♯6 【成り上がり/矢沢永吉】はこれはビジネスにも通じる名著だった。

2022年は、年間50冊の本を読むことを目標としています。
さて、お題にもある通り日本を代表するロックスター【矢沢永吉】の名著【成り上がり】。こちらを読了。

これは、名コピーライターの糸井重里氏がインタヴューをして取りまとめた内容となっており、矢沢さんの生い立ちから、28歳までの半生を回想形式で書き上げられた内容となっている。

私は、特に矢沢氏のファンでは無いのですが、この著書は有名で知っていた。
ある日、図書館でふと目に入り、直感的に借りて読んでみた。


矢沢さんが読者に語りかける様な文体で、非常に読みやすくすぐに読み終えてしまった。


ストーリーとしては、、

戦後に広島で生まれ、実の親では無く、祖母に育てられ、極貧生活を味わい、その後ロックスターを目指すべく、上京(正確には横浜)。横浜でのバンド活動を経て、キャロル結成、解散。ソロデビュー。

までの流れを、矢沢氏の当時の心境や、考えなどを交え口述形式で書かれている。

まず一言で、この本の感想を述べるとしたら、
【現代に通じる処世術が学べる本だった】だ。

良いと思った言葉と私なりの感想を挙げて行く。
私自身の備忘録として、そして、読んで頂いた方の何かプラスになる事を祈って。


音楽に出会ってスーパースターのなると決めてからは、苦労が苦労じゃ亡くなった(中略)。
そうだ、こういう風に苦しいんだよな、最初のうちは。こういうことがあって、色々やって最後にスーパースターになるんだよ。と自分に言い聞かせてた。
映画だ。自分の人生を映画で観ているものだ。もともと、オレにはそういう自己陶酔する才能みたいなものがあった。

成り上がり P63

チャップリンの名言で【人生はミクロでみると悲劇だが、マクロでみると喜劇だ。】という言葉があるが、この言葉にも通じる内容だと思った。

自分という人生の映画の主人公になりきって、辛いことも映画のワンシーンとして捉えて乗り越える。
今目の前で起こっている問題も、長い人生の中で考えればかなり小さい事だ。自分の人生の中の一つの出来事と思えば少しは心が軽くなるのでは無いか。

【自己陶酔力】って必要なスキルだ。


常にハッタリよ。こういうハッタリやってなきゃ、何されるかわかんない。全部ハッタリよ。

成り上がり P114

上記の引用の文章は、バンドのギャラ交渉での1コマ。
常にハッタリを効かせ、自分を大きく見せる事で自分自身を追い込み、奮い立たせる。
ハッタリって大事ですよね。


人間ておかしいもので、10円渡すでしょう。(中略)「十円もくれるの?嬉しい」3日経つ。十円には満足しなくなる。三十円よこせってなる。
「ほんとにしょうがないね」と、五十円渡す。
「わあ、こんなにもらった。儲かった、儲かった。いい人だな」と思う。
ところが3日もすると、いい人だと思っちゃいけない。
「この野郎、もっと裏で儲けてるんだろう」みたいな話になっちゃう。
限りのないのが人間ってわけ。

成り上がり P240

人間ってマンネリしてくると、今の状態に満足ができなくなって、次へ次へと要求が大きくなってくる。
この著書の中では【マンネリズム】と書かれている。

これはお金で例えているが、他の事にも当てはまる事ありませんか?
一言でいうと【調子にのるな】と言う事でしょうか。
上を見れば、見るほどキリがない。今の状況をもう一度冷静に見回して見ようと思った言葉でした。


最初、サンザンな目にあう。二度目、オトシマエをつける。三度目、余裕。

成り上がり P263

この言葉良いですよね。
要は3回で必ずケリをつけろ。という事だろうか。何事も3回目は余裕でこなせる様にしろよ。という事なのでしょうか。

この著書では【オトシマエをつける】という言葉がよく出てくる。
【ケジメをつける】という意で私は解釈していた。・


という事で今回は日本を代表するロックスター【矢沢永吉】の名著【成り上がり】を読んだ感想を挙げてみました。

現代の社会人や若者にも是非読んでみてもらいたい。
とにかく、矢沢氏のハングリー精神剥き出しの言葉がとても胸に響く。
いかにもロックスターだぜ、ウォウウォウ。という感じでは無く。
常に物事を俯瞰で見ており、とても知的だなと感じた。読んでいてドキドキした本は久しぶりだ。
モチベーションを上げるにはおすすめである。


以上。

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