INTJとジョブ型雇用と高卒と少子化の話

最近タイトルにゴリ押ししているくせに全くmbtiの話をしていない。ネタがない。

私の会社は厳密に言えば違うのかもしれないが、ジョブ型雇用をやっている。したくてしているわけではない。田舎の中小企業だから、抜けた穴をピンポイントで埋めるためにそうならざるを得ない。
部署を超えての配置転換は想定していない。営業で入社したら定年まで営業。人事なら定年まで人事。むしろメンバーシップ型雇用をする利点がない。
欧米ではジョブ型雇用が主流のようで、先進化を西洋化だと勘違いをしている人は、ジョブ型雇用を推しているようだ。
私は日本以外のことは知らない。だから欧米のジョブ型雇用の実態とは違うかもしれないが、思うことがある。

私の懸念を書いておく。間違っていることがあれば、ぜひコメントしてほしい。

1.バイトに行かなければ生活できない大学生はインターンに行けなくなり、就職が困難になるのではないか

まず、ジョブ型雇用をする会社としては、同じ新卒を雇うならインターン等で経験がある学生を雇いたい。同業他社ではなく、自社でだ。
仕事の能力だけではなく、人柄や自社のカラーや先輩社員たちとの相性も見たい。企業は社員に辞めてほしいとは思っていない。人材の確保は常に課題なのだ。
バイトと学業をなんとか両立している学生は、夏休みは稼ぎ時だ。なるべく生活費を稼いでおきたいだろう。だが、ジョブ型雇用が主流になれば、夏休みは今よりインターンに行く時間になりはしないか。
バイトをしないと生活が成り立たない学生は、就職難民にならないのだろうか。

2.最初の就職に失敗した場合人生詰むのではないか

インターンに行けなくて志望の就職先に行けなかった人は、自分の入れた企業で経験を積みながら転職を狙うしかない。
ジョブ型雇用主流になると救われるパターンは「A社の企画設計にはなれなかったが、B社の企画設計にはなれた」パターンだけではないか。企画設計自体になれなくて別の職種に就いた場合、経験を積めないので転職自体が今まで以上に困難になるのではないか。

今でも未経験の職種の挑戦は簡単ではないが、雇ってみてダメそうなら配置転換で他の部署に回すことができる。だが、ジョブ型雇用でそれが通用するのだろうか。
私は今の職種の資格だけ持って未経験で入社したが、その手のパターンは可能なのだろうか。

3.今よりも家庭の経済格差がダイレクトに子に直撃するのではないか

私が最も書きたいのは、ここだ。
私は高卒で社会に出た。これは家庭の経済状態とは関係がない。高卒で社会に出ると転職をしようとする時、本当に困る。四大卒以上の募集が多いのだ。
資格を取ろうとしても四大卒の壁や経験の壁はある。美大や音大卒が社労士の資格に挑戦できるのに、なぜ高卒はダメなのか。謎だ。

高卒や中卒は、大卒と違いインターンには行けない。工業高校や農業高校で元々就職に強い高校なら別かもしれないが、普通科の高卒や中卒はどうやって就職をすることになるのだろう。
大学の無償化をすると言っても、進学にかかる費用は学費だけではない。卒業するまで学生となった子の生活を支えることができない場合、どうすればいいのか。

大学に行かせられないのに子を作る方が悪いと言えるほど、日本の少子化は改善したのだろうか。
私はむしろ、中卒や高卒でも就職しやすくするべきだと思う。大学の費用や4年間の生活費を必要とせずに社会に子を送り出せるなら、子が経済面で困ることなく自立できたら、少子化は少しは改善するのではないか。

ジョブ型雇用はこの考え方に対立する。
中卒や高卒で社会に出たら、誰にでもできる経験の必要のない仕事に就くしかない。そして、他の経験が積めず、一生低賃金で働くしかない。さらに、外国人労働者に仕事を奪われる可能性もある。
ジョブ型雇用では、コンビニバイトから社員になりいつか本社へ、という夢も見られない。本社には本社に採用すべき人材が入社してくるからだ。

低賃金で働く中卒や高卒は、結婚して子ができた時、十分に教育費をかけられるだろうか。子を大学に行かせられるだろうか。その子は、経済的に自立できるだろうか。そして、その子は結婚できるだろうか。子は作れるだろうか。
経済格差と教育格差がさらに広がり、固定化されてしまうのではないか、と私は懸念している。

私の思うところは、こんなところだ。
中卒高卒でも経済的に自立しやすい世の中になったら、世の中に絶望して不良になる子どもも多少は減るかもしれない。
15歳で毒親から経済的に自立して逃げられる世の中と、毒親が大学に行かせてもくれないし就職も働くことも困難な世の中なら、前者の方が希望を保ちやすいだろう。

ここまで書いたが、お気づきの方もおられるだろう。先進七カ国の中で、最も大学進学率が低く最も貧困率が高い国は日本だ。
この記事の内容がただの妄想で終わればいいと思っている。

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