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おかえりケトルくん

一ヶ月ほど前に修理に出していた電気ケトルが戻ってきた。

彼はある朝突然、電源は入るのにタッチパネルが反応しなくなり、
お湯を沸かす力を失った。
全然元気だったのに、なんで?
分解する器量など自分は持ち合わせておらず、インターネットに同志を探したが、同じ悩みを持つ人間はいない様子。
メーカーに問い合わせたところ、修理をしてみる他にないとのこと。

電気ケトル、かなりお気に入りだったのでショックも大きかった。
タッチパネルで温度調節ができて、コーヒーのハンドドリップがしやすいように注ぎ口が細くなっているタイプのやつ。マットなブラックがオサレなかっこいいやつだった。
お気に入りと言っているが、思い返すと修理に持っていくまで何故か二ヶ月くらいかかっている。
自分でもわからない。何故なのか。

そんなオキニのオサレなケトルが、やっと我が家に帰ってきた。

原因は、内部に液体がついてしまっていたことらしい。
お湯沸かすんだからついちゃうもんなんじゃないの?と思ったが、やはり精密機械はデリケートのようだ。
これでもかとプチプチで梱包され袋から取り出すと、修理に送り出した時と寸分違わぬ姿でそこにいた。
汚れや傷が思った以上にそのままで、本当に分解されたのか?と思うほどだった。

奥さんが作ってくれた晩御飯のニラ玉、レンコンきんぴら、甘酢肉団子をうまいうまいと平らげたあと、早速ケトルの動作確認をしてみる。
ちゃんとついた!!
タッチパッドもしっかり反応して、温度の設定も難なくできた。
嬉しい。ケトルくんが帰ってきたんだ。
特に使うわけでもなくなんとなくお湯を沸かし、やっほう!と喜んだ。

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