自己分析の答えはいつも自分の外にある
「好きなことが見つからない」
「やりたいことが特にない」
そんな悩みを抱える人に比べると、やりたいことに貪欲になれる人は幸運かもしれません。
とはいえ、やりたいことで食っていきたい人にも悩みはあるんですよね。
芸やスキルを生業とするフリーランスは、新型コロナウイルスによる社会情勢にビビりまくってると思います。
僕だって怖いから、家で漫画読んで気を紛らわしてますよ。
そんな最近は、キャリア相談の件数も増えてきたので、その中で喜ばれている自己分析について書いてみようと思います。
「なりたい」か「ありたい」で人生の価値観を考える
例えば「年収1億円の男になりたい」と「好きなことをやる」は必ずしもイコールではないですよね。
年収1億円を稼ぐ手段は限られているし、その手段が自分の「好き」とは限らない。
むしろ「年収1億円稼ぐオレかっこいい」が目標なのだとしたら、手段にこだわらない方が近道だったりします。
この場合、なりたいと思い描く姿って、今の自分から大きく変化しなければいけないんです。
つまり「なりたい自分」の正体は、本来の自分ではない可能性が高い。
好きなことをして生きるというより、なりたい自分になるために、相当のこだわりや忍耐力が必要になると思います。
一方で、「どうありたいか」から考えてみると、また違う風景が見えるはずです。
自分がどういう家に住み、毎日どんな生活をして、どんな表情をしているかを想像してみてください。
それを実現するために必要なことは、仕事のやりがいや収入かもしれないし、プライベートの時間の確保かもしれない。
「なりたい」姿に比べると、「ありたい」姿の方が、今の自分の延長線上にあると思いませんか?
なりたい姿を目指すもよし、ありたい姿を目指すもよし。
それがあなたの人生の価値観のベースになるのです。
スキルの棚卸し
これは「活動戦略BOOK」に収録されているシートのひとつなんですが、特に一番上の「3つの柱」を考えてみてください。
柱を3つに分けていて、右がいわゆるライスワークってやつですね。
食うためにやる仕事。
左が芸での仕事なんですが、これもさらに3つに分けるのがポイントです。
受託仕事は、本来の目的じゃないけどスキルを生かせる仕事。僕ならボイトレとか研修講師かな。
アイデンティティは、自分が「本来はこれで稼ぎたいんだ!」という理想のもの。僕ならアーティストとしての歌。
ライフワークは、お金にならないとしても、一生やめないやり甲斐のあるもの。僕なら、何かしらの歌。あと教育です。
で、真ん中の柱には、この左右の柱を育てるために必要な作業を入れます。
レッスンに通うとか、セミナーに行くとか、デザインを学ぶとか。
実はここの目線が一番大切です。
ほとんどの人は、今ある能力や、今すぐ稼げることに全力でベットしてしまいますが、そうすると伸びしろが無くなってしまうのです。
今すぐにはお金にならないし、出費もかさむけど、真ん中の柱がなければ成長もありません。
これがカラになってたらヤバいと思って、何か新しいものを追加し続けてください。
これをやると、自分の価値観のもとで、何で稼ぎ、何を仕込んでいくべきか見えてきます。
課題こそ飯のタネ
「最初から仕事への情熱がない人のほうが、ある人よりも、幸福度・年収・キャリアなどのレベルが高くなる」という研究データがあるそうです。
どんな仕事をするにしても、その業界の知識を学んでいくうちに、不満や課題が見えてきますよね。
今取り組んでいることへの不満や課題が明確であればあるほど、稼ぎへの近道になります。
なぜなら、それを解決すること自体が飯のタネになる可能性が高いからです。
今やっていることの課題にストレスを感じるだけで終わらせず、「どうすれば解決できるんだろう?」を自分が主役になって考えてみるといいと思います。
これを上記の3つの柱に振り分けるとき、今の自分では足りない力があるのなら、真ん中の投資の柱に入れて、磨いていくといいでしょう。
適性は自分では分からない
今やっていることが、好きじゃなくても、嫌いじゃないということが大事。
ただし、嫌いとツラいは別なので、勘違いしないように。
続けていく中で、やたらと課題を見つけられるとか、それに取り組むことが苦ではないとしたら、もしかしたらそれがあなたの適性なのかもしれません。
自分で好きと思い込んでいると、その感情で強引に押し切れてしまうパワーがある反面、非効率だったり、他にもやるべきことがあるのに目を向けられなかったりもします。
そういう意味では、「好きなことをやっていきたい」というのは、とてもカロリーが高い生き方なのかもしれませんね。
さいごに
自己分析というのは、外の世界との関係改善や、自分の人生をより豊かにすることが目的ですよね。
その答えはいつも流動的で、自分の中から自然と湧き上がってくるものでもありません。
「こうしたらいいんじゃないか」
「自分ならこうするのに」
という一見ストレスに感じることも、あなただからこそ見える独自の視点なのかもしれません。
誰かではなく、あなたがそれを解決する側になれば、少なくとも今よりちょっとだけ、「好きなこと」や「好きな自分」に近づけます。
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最後までご覧いただきありがとうございました!
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ガリバー宇田川(アーティスト専門家)
メジャー経験のある現役シンガーで日本アーティスト協会代表理事。
アーティストの社会進出とキャリア形成の支援がミッション。
企業の採用コンサル、PR企画、講師育成などもおこなう。
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