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うちみずのおと -Uchimizu note- 第2回 子どもたちで打ち水!

「うちみずのおと -Uchimizu note-」は、これまで日本各地で行われてきた打ち水を調査しながら、さまざまな打ち水の風景・事例をご紹介する連載企画です。

暑い夏の日、友達と水辺で遊んだり、水鉄砲で水をかけ合ったりしたことはありませんか?みんなでワイワイ打ち水をすると楽しいのは、幼いころに体験した水遊びの記憶がよみがえってくるからかもしれません。今日はそんな懐かしい気持ちを思い出させてくれる、遊びあり、学びありの「子どもたちによる打ち水」の世界をのぞいてみましょう。

① 遊んで学べる打ち水イベント

最初に紹介するのは、栃木県下野市の「シモツケ大学」で行われた打ち水。シモツケ大学はいわゆる高等教育機関ではなく、地域の中に学びの場を創り出し、学びを通して地域社会と関わる目的で設立されたコミュニティです。

そんなシモツケ大学が主催した「打ち水大作戦2022」のテーマは、「みんなで涼しく楽しく過ごせる場所をつくる」。一日の中では、中高生のボランティアグループ「下野JLC(ジュニアリーダースクラブ)」の企画する、水鉄砲を撃って倒したペットボトルの本数を競う「ウォーターバトル」が行われました。

バトルで使われた水鉄砲は、参加した子どもたちが自分の手で作ったもの。下野JCLのメンバーは企画や運営を、参加した子どもたちは打ち水の道具をつくることで、お互いに「学び」と「遊び」のあるイベントになりました。
一日外で過ごした時間は、机に向かっているだけでは得られない、とても貴重な経験となったことでしょう。

② 小さな子でも、無理せず楽しく打ち水を

福岡県田川市の「田川市民会館」で開かれた「打ち水大作戦2016inたがわ」に参加したのは、保育園から小学校低学年の子どもたち。打ち水に使われたのはバケツやひしゃくではなく、水の入ったペットボトルです。子どもたちは「涼しくなった、もっとやろう」と、ペットボトルを抱えてはしゃぎながら打ち水を行いました。

誰でも手軽に始められる打ち水ですが、身体の小さな子どもたちにとって、水の入ったバケツや桶を長時間持つのは少し大変かもしれません。ペットボトルを使うことにより、楽しみながら無理なく打ち水ができそうです。

打ち水をすることで気温が下がる仕組みを理解するのはまだ難しいかもしれませんが、「水をまいたら楽しかった」「打ち水をすると涼しい」と感じた素直な気持ちが、大人になってから思い出されるといいですね。

③風情ある場所で学ぶ、昔ながらの夏の暑さ対策

東京都小平市にある、小平の歴史的建造物を集めた古民家園「小平ふるさと村」。同施設で「打ち水日和 in(イン)こだいら」のキックオフイベントとして行われたのは、夏休み親子環境教室「昔の暮らしから学ぼう 省エネと打ち水」です。

園内にある、明治41年(1908年)建築の「旧小平小川郵便局舎」で、参加者たちは親子いっしょに省エネや夏の暑さ対策について学んだ後、広場で打ち水を行いました。

昔ながらのお座敷に座ったり、木の桶やひしゃくを使って水を打ったりする体験は、子どもたちにとっては昔にタイムスリップしたような新鮮さがあったのではないでしょうか。
地元の歴史や省エネ、そして打ち水とたくさんのことが学べて、夏休みの自由研究にも役立ちそうです!


ということで、本日はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。打ち水の主役は子どもたちですが、そばで見守る大人たちの温かいまなざしも感じられる、素敵な取り組みばかりでしたね。この夏、学校や地域、あるいは親子で、子どもたちといっしょに打ち水をする参考にしてみてはいかがでしょうか?

次回は、打ち水をすると地面に描かれたイラストやメッセージが浮かび上がる不思議なアートについて調査した「『打ち水アート』大調査!」をお届けします。お楽しみに!


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