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『ゲンキジャパンを10倍楽しむ方法』第3回:ゲンキジャパンとは何か?(後編)

初めに

さて『ゲンキジャパンを10倍楽しむ方法』、第3回目の投稿となります。

「地蔵、お前もっとワシらをカッコよく書かんかい!」というゲンキやジュンペー達からの猛烈なプレッシャーを受けながら (ないない、そんなプレッシャー全然ない、笑)、やっと後編までこぎ着けましたー。

今日 (18日の祝日に執筆) は天気もええし、大学生と不倫中の嫁はんの目を盗んで渋谷にストナン行くつもりやったんですけど、我慢して家で書きまくりますわ。

今回は前編中編を受けて、ゲンキジャパンの特徴である"尖がった魅力"を、さとり世代らしからぬ"古き良き尖り"を鋭角にお伝えしますー。


キーワード③ "格上"とコラボしない

※注:この項で使う"格上"というワードは、"面白さ"の上位を示すものでなく、あくまで"数字"の上位を示すものです。

嘗て「尖りこそ"若者のすべて"」と断言したのは映画監督のルキノ・ヴィスコンティではなく、若き日の有縁地蔵だったのは知る人ぞ知るどうでもいい話です。

若者の中でも特に若手芸人などは昔から尖ってナンボなところがあり、無名の頃の出川哲郎が"切れたナイフ"、大阪時代の千原ジュニアが"ジャックナイフ"と形容されていたのは全国のお笑い好きには周知でしょう。

もっとも、前者はネタ感満載で、後者も「今はもうバターナイフやけどな(笑)」と自虐ネタとして語られる機会が多いですが。

おのれの才能を信じ、自らが飛び込んだ世界で一番を目指す若者は、権威として君臨する上の世代の"王"に噛みつき玉座から引きずり下ろす。そして必死の思いで王になった自分もまた、年月の経過と共に才能と野心を秘めた若者にその玉座を追われる……

人類が誕生して以降、絶えず繰り返されてきた世代間闘争の歴史は当然日本のYouTube界にも当てはまるはずです。視聴回数はお金、登録者数はステータスと結びつき、二つの"数字"の多寡で新世代&旧世代のYouTuber達は文字通り一喜一憂する。スパイダーメン (ヴァンビ) の登録者数1000万人達成やコムドットの登録者数400万人割れを巡る悲喜劇は、改めてYouTube界で数字の持つ圧倒的な力を見せつける出来事でした。

素人の自分は強迫的に数字を追い求めるYouTuberの過酷な世界を時に不憫に思ったりするのですが、現在は僕自身もこの数字を巡るレースに自発的に巻き込まれにいってる訳です。何故ならこの長さだけが取り柄のゲンキジャパンの考察記事も、元はと言えば彼らの実力に比して再生回数などの"数字"が見合っていないと感じたのが執筆に到る動機でした (第1回の"初めに"を参照)。

もし現在のゲンキジャパンが登録者数100万人超えで、再生回数のアベレージが30万のチャンネルならば、自分も流石にここまでの記事は書いてないです(笑)『ゲンキの居ぬ間にストナン』とばかりに、カリスマが留守中の渋谷で伸び伸びとナンパに明け暮れるか、欧州サッカーの考察やNTR系エロ同人のレヴュー、または19世紀のフランス文学の印象批評などをこのnoteに書き始めていたでしょう。

それでは数字を貪欲に追い求めるYouTuberが手っ取り早く数字を増やす為にどんな工夫をするのか?誰もが直ぐに思いつく手段が二つあります。数字を持ってる大物YouTuberとのコラボか、お金をかけたプレゼント企画です。

ただ安易に数字を伸ばせる格上とのコラボを頑なに拒否する変わり種のYouTuberも中にはいます。

「お待たせ致しました、お待たせしすぎたかもしれません。」

はい、やっとここで全裸監督の村西とおるではなく、ゲンキジャパンさんの登場ですー!!(笑)

ゲンキジャパンと言うか、ぶっちゃけジーニアスなジュンペー監督がたとえ数字を持っていたとしても、自分が面白いと思わないYouTuberとは頑なにコラボしないんすよね。ナイスです。

厳密に言えば、あやまんJAPANや元AV女優の蒼井そらに上原亜衣、レジェンドAV男優の森林原人に格闘家の朝倉海やYA-MANなど、知名度のある有名人とのコラボはたま~にあります。ただ、動画投稿を本職にしているガチ系の大物YouTuberとのコラボは一切ないはずです。

そこは第2回のキーワード①「俺はYouTuberなんて嫌いだ」で詳述したように、我らがでしゃばり裏方の確固とした方針なのでしょう。

「なんぼ数字持ってるからいうて、しょうもないYouTuberと何回もコラボした結果、そいつらをオモロいと思ってるファンがようさんウチのチャンネルを登録しても全然嬉しないし、なんなら恥ずかしいわ。俺らは自分を偽ってまで数字が欲しくないけん。どんだけ遠回りになっても自分達のオモロい企画と演者の力で登録者と視聴回数を増やしたいんよ。やけん、どうしてもコラボするなら登録者数なんか度外視して、俺がホンマにオモロいと思うYouTuberとだけコラボするわ。」

一瞬、LAで名建築を鑑賞中のジュンペーの霊が憑依したかのように雄弁に語ってしまいましたが、「地蔵、話を盛りすぎ。そこまで思ってないわ!あと博多弁ヘタすぎ」とPからダメ出しが入るかもですね(笑) ただ憑依文の一番最後を読んで、あのコスモハイツ205を想起した読者の方は結構いるのではないでしょうか。

コスモハイツ205が大量に頼んだスシローのお寿司

コスモハイツ205は大家 (岩永君) 、しんいち、マツバラという関西出身の男3人からなるグループYouTuberです。

コスモを僕なりに形容すると、笑いの死神に魂を売った3人組、エンタメの悪魔に生き血を捧げた影のある3人組て感じです(笑)

尖りを中和するゲンキジャパンのようなマイルドさを削ぎ落し、ある種の"隙"から生まれる親しみやすさを拒絶した、ソリッドで笑いにストイックな極めて芸人ぽい手練れの集団ですね。

現在も続くゲンキジャパンとコスモハイツ205との親密な関係性、両者のコラボの歴史は2021年8月まで遡ります。約2年前の当時は、ゲンキジャパンの登録者数が20万超、コスモが3万人くらいの規模でした。※現在のコスモの登録者数は14万人 (2024年4月24日現在) 。

ゲンキジャパン側の動画の冒頭でコスモとコラボした経緯の説明が入るのですが、これが実に興味深い。ジュンペー曰く、「今まで僕が会ってきたYouTuberの中で一番面白い」「何ならコラボすることでゲンキジャパンの視聴者を盗られちゃうかもしれないので怖いとも思ってる」「コスモは完全に(ゲンキジャパンの)上位互換」など、登録者数という尺度で測るなら、その差が約7倍という格上のYouTuberの方が実に楽しそうにコラボ相手の凄さを語っているのです。

確かに数の優位からくる余裕もあるでしょう。ただそれ以上に画面からは本当に面白い奴らと共演できるジュンペーの嬉しさが溢れているように見えました。スゲー面白い奴らなのでもっと世に知られて欲しいという、まさに今僕がしている"推しを推す心理"に、ジュンペーがこの時なっていたようにすら感じます。

殆どのYouTuberを面白くないと思っているジュンペーにとって、"自分が本当に好きなYouTuberとしかコラボしない"という拘りは、この世にゲンキジャパンとコラボするYouTuberがレア中のレアであることを示しています。そんな激レアな存在であるコスモハイツ205とコラボしている時のジュンペーは、いつも超絶楽しそうに見えます。

何も登録者数や視聴回数を増やすことだけがコラボの目的ではない。自分がリスペクトするYouTuberとの楽しくも緊張感のある共同作業もまた、得難いコラボの目的であると、ゲンキジャパンのコラボに対するスタンスは観る者にそう訴えかけているようです。

この項の最後に記念すべきゲンキジャパンとコスモハイツ205との初コラボ動画2本を添付します。コスモは何とこの時が"コラボ"の初体験だったようです。まだお互いに遠慮が見られる初々しい関係性が見もの(笑) 両方とも楽しい動画なので必見です。

2021年8月29日のゲンキジャパンの投稿動画『【衝撃映像】イケメンに本気でナンパされたら仕事中でもついていく?-パシフィックヒム-』

2021年8月29日のコスモハイツ205の投稿動画『ゲンキジャパンのちゃんゆうナンパしたら○○エッチ誘われました【#96】』

キーワード④ やらせは厳禁


『愛する二人別れる二人』『ほこ×たて』
『発掘あるある大辞典』『クレイジージャーニー』

突然ですが、上に挙げたテレビ番組の共通点てなーんだ??

はい、全部やらせが原因で打ち切りになった番組ですね。

ただ『クレイジージャーニー』だけは終わらすには惜しいという事なのか、その後に復活しています。

テレビ番組に限らず、有名YouTuberも動画内のやらせがネットニュースになる事がありますが、せいぜい当該動画の削除⇒謝罪⇒謹慎程度で、チャンネル閉鎖まではいかないですね。これはテレビのように番組スポンサーが付いていない事が大きな理由なんでしょう。

リアル (現実) を謳う事で視聴者はコンテンツに興味を持つが、本当にリアルなままだと興醒めしてしまうケースが多々ある… いや、難しいですね(笑) この"リアルであるが故の味気無さ"という残酷な一面がある限り、世の中から"やらせ"は消えないでしょうね。

虚実を巡る問題も対象が"芸事"であるならば、近松門左衛門の至言『虚実皮膜/きょじつひにく』を引用してドヤ顔しとけば大抵は片が付きます。

虚実皮膜は近松の芸術論で『芸の真実は虚構と現実との微妙なはざまにある』とするものです。

ただ、やらせ(人為)が前提の芸術と違い、ドキュメンタリーとなると近松の至言も適用外になってしまう。もっとも森達也のようなノンフィクション作家にかかると、事実の記録であるはずのドキュメンタリーでさえも、編集などに制作者の意図が入り込み、一種の嘘をついてしまうことがあるとくる。

うーん、困りましたな(笑) となると、人為が前提の芸術のみならず、事実の記録であるはずのドキュメンタリーにも近松の至言が当てはまりそうです。

『ドキュメンタリーの真実は虚構と現実との微妙なはざまにある』

なんか、しっくりきますね(笑) やはり数世紀を経て生き残った箴言は恐ろしく射程が深いと唸るばかりです。

うん?なんか太平洋の向こうから誰かの声が聞こえるな…

「おーい、地蔵さん! ちゃんゆうでーす。なんか一人語りに夢中になって調子こいてるけど、ゲンキジャパンのこと忘れてませんか?これウチらを語るnoteでしょ? ジュンペーがさっきからモンテクリストをプカプカ吹かして苛々しまくってるよーww」

分かってますがな、ゲンキジャパンの皆さん。こっから"やらせ"についてゲンキジャパンと関連付けて語りますがな。まー見てて下さい。

地蔵の軌道修正に成功し、ダブルピースのちゃんゆう

こだわりのプロデューサー、ジュンペーはやらせが大嫌いです。

ゲンキジャパンがナンパでもプランクでも素人の生きた反応を何より大切にしているのは、メインの動画を観たことがある視聴者には話すまでもないでしょう。ジュンペーにとっての"リアルな動画"とは、この素人の生きた反応をどこまで妥協せずに撮れるかにかかっているはずです。

女の子の仕込みなどはもちろんNG。カメラに気付かれない遠くから女の子の素を隠し撮りするのがマスト(全てかどうかは不明だが、ナンパやプランク終了後、女の子にはYouTubeの撮影であると告げ、動画を公開して良いか確認している。このいわゆる"ネタバラシ"のシーンは時々動画の最後に付け足されています)。もちろん森達也的に細かく突き詰めると、最終的には編集などに制作者の意図が入り込んでくる訳ですが、素人のナマい反応を妥協せずに撮る点に於いて、ゲンキジャパンにやらせはないと信じてます。

とは言え、もし嘗てのヒカルにみたいにやらせが露見したら、ゲンキジャパンのファングッズ (あるの?) を全部捨て、ヲタ活をやめるヲタが続出するかもですが(笑) まぁグループのマインドが根本から変わらない限り、やらせはあり得ないでしょう。ね、ジュンペーさん?

もっとも、このやらせを拒否る姿勢というのは、ゲンキジャパンに限らず他のYouTuberの中にもあると思います。プライドを持って動画を撮ってる志(こころざし)の高いクリエイターは沢山いることでしょう。

数字に直結する結果だけを拙速に欲しがって大切な過程を端折り、タイパ&コスパの誘惑に屈してやらせに走ってしまう。そういったやらせの誘惑に負けず、誠実にオモロい動画を撮ってるYouTuberは全員讃えたいですね。

その代表例が推しのゲンキジャパンという事でこの項は締めさせてもらいます(笑)

最後に

さてさて、前中後編と続いた『ゲンキジャパンとは何か?』の三部作、いかがだったでしょうか。度重なる脱線を経て、漸く終わりまでこぎ着けました。様々な夾雑物が取り除かれたゲンキジャパンの生の魅力を感じ取って貰えたら嬉しいですね。それならばストナンを我慢して家に籠ってコツコツ書いてきた甲斐があったってもんです(笑)

しかし帰国後に新宿か渋谷で撮影中のゲンキジャパンに偶然遭遇でもしたら、ゲンキは甘いもの、ジュンペーはピザ、人間は焼肉のランチ、ちゃんゆうは、、"遠慮のかたまり"でも奢ってくれへんかな?(笑)

最後の最後に付言すると、ゲンキジャパンって、大切にしているこだわりが幾つもあることで、大成するまでの道のりを凄く遠回りしているグループ、凄く損してるYouTuberだと思うんですよね。

ただこのこだわりがあるお蔭で、他のYouTuberが決して持ちえないユニークな魅力が生まれ、その魅力こそが無名の素人に長ーい考察を書かせるだけのパワーを引き出してくれるのでしょう。

このnote、有り難いことにゲンキジャパンのメンバーも読んでくれているようなので、Trans-pacific! 太平洋を越えてLAで撮影に励んでいる新生ゲンキジャパンへの力強いエールになれば言う事なしです。

それでは『ゲンキジャパンとは何か?』はこれにて終了ですが、『ゲンキジャパンを10倍楽しむ方法』はまだまだ続きます。次回からは各メンバーのパーソナルな魅力を計4回に分けて省察していきます。

ゲンキ⇒ちゃんゆう⇒人間⇒でしゃばり裏方の順番になる予定なので、引き続きご期待くださいー!!

※注意:著作権者(有縁地蔵)からの許可無く、掲載内容の一部およびすべてを複製、転載または配布、印刷など、第三者の利用に供することを禁止します。

【メインチャンネル】

チャンネル登録者数 45.3万人 (2024年4月24日現在)

【サブチャンネル】

チャンネル登録者数 4.41万人 (2024年4月24日現在)

【ラジオ 鯨の大爆発 (ジュンペー出演) 】

毎週水曜日20時頃の週1回配信。

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