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ニューヨークが舞台の映画

ヤンキー・スタジアム 
1942年「打撃王」 監督:サム・ウッド  主演:ゲーリー・クーパー



中学生の頃、なんとなくテレビを見ていたら、面白そうな野球映画が始まった。見始めるうちに、どんどん引き込まれていったことを覚えている。その時初めて、ルー・ゲーリックという名選手がMLBのヤンキースにいたということを知った。

ヤンキー・スタジアムが舞台であるが、野球そのものよりエレノア夫人との関わりや、最後の彼のスピーチ、闘病中の少年へのホームランの約束などにウエイトが置かれ、感動的な映画に仕上がっている。

ルー・ゲーリックの生涯を描いたこの映画は、1923年に完成した初代球場で撮影された。もちろんルーゲーリック本人が大活躍したのもこの球場です。

残念ながら彼は、映画公開の前年1941年に37歳という若さで筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため亡くなっている。変調をきたしていく彼の病状を見て、こんな病気があるのかなと思った。

ルー・ゲーリック(左) と ベーブ・ルース

初代のヤンキー・スタジアムは老朽化のため、1973年に一度建て直されている。さらに、その2代目の旧球場も老朽化を迎え、隣接した土地に2009年に今の3代目のヤンキースタジアムが完成した。

松井秀喜は2003年のシーズンからヤンキースに移籍しているので、2代目スタジアムでプレーを開始した。また田中将大は2014年からヤンキースで投げているので、3代目のスタジアムで活躍した。

3代目スタジアムは、重々しい外観や観客席の構造やフィールの形状など初代の特徴をうまく取り入れて作られている。

この映画に登場する球場正面の顔(GATE 6)の様子は、今のものとかなり似ているように思える。


グランド・セントラル駅 
1959年 北北西に進路を取れ  監督:ヒッチコック  主演:ケーリー・グラント

数々のハリウッド映画の舞台になってきたグランド・セントラル・ステーションは、郊外への列車が発着するNYを代表するターミナル駅の一つ。そこを舞台にした映画の中で、私のお気に入りは、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」。

少しマザコン気味のビジネスマンが、知らず知らずにどんどん犯罪に巻き込まれていく、というヒッチコック特有のプロットに加えて、ロードムービー的な要素もあリ、ラブストーリーも主題の一つとなっている名作である。とうもろこし畑で飛行機に追いかけられるシーンはあまりにも有名である。

駅正面の時計の下には、グランド・セントラル・ターミナルと刻まれている
駅のHPでもターミナルとなっているので、ステーションを使うのは俗称か


殺人犯として、顔が新聞1面に掲載されている指名手配犯の、主人公ケーリー・グラントが、真犯人追跡と巻き込まれたトラブルの解明のために、列車に乗り込むために、切符を買うのが、この駅の販売窓口である。

窓口の駅員に、指名手配であることがバレずに購入できるかと思いきや、ちゃんと駅員には、指名手配犯の写真が手元にあった。販売にわざと時間をかけて、警察に連絡しようとするあたりの、主人公と駅員との掛け合いも面白かった。

歴史的な建造物が、このように保存されていることは嬉しい限りである。1970年代に取り壊しの構想があったそうですが、保存運動が起きて最高裁まで争われ保存が決まったとのこと。

ハイラインの遊歩道化の運動と同様に、古くても価値のあるものは残す、という考えがニューヨーカーの根底にあるように思えます。

駅は人生の交差路 様々な人種が行き交う
中央コンコースの天井にはセルリアンブルーの空と星座が描かれている


この通路が駅の公式HPの最初に写真に使われている


マンハッタン・ブリッジ
1984年 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
監督:セルジオ・レオーネ  主演:ロバート・デ・ニーロ

マンハッタン・ブリッジがレンガ色の両脇のビルに挟まれているこの構図の写真が、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の公式ポスターに使われています。実際の劇中のシーンやポスターでは全体にセピア色になっていました。

この撮影スポットは、ダンボ(Dumbo)地区のワシントン・ストリートにあり、いつも映画好きのツーリストで賑わっています。知らない者同士が写真を取り合っていることもよくあるのです。

橋桁の間から、エンパイア・ステート・ビルディングが見える

映画の中でたとえば主人公が地方からニューヨークに入りました、ということを示すために登場するのが、どういうわけかマンハッタン・ブリッジではなくて、ブルックリン・ブリッジである。こちらの方がNY的に見えるのだろうか。

ブルックリン・ブリッジ
やはりブルックリン・ブリッジの方が絵になるかな
マンハッタン・ブリッジの向こうに、ウィリアムズ・ブリッジが見えます


ニューヨーク公共図書館
1961年「ティファニーで朝食を」
監督:ブレイク・エドワーズ 主演:オードリー・ヘプバーン

New York Public Library

しばしば、ニューヨーク市立図書館という言い方もされるが、あくまでも設置はNPOです。でも民間の寄付のほかNY市と州からも予算が支出されて運営されているそうです。市内に90以上の分館があるそうですが、最も有名なのがこの本館です。1911年に竣工しポザール様式という建築で、美術館といってもいい荘厳さです。

映画「ティファニーで朝食を」の中では、主人公のヘプバーンに、彼女を愛する作家のジョージ・ペパードが図書館のカード目録を使った検索システムを教えて、自分の本のカードを取り出して見せるというシーンで、図書館が出てきます。

今はもちろんパソコンで検索するシステム

この図書検索のシーンを妙に覚えていて、大学に入って初めてカード検索をやってみて、映画と同じだと密かに感動したことを覚えています。

ローズ・メイン・リーディング・ルーム
こんな美しい天井の図書館は他にあるでしょうか

24時間人の流れが絶えないニューヨークで映画のロケをするのは、とても大変なことだと思いますが、どこをとっても絵になりますね、ニューヨーク。

ちょっと話がずれますが、最近ますます地方都市の駅前が、どこも似たような雰囲気になってきているような気がします。その街独特の特徴をもっと出すべきではないでしょうか。様々な色や形のビルがただ並んでいるだけでなく、街並みの統一性をもっと重視してもいいと考えます。

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