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【エッセイ】冬の蠅ごっこに興じる

北海道の秋は短く、夏が終わったと思ったらすぐに冬はすぐそこと言うほど急速に空気が冷える。
雪が降るまではコートを着ないぞと心に決め、身を縮ませながらストールやカーディガンで風をしのぎ、わずかな秋を必死に繋ぎ止めていようとする。
それが北海道の10月である。

11月ともなれば、かなり寒い。
ハロウィンが終わった次の日には、街がクリスマス模様に様変わりするのは日本中どこも同じことだと思われるが、北海道の場合本当に冬がやって来てしまったように思える。
天気予報に雪だるまのマークが大勢並ぶのも時間の問題だ。

だと言うのに、私は今窓を開け放してこの文章を書いている。
時刻は夜の9時半で、気温は8度だ。
指先や爪先が冷たくなっているが、体の芯から冷えるほどではない。

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