ヴィレバン行く?

 休日の何もない日、とりあえず街に出てみる。さて何をしよう。映画でもいいけど見たい作品はない。カフェでもいいけどもう飽きた。ウィンドウショッピングもし終わった。さてどうしよう。

 じゃあヴィレバン行く?

 そうなる場所。遊べる本屋ことヴィレッジバンガード。地方には主要都市に一つくらいしかないけど、サブカル好きがこぞって集う変な場所。そう、「変な場所」としか形容のしようがない。本屋でもあり、雑貨屋でもあり、服屋でも駄菓子屋でもある。

 あの独特の匂いに、黄色いPOP。言っておくが、決して安くはない。ネットで買った方が断然安いものもある。

 それでも、売っていると手に取ってみたくなる。新たな発見に胸躍らせ、買ってみたくなる。本もお香も謎のお菓子も。買い終わった後、白と青のビニール袋を手に持って、悠々と歩く。早く家で開けてみたい。我慢できなくなったらドトールでコーヒーを飲みながら眺める。そして一人で笑う。

 時間の使い方は人それぞれだけど、いわゆる変化空間を確保できることに喜びを感じる人もいる。僕はその一人である。ドグラマグラ、手塚治虫先生、AKIRA、RATFINK。なんだこれ。ヴィレバンに行かなければ出会っていなかったポップカルチャー。出会いは偶然。いつ何があるのかは分からないけど、その可能性を増やしてくれる場所は必然。悪くない。

 今は無くなってしまった地元のパルコ店。上京してからは吉祥寺、立川、下北沢、高円寺。最近は新宿ルミネ。

 どこにいっても宙に浮いている店。狭い店内に所狭しと並んだモノ、物。全然そんなことないんだけど、自分が少しだけ特別になった気がする場所。店から出ると少し寂しくなる。また来るよって。


#このお店が好きなわけ

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