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愛されて遠く

遥か遠く あなたの記憶が 旅をするのは
あなたが 一番 愛されていた時



深海の奥深く 眠り石
繰り返す波 汀と流木

夜風の笛に誘われて 歩いた小道に
宵待ち草が 手を振って

素知らぬ顔で 通り過ぎても 振り向くと
君が 焦がれて待っていた


懐かしく 潤んだ瞳で 待っていた
幼すぎて二人 交わす言葉も知らずにいるのを


月は知っていて 二人の影を落としてる
昼間 よけて通った水たまりに 
夜はやけに静かに 写す星空が澄み渡り
僕たちだけの 劇場みたいだ


こんな 他愛無い 一コマに 君がいて
僕を優しく包んでしまう

好きだよ 大好きだよ

そう言うと
泣いたんだ



思い出は 赤い実になり ツグミが食べる
いい声で鳴きながら 僕たちにお礼を言った

なんで素晴らしい 朝なんだ
夢から覚めて 窓を開けた そしたら

そしたら 声がする
閃光のような 声なんだ



僕の
隣に 
君がいる


このままで 奇跡みたい


時間よ 止まれ このままで





2024/02/02teo














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