見出し画像

≪食器洗い乾燥機≫はお前の平成を破壊する。

注意:本記事は「ニンジャスレイヤー」のパロディが含まれます。

よく来たな。俺は家電芸人・パナ芝ソニ太郎だ。

パナ芝ソニ太郎
家電研究家、芸人。時折、本誌編集部に現れては家電についてのウンチクをたれて無視されています。

今日は平成の「新三種の神器」の一つとも呼ばれている≪食器洗い乾燥機≫の話をする。(以下食洗機と呼ぶ)

≪食洗機≫とは、食器を自動で洗浄し乾燥させる夢の装置だ。その発祥は古代メソポタミア文明までさかのぼり、その頃は奴隷が食器を洗浄して扇で乾燥させていた。当然、奴隷を雇えるほどの立場の人間でないと利用できない高級品であったのだ。

現代、≪食洗機≫は低価格化や技術革新によって一般家庭まで普及している。だが、頻繁に食洗機を利用している家庭もそれほど多くはなかろうなので利用したインプレッションをここに記していこうと思う。

画像1

オススメ「ビルトイン型」

システムキッチンと一体化した省スペース最大効率の食洗機。選べるならこれ以外を選択する理由はない。ずぼらを極めると食器棚としても利用可能といわれているがやめたほうが良いと思う。

補記:視聴者よりリアルタイムコメントをいただいた。ビルトイン型は故障すると死ぬので交換性を重視した据え置き型を検討したほうが良いとのこと。(そもそも不要ではという言説もある)本記事は個人の感想であり展開の都合であることに注意されたい。

食洗機の罠

食洗機を導入すればワイフが喜んでハッピー、とはならない。食洗機利用には様々な罠が存在するのだ。

まず、食洗機用洗剤の購入と運用が立ちはだかる。
食器を入れてピボッ、パワリオワーとはならない。お前は皿の分量や時間に合わせた食洗機用洗剤をスリキリで計量して食洗機用洗剤投入口へ投下しなければならない。ここで無駄な時間を消化すると手洗いで済ませたほうが早いという本末転倒に陥ってしまうので洗剤の選択は慎重に行いたい。推奨は固形のブロックを投入するタイプの洗剤だ。皿の分量に関わらず一定量を消費するので効率は悪いが、一定サイズを定期的に運用させることの「コスト低下」効果は『コンテナ物語』にもあるとおりだ。思考を除外して作業だけにシフトしていくことを食洗機導入の主目的としていくべきだろう。

次に食器の選定だ。
お前が平成から利用してきた皿は全て食洗機対応だろうか。食洗機対応だとしても非効率な形状ではないだろうか。色落ちしてしまうと困るセンシティブな皿ではないだろうか。これらは全て食洗機から除外される。お前の愛用の茶碗もカップも捨てていく必要がある。食洗機はお前の平成を破壊する。

食洗機は容易に食器の寿命を縮める。
「食洗機使用可」であってもそれは素材の話であり、塗装は色あせて飛び出たツノを削り取っていく。ゆえに食器選びは「頑強で熱に強く塗装が薄いもの」を優先的に選定していくことになるだろう。(なった)
素材強度が高く、形状は正円で、塗装はなく、熱にも強い。そうヤマザキ春のパン祭りをイメージしていただくと食洗機デッキの威容が想像しやすいだろう。

食洗機というアーキテクトに対してはこれまでの常識は通用しない。食洗機と皿ホルダーやらなんやらに合わせていく必要がある。お前の食器棚の中身が全てヤマザキ春のパン祭りに塗り替えられる日も近い。もし、貴様が愛用の食器を捨てることができないなら……GUNを置きスライドドアを押して酒場を出ていくんだな。感傷を大切にして牧場の日々を生きろ。

食洗機の洗い力(ぢから)はものすごい。これまでの手洗いが嘘のようにキュキュッとするしなんか乾いてる。やばい。貴様の手を煩わせることなく食器が食器棚に収まっていく。システム、アーキテクト、文明の子……お前はシステムに魂を捧げることになるだろう。

パワリオワー

「食洗が完了したようだ」

木製スツールに腰かけていたパナ芝ソニ太郎がビルトイン食洗機へ向かう。システムキッチンと一体化した滑らかなビルトイン食洗機のノブに手をかけ一気に引き開ける。すると、中から赤黒いニンジャ装束がズルリとまろびでてきた!

「ゴホ、ゴホッ、ドーモ、ニンジャスレイヤーです」

「ニンジャスレイヤーだと!?なぜここが!!」

「サツガイを知っているか」

「ヌウ!古代メソポタミアカラテを食らえ!」

「イヤー!」「イヤー!」「イヤー!」「グワー!」「イヤー!」「グワー!」「イィィィィィヤー!」「グワーーーー!!」

ニンジャスレイヤーのメイアルーアジコンパッソで蹴り飛ばされたパナ芝ソニ太郎、いやデビルディッシュの首がキッチンシンクと一体化した滑らかなビルトイン食洗機に叩き込まれた。ナイスキッチン!!

ピボッ、パワリオワー 「サヨナラ!!」

デビルディッシュ爆発四散!!なんとか洗浄ボタンを押下したニンジャスレイヤーは膝をつき息を整える。

「スーッフーッ!スーッフーッ!」

恐るべきニンジャであった。だが、過去の"インタビュー"の成果はまだ何枚もある。次の標的の所在地を確認するとマスラダ・カイは重金属酸性雲から頭を突き出した150階のペントハウスから飛び出しネオサイタマの闇へ消えた。

【ディッシュ・オア・ダイ】おわり【ルンバ・オブ・デス】へ続く



いつもたくさんのチヤホヤをありがとうございます。頂いたサポートは取材に使用したり他の記事のサポートに使用させてもらっています。