見出し画像

日本語教育学会と人事の話


春季大会無事終了しました

週末(2019年5月25日,26日)は,日本語教育学会春季大会でした。猛暑の中,約1000人の参加がありました。ありがとうございました。一方で,外国人受け入れに関する政治的動きが活性化している中,隣接領域の学会である移民政策学会・日本言語政策学会共催の年次大会が,まったく同じ日程で開催されたのは,本当に残念でした。なんか,調整できないのかなあ,これ。ちなみに,日本語教育学会は,遅くとも2年前には日程と会場が決まっているので,他を見て調整ってのができないんだよなあ…(まあ,やる気があるかどうかという問題もあるけどねえ…)。

春季大会の裏側

春季大会でもっとも大きなイベントは,代議員総会です。1000人超の参加者には,ほとんど認識されていないイベントですが,学会の事業と決算を報告し,承認をいただく会。

ここ数年,赤字予算,赤字決算が続いていましたが,ようやく2018年度は黒字に転換することができました。総務担当副会長としては,本当にうれしい結果になりました。がんばってくれた事務局に改めて感謝です。

今回は,2年に1回の役員改選も重なり,なんだかずっと会議をしていた気がします。19名の理事が総会で承認を受け,その後の理事会で会長を選出しました。日本語教育学会の会長は,ガチの選挙で選ばれます。事前に根回しで決まっているというようなことは(少なくとも現在は)ありません。何度もこう言い続けているけど,それを信じない人たちがいるのが本当におもしろいです。公益法人のガバナンスという観点から考えると,数名であらかじめ決めて根回しをするなんて,やっていいはずないでしょって思います。世の中も人事も変わってきているのです。

人事の話

人事といえば,今回,いろんな人といろんな話をする中で,おもしろい話題がありました。「Aさんを採用しようと考えているとき,Aさんに関する周囲の評価はどこまで当てになるか」ということ。

まず,Aさんと同じ職場で働いたことのない人の評価について。
研究プロジェクトで一緒だった,一度共同発表をしたことがある,共著を出したことがある,学会運営で一緒に役員をやったことがあるなど,いろんな接点があるけど,外で一緒に仕事をするのと,職場で同僚になるのは違うよねというのが,おおむね一致した意見でした。

では,現在Aさんと同じ職場で働いている人の評価はどうか。
Aさんのことはよく知っているはずだから,信頼に足る評価が得られるのではないか。もちろん,同じ職場でもいろんな立場で関わる人がいるから,いい面も悪い面も出てくると思うんだけど,同僚全員が「すばらしい」という場合は信頼できるのではないか…。

しかしここで異論が出ました。もし,Aさんにこの職場に絶対にい続けて欲しくないと,すべての同僚が考えていて,みんながそれを共有していたら,外向きにどういうふうに話すと思う?と。
うーん,確かに,Aさんをどうしてもよそに「押しつけ」たかったら,全員で一斉に絶賛するよなあ。誰に聞いても「Aさんはすばらしい」と言われれば,採用する側としては,「よし,採用!」と思うでしょう。

結局,満場一致ってのは怖いし,みんなが「いい」と言っているときは,気をつける必要があるだろうねということで落ち着きました。当たり前だけど意外とできないことですね。

ちなみに,いい人だけど仕事ができないヤツと,いやなヤツだけど仕事ができる人とどっちと一緒にやりたい?という雑談にも発展しましたが,本来,こんな二択にできるような問題ではないと思います。

僕は,互いにリスペクトし合いながら,きちんと「汗をかく人」と仕事をしたいと,最近特に強く思っています。ああ,最後にこう書いてて思い出しました。僕は,「目立つことはするけど,汗をかかない人」だと思われているみたいです(笑)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?