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“3285の回想”【2013年後半】

6ヶ月連続企画


『結成二年で「名古屋クアトロ」ワンマンしたい』


結成して半年経ったくらいだろうか。
スタジオ終わりの駐車場。
メンバーとそんな話をしたんだ。
バンドを結成して誰もが一度は憧れる
クアトロでのワンマン。

「実現させるにはどうしたらいい?」

「毎月企画して盛り上げていく?」

「1年間?それは自信無いなぁ」

「じゃあ半年間やろう」

こうして
僕らは6ヶ月連続で自主企画をやることを決めた。

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当時と今を比較すると
自分たちが持っている選択肢は
少なからず増えたかなと思う。

しかし8年前。
結成当初の僕らの手の中には
本当に限られたものしかなかったんだ。

そんな未熟な僕らだが、人には恵まれていた。
心強い仲間が出来たのだ。
後にQaijffを語る上で欠かせない存在となる
名古屋アポロシアター(現アポロベイス)の皆さん。

「こんな企画を考えているんですが・・・(小声)」

と相談したところ

「面白そうだね、やってみよう(シャキーン)」

快く返事をくれたんだ。

今考えると
結成間もない実績ゼロのバンドに
ライヴハウスにとって大切な週末の日程を
6ヶ月もくれるなんて本当ありがたかったなぁ。

アポロの主な登場人物
・正義の味方、愛しかない店長野口さん
 (一見マジで怖い)
・当時ブッキング担当だった佐藤さん
 (謎に身体能力エグい)
・演奏のアドバイザー音響の誠一郎さん
 (目の輝きが永遠に小学生)


この御三方には特にお世話になった。
今もずっとお世話になっている人達だ。
本当に大好きな場所と人。
しかし
来年3月末で閉店することになった。

正直、まだ実感が湧いていないよ。
今月、森がソロワンマンやっているけど
僕もステージに立ちたい。
だから必ずバンドでもやります。

これは約束だよ、絶対だから。

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9年後の春に
閉店を迎えるだなんて
この時は誰も知るよしもなく
Qaijffの6ヶ月連続企画は2013年7月始動する。

企画タイトルは

for the future 0412

ゴールとなる「名古屋クラブクアトロ」は
2014年4月12日に押さえた。

当たり前だけど
ファンにも、そうじゃない人にも届くように
たくさんの場所に

ポスターとフライヤーを貼らせて欲しい 

と自分たちの足でお願いしに回った。

チラシの山

東山246スタジオ


(゚∀゚)・・・・・

若さ故に
判断を間違えたこともあったよ。
たしか、このお店にはお断りされたんだよな。
それもすべて自分たちの糧になったよ。
人に頼ることも大切だよね、でも

まずは自分でやってみる 


人の気持ち、仕事、優しさを理解する上で
それは大切なことだと今も思っているんだ。

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蝉の声が遠くから聴こえていた。
暑くて僕はスーツの袖をめくっていた。
幸宏が扇子を扇いで呑気に笑っていた。
森は口数が少なくてちょっと心配になった。

いよいよ始まる

アポロシアターの入り口を開け
会場入りするとき
妙に緊張したのを今も覚えている。
楽しみ半分、不安半分。
前夜は上手く眠れなかった。

僕らの夢と覚悟を乗せてvol.1が開催された。

この日出演してくれたのは

aquarifaとLOW-PASS。

aquarifa
はこの日初共演。

この曲が特に僕は印象的で好きだったな。

aquarifa 「switch」

高速ギターカッティングからの
バンドインがいつもピッタリで気持ちいいんだ。

aquarifa とはお互い

「バンド名が読みづらい(笑)」

そんな共通点もあり、すぐに仲良くなった。
この日をキッカケに以後
お互いのツアーに呼び合ったりするんだ。


LOW-PASSは僕が以前別バンドで対バン。
そこで一目惚れしたインストバンドだ。

こちらは最近の動画。
相変わらずイカしてるわ。


メンバー3人ともいい人なんだけど
特にBASSのシンディさんとは仲良くなった。
空きっ腹に酒YOU MUST SEE Iなど
シンディさんの別バンドとも
以降、交流するようになる。

僕が関西でリスペクトするベーシストのひとりだ。

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今だから言えるエピソード。
これも鮮明に覚えている。

このvol.1。

諸々の調整に時間が掛かった。
そしてライヴの詳細告知が
開催日1ヶ月切ってからになった。
なので正直、集客が心配だったんだ。

“出演してくれる2バンドに申し訳ない・・・”

“vol.1で転けたくないけど大丈夫だろうか・・・”

本番まで毎日、気を揉んでいたよ。
でも腹を括って
限られた時間で出来ることは全部やろうと思った。

そして本番。

僕らの必死さが音楽の神様に届いたか。

“満員御礼”

楽しかったよりも
まずはホッとしたよ。

自分の演奏はボロボロだった爆)

まぁでも
みんなが楽しんでくれて本当に良かった。

無事スタート。

ここから一気に進行していったんだ。


それでは
vol.2も同じボリュームで解説していく.......

....

と言いたいところだけど

言いたいことが多すぎて

全部書いていたらおそらく
この記事発表するの
再来週とかになっちゃうんだな。

昨日も矢継ぎ早に

「2013後半の記事まだ?まだなん?え?え?」

「いつになるのん?ねぇ?ねぇ?ねぇー!」


森のウノゼロ・プレッシング。

それが前頭前野を麻痺させて
僕の冷静さを奪っていく.....。

“明日までに投稿しないと
ストレスにより
森がラーメン屋で
ラーチャーセットを
食い逃げするかもしれない”

“どんぶりを胸を抱えたまま
名古屋の街を駆け抜けるかもしれない”


バンドとしてそれだけ避けたい!

了解しました。


それもあってだな

ここからは

その日のカラーがよく分かる

一言ハイライトでお届けするぜ。

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vol.2

めちゃくちゃ心地よいスリーマンだった。

vol.3

すげー濃い(笑)  純粋に楽しめた夜だったな。

vol.4

以後ツアーを回るバンドとの出逢いの夜に。

vol.5

明星の圧倒的なクオリティーにびっくり、興奮しまくった夜。

vol.6

師走だけどさ、熱すぎたんだよ。

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出演してくれた全13バンドのおかげ
そして支えてくれたアポロシアターの支えがあって
僕らは6ヶ月を走り抜けた。


対バンのライヴに感化され
僕らは常に120%で演奏していたよ。
そしてその中で
少しずつ自分達の音楽の在り方が見えてきた。

この期間
東京でのライヴや
大阪MINAMI WHEELにも初出演した。

渋谷eggman(2013)

「悔しい」
「まだまだだな」 

全国的な自分達の立ち位置も見えてきて
悔しさを痛感することも徐々に増えてきた。

自分達の強みや弱み、伴う戦い方も見えてきた。

今思えば
この頃、たくさんのことを吸収していたんだ。

もっと、もっと

色んな「もっと」が頭の中にあった。

でも
まずは目の前に掲げた目標に向かって進もう。

僕らは同じ場所を見つめていた。

初のクアトロワンマンまであと4ヶ月。




初の流通音源「Clock Hands/エンディング」リリース

12月26日

初の流通音源
「Clock hands/エンディング」

タワーレコード限定でリリースした。

ZIP-FMで番組をやっていたことをキッカケに
局内のレーベル「ZIP-NEXT」から
リリースすることになったのだ。

“初めてタワーレコードでQaijffのCDが並ぶ”

自分達の手を離れて
店員さんが愛を持って
ポップやコメントを書いてくれること。
それを自分達で読むこと。
お客さんに読んでもらえること。
そして買ってもらえること。
聴いてもらえること。

その一個一個すべてが
今も変わらず最高に愛しくてたまらない。
音楽をやっていて良かった。本気でそう思うんだ。

この初流通音源の展開は特に嬉しくてね。

マジでぶったまげたのを覚えているよ。

いや、本当に涙出てきたよ、今。
当時から応援してくれる人がいたこと。
本当に有難いよ。すごいことだよね。

当時と今を比較すると
世間一般的なCDの価値観
配信音源の価値観は違うけど
CDショップで展開してもらえる喜びは
何も変わらないんだ。
これからもそうだと思うよ。

僕はCDショップっていう場所が好きなんだ。

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初の流通音源発売に伴い

初のジャケット写真の撮影。


「ナチュラルな感じのやつやってー!」


「ジャーンって感じのやつー!」


「ストイックな感じのやつー!」



リクエストに必死に応える3人。

今見返すと、かなりぎこちない(特に内田)

でも初めての体験で、すべてが楽しかったね。

関わる人もちょっとずつ増えてきた。
出逢う人、音楽に愛のある人ばかりだったな。

この頃からお金の計算も増えてきた。
請求書の処理や
物販の管理なんかも僕が一手に担う。

ここで営業マンの経験が活かされたんだ。

(ちなみにこの時もまだサラリーマン)

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バタバタの毎日。
気づけば一年が経っていた。

大変なこともあったけど
毎日が楽しかったんだ。
だってさ、目標があったんだ。
クアトロワンマン。
そして
初のフルアルバム全国リリース
2014年、僕らは控えていたんだ。

夜遅くまで撮影した。
次の日、朝早いなんてこと関係無かった。
3人の生活、そのすべてがQaijffのためにあった。

何度も何度も繰り返し
自分達の姿を確認した。

その目線は目の前のフィルムじゃなく
この先の未来で輝く
まだ見ぬ自分たちに向けられていた。




【2014年前半へ続く】

最後まで読んでくれてありがとう。サポートは新しい音楽を届けるために、すべてQaijffの活動に使わせて頂きます。