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初夏の夢を見た。




初夏の夢を見た。

少し汗ばんだ両手が目の前に差し伸べられていた。
夏ってどうしてこんなにも汗が出るんだろうと、それとなく思った。
もしくは雨の後だったのかな。

白いワンピースを着ていた。
そんなワンピース持ってないけど。

何をしていたのだろうか。
自転車にでも乗っていたのかな。

バターをフライパンに満遍なく広げた。
子どもの声なんてあったっけ。

でも、嫌な暑さじゃなかった。
現実はまだ、全然寒いんだけどさ。
太陽のマークなんて嘘なんかついちゃって。

ああ、だめだ。
こんなことを書いているうちにも、きみの温度がどんどん剥がされていく。
言葉を失くしていく。

目を開ける前に、もう一度汗ばんだ両手を眺めた。

言葉をもっと教えて
さよならだって教えて

ヨルシカ 「花に亡霊」


2024.3.19   星期二   曇り

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