トップの責任

山中氏の辞任云々に関する話です。

私は、この議論において、「山中氏が辞任して海外に行くような事は頭脳流出である」とか、「山中氏のような才覚のある人を辞めさせるのは大きな損失である」といったような見かたは「おこなうべきで無い」、と考えています。

問われるべきは、今回の不正行為について、構造的に、トップまで連帯で責任を取るべきものであったかどうか、ただその部分の検討のみであって(他の企業、学会、その他組織における事例の類推などから評価考察する)、トップに備わるその他の属性や、対象が辞任した際の損失の程度、は考慮してはいけない、のではないでしょうか。

たとえば、トップにいる人が、それほど能力も無く、その人が海外に行ったとして日本の科学界・科学技術界、にとって大きな損失にならないと見込まれる場合、「まあ別に大した事の無い人だから辞めても(辞めさせても)良いのでは?」とはならない、あるいはなるべきでは無い、ですよね?

もし、今回の事例が、トップを辞任に至らしめるようなものでは無い、と評価するのであれば、「才能があろうが無かろうが、流出した結果がいかなるものであろうが、そんな事は関係無く、辞めさせるべきで(辞めるのを促すべきでも)無い」、とするのが筋、なのだと私は思います。

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