見出し画像

自分のオリジナル作品集を出しました。ワッフルカートン1st EP 『残像に浮かぶ音』

3.4年前、所謂メジャーアーティストに曲を提供してしてからちょうど10周年が経つ頃に、それまでで自分ができるようになったこと、表現できるようになったことなどの総まとめも兼ねて作品集的にアルバムを作りたいと思っていました。

構想から4年(笑)、この度無事リリースを発表できる事になりました。そのタイトルはワッフルカートン1st EP 『残像に浮かぶ音』7曲のオリジナル曲です。

(リード曲動画)

ワッフルカートンという名前はソロユニット名的なやつで特に深い意味はないのだけど、『作編曲:古川貴浩』ってもはやアーティストの方々に提供しているのが本業で自分でもその印象が強くこれは別の活動なんだというあえて分けるつもりでそんな名前にしました。

EPのタイトル『残像に浮かぶ音』は収録曲『残像に浮かぶ君』から取りました。すぐ"残像"とか言っちゃうところが我ながら暗くて嫌ですが、自分の作品集なので良しとします。

ゲストボーカル

自分の好きな冨田ラボさんのスタイルを真似てゲストボーカルに歌唱をお願いしています。(『オーロラソースA子』(M1,2,3,4,5,7)、『A-S-K』(M6))
二人とも長らく自分の仕事に協力してくれている素晴らしい歌い手です。ちなみに二人ともコンセプトに巻き込まれ偽名です、このEPの時のみの名前で本来はちゃんとした名前で活動してらっしゃいます。

作品コンセプト

冒頭に書いたようにそれまでで自分ができるようになったこと、表現できるようになったことなどの総まとめが一つのテーマなので歌唱以外の作詞作曲編曲レコーディングからミックスまで全てを一人で行うようにしました。そして出来る事は全てやる事。レコーディングや打ち込みなどの熱量と品質はアーティストに提供するものと全く同じです。ミックスはエンジニアにお願いしたいという欲にかられながらもこちらも自分でやっています。

楽曲

収録曲のラスト『Appassionato』は一番EP用には一番最初に完成した曲です。当初提供用に作っていたのだけど、オーダーと全然違うものになってしまいボツったのだけど、そのまま闇に葬るのももったいないしこれ自分のEPにしちゃおうってのがEP制作の始まりでした。

それからはバリエーションを考えつつ、どんな曲を書こうとかは制限もないので本当にその時のノリで決めました。せっかくなのでどこも使ってくれなさそうだけど自分が好きな感じの曲の『寝言』や小難しいことがやりたいだけで作った『夜に落ちる』などの曲が出来ていきました。

どの曲も良くも悪くも自分らしい曲達だなと思います。

制作過程の話

全曲ともに曲を先に作ってから作詞のいわゆる『曲先』です。まずはピアノかギターでメロとコードを作りながらオケを入れる時のキメやリフなども考えiPadのボイスメモに録音。

1コーラス分できたらPro toolsを立ち上げてシンセメロとエレピでメロと簡単なコード弾き、決まりのフレーズなどを下書きをし、ドラムからリズムを入れていきます。ドラム音源はSUPERIOR DRUMMER 3が基本でエレドラ系はもはや出どころが思い出せない自分のオリジナルキットをKONTAKTやBatteryに読み込ませて使ってます。その後StylusやSpliceのループを足したりSEなどを入れリズムトラックを充実させつつフルサイズの構成をします。

大サビを作るときもこの時に作ります。打ち込み前にあらかじめ作るより、2コーラス分のリズムが出来てからその流れで作る方が"その曲が行きたい大サビ"が感じ取れるので自分の場合はこの作り方が好きです。

フルサイズの構成とリズムトラックができたらそのあとは大抵アコピを入れます。ベースからでもいいけど、ベースはどんなパターンにするかとかリズムの打ち込みの時にイメージが固まっていて脳内再生できるのでそれより未知な要素のあるアコピを先に入れます。

アコピが決まったらコードのガイドで入れていたエレピをOFFってベース→アコギ→エレキ→ストリングやホーンセクション→シンセとオケを充実させていきます。シンセが重要な時は先に入れたり、ピアノがない時は要のパートを先にしたり順番は前後しますが基本この流れです。ちなみにこの時点ではまだベースはライン録り、エレキはラインを確保しつつ最終的にならすアンプを使いUniversal Audio OXのキャビネットシミュを介した仮の音です。

オケのアレンジが固まったらメロディをもう一回確認してブラッシュアップしつつ歌詞を作ります。その後歌い手を召喚してディレクションしつつレコーディングし、時にはコーラスに参加して歌周りを録りきります。

その後ベースとギターをリアンプ(アンプでキャビネットを鳴らしてマイクで再収録)してオケが完成になりミックスをして完成という流れです。今回の7曲を同時進行にやることはなく1曲やりきってから次曲というペースでした。

大体はアーティストに提供するアレンジをやっている時にギターやベースのアンプをセッティングしているついでに自分のEPのリアンプも一緒にやってしまったり、ミックスまでやる案件で耳が敏感になっているのをそのままに自分のEPのミックスをしたりと何かしらに便乗して進めていました。

普段歌ものはデモ作るのもアレンジ発注いただいたものも短い期間で自分のできることは仕上げてしまうタイプなので、合間合間でちまちまと進めていくのは案外やったことはなくて逆に戸惑いました。『締め切りいっぱいウォリャー!!』の方が集中できますからね。でもそのおかげか俯瞰になれることも多くてこれはこれでいい経験でした。

機材

PC:Mac Pro 3 GHz 8-core macOS Mojave
Daw:ProTools (打ち込み、レコーディング、MIX)
audio I/F:Universal Audio apollo x16 & apollo 8 & apollo twin

Mic:
CHANDLER LIMITED / REDD MICROPHONE (Vocal)
NEUMANN / U47 FET I (Bass Amp)
SHURE / SM57 (Gt Amp)
Samar Audio Design / VL37A (Gt Amp & Agt)
Earthworks / QTC50mp  (Agt & Chorus)

HA:
AURORA AUDIO / GTQ2 (Bass Amp & Line)
CHANDLER LIMITED / TG2 (Gt & Agt)
Rupert Neve Designs / 511 (Agt & Chorus)

Comp:
WesAudio / Beta76 (Bass Amp & Agt)
CHANDLER LIMITED / TG OPTO (Gt)
Rupert Neve Designs / Portico II Master Buss Processor (Master Comp.)

EQ:
API / 550A vintage (Gt)
CHANDLER LIMITED / Little Devil EQ (Agt)

DI:
MANLEY / TUBE DIRECT INTERFACES (Bass Line)
Umbrella Company / SIGNALFORM ORGANIZER (Bass Line & Gt Line & ReAmp)

Cue Box:
Hear technologies / Hear Back OCTO

Monitor Speaker:
Foacl / Twin 6 BE
Focal / SHAPE 40
SONY / ZS-M5 (ラジカセ)

Headphone:
SONY / MDR-CD900ST(Umbrella Companyモディファイ)
Focal / Listen Pro


Instruments

Bass:
Fender / Jazz Bass 1965
Fender / Precision Bass 1966
Sugi Guitars / Night Breeze 5st order model

Bass Amp:
ORANGE / AD200B MKIII (Head)
ORANGE / OBC410 (Cab.)
Fender / BassMan 1966

Gt:
Fender / JazzMaster 1965
Fender Custom Shop / TBC 1959 Telecaster Heavy Relic
Gibson CUSTOM / ES-335

Agt:
Martin / HD-28V

最後に

自身の初めてのEPに今できる事をたくさん盛り込んでみました。聴いてくださる方に一曲でも刺さる曲があれば幸いです。

自分の提供曲での作風を知ってくれてる人には『こんな一面もあるんだ』とか全く知らない方には『こんな曲作る人なんだ』とか知ってもらえる機会になればいいななんても思っています。

次に2nd EPを出すことが歌ものであるのであれば、歌唱も今回の二人とは別の人も呼んでみようと思ったり。
あと知り合い、もしくはそれに近い方で録音に参加したいミュージシャンの方いらっしゃいましたら次回作に参加したいと言ってくださいー

長文失礼いたしました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

Prof.
古川貴浩:
HP:http://www5d.biglobe.ne.jp/~udonsky/
Twitter:https://twitter.com/udongirai

ベース 作曲 編曲 作詞 サウンドプロデュース
1979年6月25日生まれ
長野県上田氏出身、東京都在住

14歳よりEベースを始め、色々演奏。
現在は作編曲家、ベーシスト、
サウンドプロデューサーとして活動
ソニー・ミュージックパブリッシング所属

作曲、編曲、制作依頼などのお問い合わせは上記HPのメール
ソニー・ミュージックパブリッシング
お問い合わせから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?