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001. ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言 / 長谷川和夫

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認知症の診断に使われる認知機能検査の代表的な「長谷川式簡易知能評価スケール」を開発した、認知症医療の第一人者である長谷川和夫さんの本。

88歳の時自らが認知症であることを公表し、認知症の人がより生きやすくなるために講演会や著書を通じて発信していった。

特に「パーソン・センタード・ケア」つまり

”ケアを必要としている人と同じ目線の高さにたつ”

ことの大切さを普及させようとした。


この本の中で著者が好きと明言している「パーソン・センタード・ケア」の原点となる話がある。

”公園を歩いていた小さな子が転んで泣き出してしまった。すると4歳ぐらいの女の子が駆け寄ってきて、助け起こすのかと思ったら傍らに自分も腹ばいになり、にっこり笑いかけた。泣いていた子もつられてにっこりした。女の子が起きようねと言うと小さな子はうんと言い、2人は手をつないで歩いていった――”


他にも

”認知症になったからといって、突然人が変わるわけではない。
昨日まで生きてきた続きの自分がそこにいる。”

といったような、著者が認知症になったから見えてきた世界について語っており、家族だけでなく社会がこれから先どのように関わっていけばいいか考えるきっかけになった。


まとめ


私には認知症になった両親がいる。どう両親と向き合っていけばいいのか、どうすれば生きやすくなるのか日々考えている。そんな中、2025年には団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる日本社会において、"ケアを必要としている人と同じ目線の高さにたつ"ことが、認知症の人、その家族だけでなく、社会全体が支えていく上で今後より重要になってくると思った。


タイトル:ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言
著者:長谷川和夫
出版社:KADOKAWA
発売日:2019/12/27

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