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起業・独立を思い立ったら読んでみてほしい話

芸やスキルで生計を立てていきたいけれど、起業・フリーランス・パラレルキャリアなど、どの方向へ進むべきか迷う人は多いと思います。

特に、どこかに所属していた状況から独立する場合、想像以上に様々な物に守られていたことを実感するでしょう。

それでも独立の道を検討する人もいたり、初めからフリーで始めたい人はいますよね。

ただ、そういう人でも、色んな本やセミナーで勉強はするものの、イマイチ具体的な心構えが分からないとか、逆にハードルが上がってしまった人もいるかもしれません。

さらにアーティストだと誰に相談したらいいかもわからない。
親族にアーティスト関係者がいたり、信頼できる相談先がある人なんてほんの一握りですからね。
しかも、フリーで活動し続けるアーティストなんてモデルケースも少ないし、「どうすりゃいいの?」みたいな状況の若者も多いんです。

僕のところには音楽関連会社の事業戦略や、アーティストの活動戦略、育成、マネジメントなどの相談が日々来るのですが、必ず伝えていることがあります。

「コロナ禍でそれどころじゃないよ」と思われる方も多いかと思いますが、前を向くために何をすればいいか、11の項目にまとめました。

少しでも参考になれば幸いです。


①経費の把握+投資の覚悟

独立してまず驚くのが「そんなに経費かかるの?」ということ。

交通費、会議費用、接待費、差し入れ代、オフィス代、通信料、プリント代、備品や消耗品など、とにかくプライベートを圧迫する勢いで経費がドバドバ流出します。

さらに、自分の知識や技能、守備範囲を広げるために、勉強する必要もあります。
どんなに優秀な人でも、社会で生きていくためには、常に高い質、最新の手法、結果を出す力が求められます。
iPhoneをアップデートしたり機種変するイメージですね。

とにかくこれまで会社が補ってくれていたあらゆることを、自分の責任で行っていく必要があるのです。

なので、よく飲みに行っていた人でも、そのお金や時間を、自分の食いぶちに繋げるために費やすようになります。

設備や環境に投資する人もいますが、ここが一番の注意点。

世間一般の人が必要だと言っている物でも、それは「自社」に必要なのかを正確に見極める経営判断が重要なのです。

そう。
あなたは個人とはいえ、経営者、社長、といった目線ですべてを考える必要があるのです。

オフィスや車両など持っているだけで出費がかさむ固定費や、費用回収に何十年もかかるような高額の設備や機材を購入することは、回収できない=負債にもなりえます。

一方で、それがあった方が信頼につながる業種なら、迷いなく費やすべきですね。

時には一般人が理解できない合理的な選択=経営判断をする必要があるのです。


②事業はパラレル前提でいい

あなたは経営者なので、その目線で自社の事業は何なのかを考えてみてください。

自分のメインスキルが音楽だとすると、どんな仕組みや役割があれば儲けが出るでしょうか?

現代の多くの事業の場合、メインのサービス1本槍で経営している会社はほぼ存在しません。

一見それだけで稼いでいるように見えても、たとえば音楽会社なら
・アーティストマネジメント
・イベント開催
・グッズ制作
といった事業を、自社のアーティストのためだけでなく、外部の会社からも依頼を受けておこなっていることがあります。

これだけでも事業が3つあるわけです。

ただし、これはたまたま近い領域の事業ですが、もっと遠い領域での事業を持っていてもいいわけです。
・事務代行
・イベントスタッフ
・講師
など。

職種を見ると、一般的なアルバイト求人でよく見るものもありますよね。
求人が出ている=足りていないということなので、自分の事業の一部にそういった仕事を取り入れるのはアリだと思います。

ちなみに求人サイトに求人を載せるにも何万円もかかることが多いですし、企業が社員を1名採用するために費やす合計費用は40~70万円くらいが相場です。
さらに派遣などは、派遣会社が30%以上の費用を手数料として取ることがほとんどです。

それに対してコスパと質と信頼で勝てるのであれば、企業にとっても嬉しい申し出となるわけです。

自分のスキルを棚卸して、何でいくらの収入を得るか、必要なアクションや足りていない資材は何か、コストはいくらか、何年でどう活動し年間でどう動いていくか、などの表を作っていくことをおすすめします。
これが俗にいう事業計画表です。

たとえば、100万円の商材を売っていたとしても、なぜその金額でなければいけないのかを論理的に説明できなければ、独立してからは商売ができません。
「それだけの価値があるから」「唯一無二だから」「流行ってるから」では通用しないんですよね。

一般的に、一人の従業員が会社にもたらす利益は、支払う報酬の3~5倍以上であるべきと言われています。
福利厚生費や保険料もありますからね。

つまり、あなたが月額20万円をもらっていたのであれば、60~100万円の売上を生むように、会社がしくみを作っていたのです。

これからはあなた自身の手で自分のためにこういったお膳立てをしなければいけません。
20万円を得るためには、いくらの経費を何に費やし、いくら売り上げなければいけないのか?

庶務や事務、ノウハウの習得のための期間や費用などももちろん念頭に置く必要があります。

今までの環境を事業主の視点で振り返ってみることは大切です。


③法人登記?フリーランス?

法人として登記するか、法人格の無い個人事業主として開業届を出すか。
はたまた開業届を出さずにパラレルワーカー(複数企業で働く)でもいいかもしれません。

法人の種別についてはこちらが参考になると思います。

信頼があれば大きな金額の仕事が取れるのか、定期的な収入を自分の事業で生めるのか、税金に対して元が取れるような収入があるのか、などよく吟味するといいかと思います。

ちなみに一人でやるか、複数人でやるかは、最後まで読んでみて考えていただくといいかと。


④再現できる実績をまとめる

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