アイドリングストップ機能について

アイドリングストップ機能について

【はじめに】

最近はアイドリングストップ機能が普通に装備されています。

アイドリングストップ機能について解説したいと思います。


【本当に燃費に効果があるのか?】

アイドリングストップ機能の搭載で燃費は飛躍的に向上しました。

実際にはどうなんでしょうか?
本当に良くなるのでしょうか?

イメージ的にはエンジンがキュルキュルと音を立てて、無理をしている感じがするので燃費が悪くなっているような印象をもつ人もいるでしょう。


エンジンのことをよく知っている人はエンジンの始動時に多くの燃料を投下されることを知っています。

エンジンの始動に燃費が悪くなっているのでアイドリングストップには意味がないと考える人もいるでしょう。

この始動増量は5秒間のアイドリングと同等の消費量です。

なので、5秒以上アイドリングをする場合には燃費が良くなります。

信号待ちなどで微妙な時間のときにはアイドリングストップをさせない(ブレーキやハンドルの操作でできます)運転をしてもいいでしょう。


【アイドリングの燃料消費量】

2000ccのエンジンで0.221cc/secの燃料が消費されます。

1分で13.66cc
1時間だと795.6cc
ひと晩(8時間)エンジンかけっぱなしだと6,364.8cc消費します。

45リットルの燃料タンク全てを消費するには56.56時間かかるので、かけっぱなしで寝てしまっても特に問題はありません。

しかし、睡眠時に誤ってDに入れつつアクセルを踏み、車両火災に繋がった例もあるので気をつけましょう。

出典:エコドライブ技術情報 省エネルギーセンター
https://www.eccj.or.jp/recoo/annai/page_annai02.html


【アイドリングストップの仕組み】

停車した時にアイドリングストップしても良いと判断するとエンジンが停止する仕組みです。

エンジンの停止は単に燃料カットをするだけですが、停止のための条件は複雑です。

主に以下の条件で動作します。
・アイドリングストップ機能のスイッチがON
・バッテリーの充電は十分されている
・エアコン設定温度と室内温度の差が少ない(エアコンは止めても問題がない)
・ハンドルを切っていない
・ブレーキペダルは十分踏み込まれている

この条件を外れるとエンジンがかかります。

バッテリーは再始動の電力確保の為
エアコンは快適性
ハンドルとブレーキペダルは交差点の右折待ちや駐車場の切り返しを想定したロジックです。


MTの場合はもっと簡素です。

・ニュートラルかつ停車時にエンジン停止
・クラッチ踏むと再始動

他に見ているのはバッテリーとエアコンくらいです。

最近はハイブリッドカーの普及でエンジンをかけなくてもエアコンをかける仕組みがあるので状況は少し変わっています。


【各メーカーの取り組み】

実装が一番早かったのはトヨタのクラウン(1981年 MTのみ)でした。

それから間を開けて初代ヴィッツのMC(2001年MTのみ)で復活を果たします。

以降AT車にもどんどん普及し、今やほとんどのメーカーがアイドリングストップ機能を実装しています。

その中でも特徴的な取り組みをいかに取り上げます。


〈スズキ エネチャージ/ハイブリッド〉

普通の車はスターターモーターというモーターを回してエンジンを回し、エンジンが回ったところで燃料を噴射してエンジンを回します。

エネチャージではスターターモーターを装備せず、オルタネーターをモーターとして使う事でエンジンを始動します。

この仕組みの為のオルタネーターはインテリジェントスタータージェネレーターという名前が付いています。

CMでもやっていますが、再始動の時のセルの音がしないので快適です。


〈マツダ i-stop〉

マツダはかつて再始動にスターターモーターを使わない方法を発表していました。(SISSと言います)

市販化はされませんでしたが、その技術が応用されています。

直噴エンジンの特徴を生かしています。

エンジン停止するときにオルタネーターを使い、ピストンを狙った位置に止めます。

再始動には圧縮行程のシリンダーに燃料を噴射する事で始動時間の短縮を行なっています。

始動はとても早く、0.35秒程で始動が完了します。


【あとがき】

アイドリングストップは快適性が損なわれる方向なので、導入当初は嫌がる人が多かったのですが、最近は当たり前になっています。

燃費の要請が強いことと、環境意識の表れでしょう。


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