A班「昆虫食はなぜ普及しないのか」オープンゼミ直前記事

A班です!
私たちは「昆虫食が普及しないのはなぜか」を研究テーマに研究を進めてきました!

はじめに、この研究テーマが決まった経緯について少しお話させてもらいます。
私たちの班では「将来的な食料不足」に初め興味を持っていました。

この問題を解決するには、必要以上に買いすぎたり、作りすぎたりして結局捨ててしまうといった食品ロスを無くしていった方が効果的なのではないかと考えていました。しかし、昆虫食が給食として出されていたり、栄養に優れていて将来的な代替食として注目されたりとこの問題に効果的かのような記事が見られ、なぜ昆虫食がこんなに推されているのかと疑問に思ったのが研究テーマを選んだきっかけです!
昆虫食のメリットは、高い栄養価で、環境に優しく、低コストで作ることができるというのが挙げられます。
このようなメリットがあるものの昆虫食の現状は、日本トレードリサーチの調査によると昆虫食に対して興味がある人は、1割に満たないとありました。食べたことのある人の割合は年代が上がるにつれて増えているものの多くても半分もいないこともわかりました。

では、なぜ昆虫食が普及しないのか。
一般的に日本で昆虫食が普及しない理由は「昆虫の見た目が苦手」「昆虫を食べる習慣がない」といった文化的な面から語られることが殆どでした。しかし、昆虫食として販売されているものは、粉末状にされ、せんべいやチョコといったものに加工され、形がないものもあるため文化的側面だけが普及しない原因ではないような気がしました。
文化的側面だけが普及しない原因ではないことに気づいたものの、他の原因を考えることが出来ず、一度研究が行き詰まってしまいました。そのことをゼミの時間で伝えると宇田川先生から『ワイドレンズーイノベーションを成功に導くエコシステム戦略』という本を読んでみたらどうかというアドバイスを頂きました。
この本には、普及を考える際のリスクとそのリスクに気づくためのツールが書かれていました。2つリスクがあり、1つがコーイノベーションリスクです。これは、あるイノベーションが単独では普及しえないというものです。例えば、サブスクリプションが考えられます。サブスクリプションは今では当たり前になっていますが、スマーフォンの技術向上、普及が無ければ音楽や動画を見聞きすることは難しく普及しなかったと思います。
もう1つはアダプションチェーンリスクです。これは、最終的な消費者に届くまでに関わる人が全員そのイノベーションを受け入れなければ、そのイノベーションは評価されるチャンスがない。つまり、普及しないということです。この2つのリスクから分かることは、提供者は最終的な消費者だけでなく、過程に関わる全てを考慮しなくてはならないということです。
ここまではリスクの話をしてきました。次にそのリスクを気づくためのツールを説明します。そのツールは価値設計図というものです。
価値設計図はサプライヤーからエンドユーザーに関わる人を図式化したもので、それぞれの段階でイノベーションが受け入れられるかどうかを視覚化し、受け入れてないところが見つかればそこをいかにしてその部分を○にするかを考えるのに使われます。
昆虫食の価値設計図を自分たちで考えてみたところ、製造する側は低資本で参入できることから積極的に昆虫食を作る一方で、販売側は今販売されている製品の代わりに昆虫食を販売しても売れる可能性が低いためこのイノベーションを十分に受け入れていない。この状況を理解できてない提供側のみが盛り上がってしまい適切なマーケティングが出来ていないことが普及しない要因の1つと考えられます。

A班では昆虫食の海外比較もしました。
アメリカの「Exo株式会社」「Aspire Food Group株式会社」で販売されているプロテインバーは昆虫食の持続可能性をアピールするよりもユーザーの直接的な購買動機となる「完全なプロテインとシンプルな成分を含む製品」であることをアピールしていることが分かりました。また、環境要素をパッケージに取り入れないことで1つの高機能食品として評価されるようにしています。しかし、日本の商品は昆虫食であることや環境に配慮した商品で社会貢献をしていることを押し出してしまっていることで実際に消費者が求めている味や機能性と合致していないことが普及しない要因と考えられます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上で研究内容の説明を終わりにさせていただきます。
オープンゼミ当日は、昆虫食のように良いイノベーションであるはずなのに普及しなかったものがあれば共有したいなと思っています。
皆様に会えるのを楽しみにしています!

★オープンゼミの詳細
【参加応募フォーム】

【日時】2024/2/5(月)18:30~21:00

【場所】
東京都港区六本木3-2-1住友不動産六本木グランドタワー8F「SmartHR Spaces」
アクセス等の詳細は以下のURLを参照ください。

https://note.com/smarthr_co/n/nb98cc2e19b21

詳細は参加者の方に後日メールにてお伝えいたします。

各種SNS
⭐️X(旧Twitter)

X · Udagawa_seminarフォロワー 200+ 人埼玉大学宇田川元一ゼミ (@Udagawa_seminar) / ...

⭐️facebook


こちらでいただいたサポートは研究費(書籍の購入や論文のコピー代など)にあてさせていただきます。