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飽き、そして言語化

序章

 本の感想を今回も綴って参ろう。今回の本はこちら。

 タイトルからして面白そうと思ったのあるが第一印象だ。確か非会社員の稼ぎ方的な本のおすすめの本欄に載っていたのを覚えている。このときに例のごとく欲しいものリストに入れた記憶だ。これ↓

 時は経ち2023年12月。確か知識に関する本を読んだ後に欲しいものリストを見たときにこの本の題がピンと来た。これ↓

 そしてこの本は読もうと思って4ヶ月後やっと手を出す時が来た。


本章

初発の感想

 読書において初めてちょっと読んだのを後悔した。どういうことかは後で説明するが、こんな体験は初めてだ。もちろん、内容は面白く、むしろ自分が感覚的に思っていたことを言語化してくれて整理してくれたことはいいのだが、なぜかこうよくわからない後悔が生まれている。
 帯を見てもらうと“メンタリストDAIGO推薦”と謳っておるが、確かにDAIGOが好きそうだなぁという印象を受けた。というのも本書の著者が研究者ということもあり研究からの引用が多かった印象。DAIGOが10回必読という理由は何となくわかった。
 本書は著者が音楽にも詳しということで音楽との関連性にも触れていてくれた。私もエレクトーン弾きなので非常にその辺は興味深かった。後自分の脳の構造も少しわかった気がする。

潜在学習と潜在記憶

 本書は潜在学習を基盤として話が進んでいく。潜在学習は本書著者の研究分野である。
 潜在学習とは脳が無意識に同じものの繰り返しやパターン化を認識し、睡眠時などに情報圧縮して脳の前頭葉に情報を保存することである。詳しくは本書を読んで欲しいが、要は無意識に我々は実は学習しているということだ。そこで行われていることをもう一歩踏み込んだ説明すると潜在学習とは情報の不確実性を下げるということ。何度も同じことやパターンを経験すると人間は予測が可能になる。この予測が可能になるのは潜在学習のおかげである。

 お次は潜在記憶について。これは対義語として顕在記憶というものがある。この二つ関して下記に述べる。

 潜在記憶:潜在的にー無意識的な記憶。頭ではわからんが体は覚えてる、感覚的にはわかるといったようなこと。
 顕在記憶:顕在的にー意識的に認知している記憶。ちゃんと言語で説明できるくらいに覚えているようなことが主。

本書より

 ちなみにこういう法則性があるなというのを何となく思っていたところからしっかり言語化するとそれは潜在記憶から顕在記憶に移動する。気持ちの整理の本質もここに隠されていると推測できる。

後悔とは

 私は最近物事に対して楽しいという感情を抱くことが少なくなった。何でだろう。もう飽きてしまったのだろうか。というのも幼少期時から触れている趣味を長年楽しんで来た私だ。15年くらいの歴。飽きが来るのは当然と言えば当然なのだが、それが結構寂しい。ただ全く楽しめてないというわけではないので、新しいことを始めて今までの趣味は頻度は少なるなるが続けていくのがいいのかと思う。
 で何に後悔したのという話なのだが、この飽きの正体についてなんとなく察しがついてしまったことだ。それが上述の潜在学習のお話に関わってくる。何が面白いかがわかってくるとそれを脳内で言語化し潜在記憶から顕在記憶に移行する。これが行われると人間はそれに対して面白さ(本書的には芸術的感動というべきか)が減ってしまう。不確実と確実の揺らぎによって生まれるエモーショナルな感情は失われる。
 ここで個人的仮説が一つ、気持ちの整理はいい感情の場合でも行われてしまうのでは?そうなると逆に今まで楽しめていたものが楽しくなくなってしまう。そう思えばここ1年は非常にアウトプットを重視するようになった。実はスタエフでニチアサ感想ラジオというものをやっていた時期もあった。これはもちろん言語化なので顕在記憶への移動は行われる。
 もしこれが本当ならこれからどんどん飽きていくんだなという絶望感を感じた。さらにこれを知ったことでこれはこういうことなんだなと予想をしだす脳になることが想像できる。反芻思考な私はこれってこの前本に書いてあったこういうことだなというのを結構思うのでじゃぁもう飽きちゃうかぁということを考え一々落胆する未来が見えてしまった。そういう意味での後悔だ。ただこのvisionがみれてるだけまだマシなのかもしれない。

終章

 どうでもいいが、この本に関する感想を書くのは非常に苦労した。言語化難しかったということだ。要は記憶の顕在化が難しかったとも言えるだろう。
 この本自体は面白い内容だ。潜在学習を基盤とし、脳科学、教育のお話まで広げている。これからの学習の参考にもなる本だと思う。
 ちなみに本書のタイトルの解は私は理解している。その解は自分でお確かめください。

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