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テレビ大阪「グッと地球便」に乗りました 真面目に解説編

今日はちょっと番外編的な。
テレビに出ちゃったよっていうお話。

突然のお話


先週日曜日、関西地区で放送された「グッと地球便」に出演いたしました。

時間をさかのぼること、あれは夏前くらいだったかなあ。
番組スタッフの方からメールを頂き
海外在住の日本人候補としてお話したいと言われました。
電話でなんとなくどんな生活をしてるか、とか仕事の内容を話しましたが、なんかめちゃマニアックな木の話とかしてた気がする。

とにかくまったくもって未知の事なのですべてが初めてで面白かった。

そして遂に取材チームが我が村に

最初のコンタクトから何度かミーティングがありつつ、遂に11月。取材スタッフの皆さん、我が村にお越しいただきました。
ほんと遠くからわざわざ私を撮るために来られるなんて
なんだか申し訳ないような気もするくらい。

取材では工房の作業はもちろん、お客様のお宅へ訪問して納品したり、他の家具を見せてもらったり、それから恩師である師匠フリアのところにも会いに行きました。

お客様も快くおうちを取材するのに承諾してくれたり、インタビューに答えてくれたりしてとても助かりました。師匠フリアとは、初めて出会ったときのエピソードを話したりして、私の中でも思い出をいろいろ振り返る良い機会になりました。そしてその当時、フリアが思っていたことを改めて聞いて、なんだかとても温かい気持ちになりました。

自分の半生振り返ることになっちゃったな


番組のために、家族の写真、留学当初の写真や小さい頃の写真を集めることになりました。そしてこの写真を通しても自分の半生を振り返り。

人間の記憶とは曖昧で20年も経つと、いろんなところが抜け落ちていたり、なんだか怪しい記憶になっていたり。
でも勝手なもので、嫌な事は案外忘れていて
結局、嬉しかったことや感動したこと、心が震えたこと、楽しかった事、
ポジティブな思い出だけが自分の中に残っていることにも気が付きました。
辛かった思い出も今では笑い話になっていたりもして。

そして大きなスパンで、
自分がなんでスペインに来たのか
そしてなんでこの仕事をするようになったのか。まるで走馬灯のような振り返り。
私の場合はものすごく時間がかかって遠回りをしているんだけれども、
最終的にやりたいことをできる場所に
できるようになったタイミングでたどり着いたな
と、改めて今思っています。
多分ここでなければできなかったし、むしろここだからできたことなのかもしれない。


番組の目的は、日本にいる家族が海外にいる日本人家族の生活をカメラを通して見られること。私の両親はスペインには来たことがあるけれども、工房は見たことがないし、今この仕事をしている私の生活も見た事はなかったので、それを伝えられるのはとても個人的にも嬉しいことです。
そして何を伝えたいのかぁ、何を見せたいのかなぁと思った時に
やっぱり私は近所の人やお客さん、恩師、それから仕事仲間や友達に囲まれて支えられて今の生活をしていられるので、それが伝わるといいなぁと思っていました。
仕事の技術や工房を開いてからのノウハウはとにかく実体験で学んできたことだけれども、それは自分の意思で得ようと思えば得られること。
でも周りの人が受け入れてくれるか、村の人たちにこの修復と言う職業がどんなふうに受け入れられていくか、それは私には決められないことでした。
だからこそ今、周りの人に支えられて励ましあって、一緒にやっていけるのがこの工房生活3年間で得られた一番大切なことです。
それを見てもらえたらいいなぁと思っていました。

家具修復はSDGs?できることはぜんぶやってみます。

そしてもう一つ贅沢を言えば、この家具の修復と言う仕事が、日本でももうちょっと知られていったらいいなぁということです。

こちら現地でも同じ意を抱き、わざわざ工房をガラス張りにして目につくようにして
なるべくたくさんの人がこの修復の世界に目を向けてくれるよう心がけています。
日本にはヨーロッパほどアンティーク家具は存在しないけれども、日本独特の木の家具は存在します。
むしろ桐のタンスのように日本独特の技術を使って作られた素晴らしい世界があります。指物や木工に限らず挽きもの、染め物、和紙、漆などなど数え切れないくらいの技術は世界でも注目されています。そういった素晴らしい手工業の世界を日本でも改めて振り返ってほしいし、たくさん後継者が生まれるといいなと思っています。

私が主に仕事で扱うのは木材です。森林保護SDGs、そんな言葉がよく聞かれるようになりましたが、割り箸を減らしたり、楊枝を細くしたりすることも大切だけれども、今ある木材の製品を大切に使い続けていくというのも私たちが日々できる大きなアクションだと思っています。
いつも仕事の裏で抱いているそんな考えをテレビという媒体を通じて誰か1人にでも伝えられたらという下心もあったりして。

もうひとつ、出演を決めた理由


それから
今もし日本にいて、海外に行きたいなぁとか、留学してみようかなぁと迷っている人たちがいれば、その人たちの背中を押せるような番組になっていたらいいなと思います。

世界は広いです。私は幸運にも日本にいる時から、海外経験のある人たちに囲まれていたり、親戚が海外にいたりして自分の興味に気づくきっかけがありました。今は情報社会でたくさんの情報が世界中から入ってきます。それに刺激されるのは当たり前のこと。そしてそこへ自分が飛び出していくのも昔よりずっと簡単になっています。
最初は怖いけれど、その1歩踏み出した向こうにはもっと違うレベルの面白さ楽しさが待っています。そしてとにかく学ぶことが倍増します。自分の人生が豊かになります。
たくさんの人がそんなふうに世界を見たら、きっとこれから日本が良くなるアイデアもたくさん現れてくるんじゃないかな。

すべての人が海外に出れば良いとは思っていません。でももしちょっと気になる、行ってみようかな、何か引っかかっているものがあるんだったら一度動いてみるのはとても良いことだと思います。
動かなければ何も始まらない。
待っていても、何も始まらない。

若い頃の私は何もわかっていなかったし、何も知らなかったけれど、無鉄砲に行動力だけはありました。
今はその時の行動力のおかげで自分の世界が広がって、これまで見てこれたすべてのものが人生の宝物です。

とにかく番組スタッフさんありがとう


最後に、
今回、四日間取材していただいて
思ってもいなかった面白い体験をすることができました。スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。こんなふうに生きてるうちに自分の人生走馬灯できちゃう機会なんて、またそれをまとめてもらえる機会なんてなかなかナイ!
こんな機会を頂いて心から感謝です。
ちょっと親孝行っぽいこともできた?かな?おかげさまです。

スタッフの方々はさすがプロ。私の作業をとても尊重してくれたり、私が話しやすい環境を整えてくれたり。
みんな大阪の人で私も学生時代の関西弁がちらほら出てきたりしてとても楽しい時間でした。
ここでもやっぱり人柄が大事なんだなぁと思いました。お仕事なので慣れているのはもちろんあると思うけれども、それ以上に本当に良い番組を作ろうとしているんだなぁ。伝えたいことを一生懸命伝えようとしてるんだなぁっていうのが伝わってきて
プロフェッショナルと言うのは1つの定義だけれども、プロフェッショナルもやっぱりその人柄が良くなければ良い仕事にはつながらないと思うし、逆に言えば良い仕事をしたかったら良い人間であることがまず1番大事なんだなぁって。

番組が放送されて友達や親戚からたくさんコメントや感想を頂いてます。
ちょっと変な物好きな日本人の生活、
よかったら見逃し配信でお楽しみください。

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