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龍馬脳のススメ(茂木健一郎)【書評#170】

この本の著者の茂木さんはあまり仕事を選ばない方なのか、大量の本を書いている。おそらく茂木さんが関わった本は200冊を超えるのではないか。

それくらいの量の本があるとどうしてもあまり読む意味のないものも出てくる。その中の一つがこの本だ。この本は『龍馬伝』の人気にあやかった本で、龍馬がなぜ幕末にあのような活躍をしたかを脳科学的に説明している。おそらく、編集者が『龍馬伝』が大人気だから、龍馬に関係する本を書いてほしいと茂木さんに提案したのだろう。龍馬を題材にしてはいるが、書いていることは茂木さんの他の本の内容と変わらないため、わざわざ今になって読む必要はない。(なお、私は好きな作家さんの本はすべて読みたいので、茂木さんの本もできるだけ読む予定だ。)

 僕は、これからは「フリーランスの時代」だと考えています。
 これを「脱藩の時代」と言い換えてもいいかもしれません。
 つまり、これからは肩書きとか組織とか国とか、そういうものから解き放たれて生きる人が輝きを放つ時代だと思うのです。

p.29

 ブリコラージュ的な生命力は、多様でワイルドな環境のほうが育まれやすい。
 どんなことが起こるかわからない、偶有性の高い状態を生き残るには、いろんなことを想定し、自分の持つありとあらゆる手段を繰り出していかねばなりません。そういう環境にいる人は、いろんな回路を使って脳を変化させながら、強く、たくましく育つのです。

p.54

どんな話し方をすれば、相手の心をつかみ、その心を動かせるのか。(…)
そのポイントが、「自分のダメダメぶりを語る」「笑いとユーモア」「下から目線」といったことではないか

p.73

 自分の「殻」におさまっていてはダメ。自分から積極的に相手の懐へ飛び込んでいってください。そのちょっとした勇気によって、人は他人との交わり方を学習し、脳を成長させて、経験を積むごとに自分という存在を大きくしていくものなのです。

p.84

女性らしい柔軟性や感性的な判断、共感能力などを見習うことで、コチコチの男脳で堅苦しい常識の枠から自由になれるはずです。逆に、典型的な女脳だという人は、男っぽい論理構築を意識するようにしましょう。

p.100

運と出会いを引き寄せる「3つの行動のコツ」
①寄り道や遠回りを嫌がらないこと。
②ひとつのことではなく、いろんなこと、複数のことをやること。
③そのどれに対しても一生懸命集中して取り組むこと。

p.107

セレンディピティに出会ったようなときは、どちらかといえばあまり考えずに、自分の「無意識の声」に従うほうがいい。「今だ! チャンスを逃すな! GO!」という無意識の声に耳を傾け、直感的な行動に出てしまうほうが、「偶然の幸運」を手につかむパーセンテージが高まるのです。

p.117

自分の「本心」(無意識)は素直に行動したがっているのです。ですから、行動するために「エネルギー」なんて、ためる必要はありません。誰にでも、十分に備わっているのです。単に、行動の邪魔をする「意識」の抑制をはずせばいいだけ。

p.120

「ネオフィリア」(「子供らしさ」)を大人になっても残している人は、とても脳がやわらかい人。それに、仕事や人生などの何が起こるかわからない「偶有性」を、心の底から楽しめる人なのです。

p.160

 ひとつのテーマをウワーッと一気に深く学んで、その熱がさめたかと思うと、また別のテーマをウワーッと集中して学んでいく。脳にとっては、そういうふうに、いろんなこと、新しいことを、短期集中的に次々に学んでいくのがとてもいいんです。

p.170

ひとつの「文脈」に縛られるのではなく、複数の「文脈」を行ったり来たりできるほうがモテるということ。なぜモテるのかと言えば、いろんな「文脈」に対応できるということは、その人にそれだけの適応力の幅があるということだからです。

p.183


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