯」になった感じ。いい意味で。

ただ全部を興味深く見ることができたかと言うとそうでもない。

全部で12の章で構成されているのだが、
抽象絵画の胎動みたいな感じの第1章・抽象絵画の歴史(印象派あたり)が一番好きで、

抽象絵画ということで、色んな変な絵があったけど、やっぱりセザンヌが一番変だと思う。

第2章・フォーヴィズムとキュビズム

マティス(左2枚)とヴラマンク(右)

第3章・抽象絵画の覚醒(バウハウスとかカンディンスキーとか)
あたりまでは「おー」と思いながら見ていたが、だんだん集中力が散漫に。

結局、あんまり抽象絵画に興味が持てない、ということなのかもしれない。

写実的な絵がちょっと揺らぎ始める、というか、ちょっと「ん?」ってなるあたりの絵が一番面白くて、完全な抽象になってしまうとピンと来なくなってしまう。

前に観たモンドリアン展でも思ったけど、抽象絵画で有名な画家の、まだ作風が固まる前の具象画ってなんか味わい深いものが多い気がする。これはカンディンスキー。
バウハウスジャーナルvol.2
かっこいいっすね。

そんなわけで第4章以降は、ボーっと見ていたのだが、
最後の第12章・現代の作家たち、はちょっと面白いな、と感じるものもあった。
何故かは不明。

婁正綱「Untitled」
婁正綱(ろうせいこう)は、1966年生まれの現代中国を代表する書家であり画家、だとのこと。
横溝美由紀「torso」
横溝美由紀は1968年生まれの日本のアーティスト。
同じく横溝美由紀「the line」の一部

最初の方と最後が楽しかったので、全体的に楽しかった、という印象が残った。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?