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歌会初2023 -O, Freunde-

すずめが戸締りしてるようですが、何年か前には君の名が分からなくなってましたわな。
なにをおっしゃる。即答で徳仁さんです。君主的な意味で。

誰それ?って思いました?天皇陛下のお名前ですよ。

聞いた話によると、100万年に一度の夜にすべての戦争が無くなるとかなんとか。ドラゴンナイトというそうですね。

日本でも皇族も要人も一般庶民も、一緒に歌を詠みあって新年を祝うっていうお祭り、やってますよ。一年に一回も!

なんか全体的にちょっと古いな!ごめんおれもう来年40歳!
でもこいつの歴史は数百年だからな!古いなんてもんじゃないぜ!

今年も行きましょう!歌会始2023!
 
バーっと歌でも歌って正月を締めくくりましょう!
世界で恐らく唯一、国家がラブソングな我が国。
 
平民も皇族も、みんなで和歌を歌ってラブアンドピースになっちゃうことが本当にある奇跡の日、
立憲君主国のお祭り、宮中歌会始の開幕です!
 
令和5年のお題は「友」
「光」とか「窓」とか無機物のお題が多い歌会始で、ここまで人間臭い歌が導かれてるってのは珍しいと思います。
人間関係の歌は例年多いのですが、今年はさらにベッタベタにエモーショナルな展開を期待してしまいます。
 
今年は国内外合わせて1万5005首の歌が寄せられました。
その中から選ばれた10人の平民たちはこちら!
 
山梨県北杜市、小宮山の碧生(14)
近年、最年少枠は歌会始の智弁和歌山たる新潟の東京学館高校がずっと輩出してましたが、久しぶりの他校から。
同じ漫画を好きになことがきっかけで仲良くなった友達を詠んだ歌だそうです。中二が宮中に持っていく歌としてもう最高です。100点。

東京都練馬区、大学職員 吉田の直子(26)
この年代久しぶりじゃないですか!?
20代女子に歌会始で期待するもの、それはJ-POPみたいな短歌です。短歌の延長線上にきちんとポップスがあることを朗々と示していただきたい。しかも今年のお題は友なんて、J-POPそのものじゃないか。
ただ年の割には渋いお名前。ゴリゴリの文学オタクがごり渋ストレート投げてくる可能性もあります。

京都府宇治市、地方公務員 丹羽の紗矢香(36)
この年代の女性も最近珍しい気がする!しかも今年は30代女性が二人も続きます。高確率で子育てネタの主婦インスタ短歌です。

島根県益田市、看護師 㯃松の友香(39)
2008年に続いて、2回目の入選の㯃松さん。数年ぶりの複数回入選はたまーにいらっしゃいます。歌会始の意外な忖度しなさを覗かせます。
歌うのは息子との会話からインスピレーションを得た歌。ですよねー。

茨城県つくば市、団体職員 芳山三喜雄(50)
なんか聞いたことあるお名前だと思ったら、去年も出てましたねこの方!
腰を痛めてた時に教育テレビで観て短歌を始めたミツバチの研究者。つくばで団体職員といえば研究者です、奇跡の2年連続の入選です。

横浜市、団体職員 岩田真治(55)
団体職員にもいろいろあります。こちら岩田さんはNHKのディレクターだそうです。しかも上皇后陛下の和歌の本を去年上梓してらっしゃいますよ。公共放送、ナレーションでそのあたりの関係はしっかり語られるでしょう。
 
新潟県上越市、ヨガ講師 相川の澄子(61)
40年以上の歌歴を持つ、ヨガ講師にして心理カウンセラーにして、俳句塾の主催。
人の気持ちを読む短歌に、俳句の一瞬を切り取る表現方法を生かしたという手練れです。

東京都江東区、主婦 久和鏡子(62)
久和さんも短歌結社の方でしょう。この年代のお姐さん方はとにかく、日常的に短歌教室に通ってるセミプロ揃いで、絵手紙やら着物リメイク手芸みたいな歌を大量投入してきがちです。

熊本県宇土市、主婦 三浦清美(63)
三浦さんも手練れの、かと思いきや、投稿3度目にして入選、結社にも入っていない主婦の星です!
大学時代に友人に語りかけるように、青春期からこれまでの半生を振り返り語りかける歌を詠んだという三浦さん。31文字でこの時間感覚をどう料理するのか。さあお手並み拝見です。

岡山県井原市、主婦 藤井正子(73)
今年の最年長はちょっと若め。70代の藤井さん。
今は亡きご主人との、結婚前のドライブデートを歌ったそうです。
こういうタイプの歌はマジで最年長の深みがないとできないのですよ。


平民の素朴な歌の後はプロの作品、
天皇陛下のお招きで歌を詠む召人(めしうど)に、歌人の小島ゆかりさん(66)
この方がゲストになるのは初めてですよね。
今年から皇室の歌の先生も変わったみたいだし、ロイヤル和歌界隈もいろいろ変化があるのかもしれません。

その後に続くのは皇族方の歌。
去年は愛子ちゃんの歌が初披露されたりしました。

あー、ほんとに読まれないかなあ、小室Kネタのラブソング。
そんでなんか間違えて1000年後の新百人一首に入ったりしないかなあ。

最後はお決まりで、天皇皇后ご夫妻の歌。
皇后は2回、天皇は3回繰り返して詠唱されます。
特に天皇御製の3回目の詠唱はJ-POPの大サビの源流を見るような、どんどん派手に展開していくグルーヴをご体感あれ。和歌は、歌そのものです。

祭りの後は今年のお題が発表。
詠んでみようかな?と思った方、応募方法は「半紙に毛筆で書いて宮内庁に郵送」一択なので、最後に出される書き方をお見逃しなく。

令和五年歌会始、NHK総合で1/18(水) 10:30より生放送です。

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