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涙が出そうで出なくて、やっぱり出そうで

いよいよもう手を離さなくちゃ、と決めた。

ホッとしたような、でもやっぱり寂しいような。
苦しかった記憶があふれ出てくるような。
でも、もう振り返らなくていいような。

私がただの私でいることをゆるされたような。
ようやく解放されたような。
でも降ろしていた錨が迷子になったような。

ぽっかり心に穴が空いたような。
でもようやく深く息が吸えるような。

ただただ苦しいことだらけだった。
書いても書いても書き切れないね。

でも、全部これでよかったのだと思う。
正しいかどうかはわからない。間違ってなかったと思う。

自分に突き刺したナイフは、なかなか抜けなかった。
抜くときの痛みが耐えられなかった。

もう自分にナイフを向ける必要は
なくなったね。

誰にもナイフを向ける必要は
なくなったね。

私は今日もヘンな写真を撮って遊んでるよ。
ゆらゆらと漂うキラキラした埃を撮りたかったんだ。
やっぱりうまく撮れなかったけどね。

永遠に残したいけど、残せない瞬間を
私はこれからもたくさん見つけていくよ。

私のところに生まれてきてくれて
本当にありがとう。

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