ノーギャラに潜むチャンス

 僕は自分の出演料をしっかり提示します。
自分の価値を作ってくれた方たちの手前もあるので、決して安くありません。

 一方で、ノーギャラや格安のお仕事もバンバンやります。
とはいえ、基準はあって、僕が大切にしているのはこういうことです。

・お金ではない何かを得られ、それを生かしてお金に変える術を自分が持っている
・自分の価値を相手が理解している
・自分がやりたいことと関係がある

専門職の大人を1日拘束すると、3万円前後かかります。
なぜなら、必要とされる仕事をするからです。

ワンマンライブ200人、知る人ぞ知るアーティストとの共演、サポートやレッスンの実績など、同業者に評価されることでも、他の業界に響くかは別の話です。

実績はしっかり積み上げ、起用の効果やメリットを明確にしたり、理解ある関係者を増やしていくことも、アーティスト活動を続ける上で必要なことだと思います。

 僕はノーギャラの仕事こそ、やりたいことをやれるチャンスでもあり、自分の価値を示すチャレンジの場でもあると思っています。

・相手が求める仕事は何か?
・自分が欲しい報酬は何か?

 まずこの2点をササっと整理し、相手が求めることを100%満たすことを徹底的に考えます。

集客が100人欲しいのか、コンセプトに合うパフォーマンスが必要なのか、など、相手のニーズと向き合います。
必要なら代替案も出します。

 次に、「自分の価値」と「この活動が自分の他の活動にどう影響するか」を伝えたり、それに見合う報酬の形を共有します。
自分の中だけにとどめておくこともありますが、ビジョンを共有すると今後も味方になってもらえる可能性があります。

ステータスなのか、経験値なのか、やりたいことをやれるチャンスなのか、など、報酬の形を明確に定め、それを元にオファーを受けるかを決めます。

 あとは勝負のつもりで、パフォーマンスで自分の価値を示します。

この流れで臨むことで、ノーギャラやボランティアの仕事は、「ビジョンを伝え、自分の価値を知る人を増やせる手段」に変えることができるのです。


 僕は、ノーギャラの仕事をする上で、「相手にメリットを提示してもらおう」という考えは間違っていると思っています。

正直、代わりはいくらでもいるんです。
芸能界でもそうなんですから。

この仕事でお金をもらおうがもらうまいが、この仕事に意味と価値を自らつけ、他の場所でお金を生み出せるように料理する。
そんな能力がアーティストには必要なのだと思います。

プロモーションのためにノーギャラで出る、販売の場を作るためにノーギャラで出る、といった目的を相手に伝えれば、安く見られることもありません。

幅広い収益モデルを持っていることは、オファーする側にとっても、幅広いビジネスにつながる付加価値となります。

 逆に、一つのことだけを極めるアーティストも素晴らしいと思いますので、ノーギャラでは一切仕事を受けないプロフェッショナリズムを否定するものではありません。

ただ、それで成功できるのは、ほんの一握りの人です。
それを全てのロールモデルのようにして、表面だけすくって「ノーギャラの仕事はよくない」「自分の価値を安くしてはいけない」というのは、間違いです。

大切なのは「価値を作る」ことであり、そのプロセスには葛藤や苦悩もあります。
それを怠って通用する世界はどこにも無いのです。

僕は「多くの人が就ける、食える職業としてのアーティスト像」を作りたいと思っているので、邪道と思われるのを覚悟で書いてみました。

大前提は、冒頭の3つの条件です。


 最後に、武井壮さんの大好きな授業のYoutubeを・・・と思ったら、消えてしまったんで、書き起こしの記事をどうぞ。

武井壮の「大人の育て方」がマジ凄い!オトナの学校 【フルテキスト版】 http://kansaigaidai-alumni.com/tekeisou-otonanogakkou/


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宇田川ガリバー哲男

身体のハンディキャップを乗り越えてメジャーデビューを経験したアーティスト。日本アーティスト協会の代表理事として、アーティストの職業化を推進中。Umami+(ウマミタス)名義でクリエイティブワークも手がける。

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