【ブックレビュー】森博嗣『歌の終わりは海 Song End Sea』(講談社ノベルス、2021)
もう傷は癒えているはず。
それなのに、まだそこが痛いと思い込んでいて、触れずにいる。(『歌の終わりは海 Song End Sea』第三章「人生の終わり」より)
『歌の終わりは海 Song End Sea』は、森博嗣が放ってきたそれまでの各シリーズからの延長線上にあり、既刊のシリーズではおなじみの小川令子、加部谷恵美を中心とした物語である。ただ、二人を知らずとも問題なく、二人が
――それ以前にもしかすると〈僕〉は……?という考えもよぎるが、2020年10月13日に「欅坂46」は終幕した。一区切りしたのだから、映画『Documentary of 欅坂46』について改めて腰を据えて語ることができる、かと言われれば、難しすぎる!映画公開前に発売されたロキノン2020/10月号(別冊)に、このドキュメンタリー映画について平手友梨奈はこう語っている。
私もこれまで届けてきたものが嘘で、ここに映っていることが真実というように思われてしまうと悲しいなって思います